イーグルスの問題はコーチ陣にはないとWRブラウン
2024年01月04日(木) 13:26フィラデルフィア・イーグルスにとってここ1カ月は悲惨なもので、それはシーズン第18週で問題を解決するためにチームの内側に目を向けざるを得ないほどひどかった。
ポストシーズンを目前に控えた今、そんなことをしていい時期ではない。しかし、成長は居心地の悪い状況から生まれるものであり、イーグルスのワイドレシーバー(WR)A.J.ブラウンはここ最近、そのような状況に置かれているのは確かだ。
ブラウンはここ1カ月、イーグルスの大事な場面で影を潜めている。それはブラウン自身のせいではなく、オフェンスの機能不全の結果だ。ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニも、攻撃コーディネーター(OC)ブライアン・ジョンソンも、自分たちがフラストレーションを感じていること、そしてブラウンが活躍する機会をもっと作る必要があることを認めている。一方、ブラウンはそのような不機嫌な状態で記者と話すことを拒否しており、ブラウンが不満分子として取り上げられるという新たな筋書きを煽っていた。
ブラウンは現地3日(水)、事態の収拾を図ろうとしている。
ブラウンはイーグルスのロッカールームで報道陣に「正直なところ、試合後にメディアと話さなかったのは、ネガティブになりたくなかったからだ」と語り、次のように続けている。
「俺たちは厳しい時期を乗り越えようとしているんだ、という心構えにすでに移行していた。だから俺個人として、できることは仕事に戻るだけだ。それについて変えられることは何もないよ。試合後に言ったように、俺は何もいいことがなければ何も言わないように育てられた。だから、ネガティブなことにネガティブなことを重ねるつもりはない」
「そうすれば、あなたたちもネガティブなことをさらに書くだろう。試合も見ているんだから、もう分かっているはずだ。だから、俺はこれ以上何も言う必要がないと思ったんだ。これ以上悪くしたくない。その上、俺が何か言ったり、何かしたりすると、正直言って怪物扱いされるだろ。実際は逆だ。フィールド上でのプレーコールに対する俺のイライラを見ただろう。あれは俺の仲間がぶつかったことに対するものだった。俺にはこれからもスミッティ(デボンタ・スミス)が必要だ」
ブラウンは彼自身のために答えることを強いられたチームメイトに謝罪し、メディアの取材には怒っていないと答えた。ブラウンはまた、ある点をはっきりさせたかった。それはコーチ陣には腹を立てていないということ。むしろ、正反対だ。
「ニック(シリアーニ)が自分自身について直したいことがあるかもしれないが、1つ俺が尊敬するのは、忠誠心が欠けているわけではないということ」と話すブラウンはこうつけ加えている。
「それは彼が俺たちを守る時、それが彼にとって何の関係もない時でも、彼が非難されるからだ。でも、それは彼の仕事の一部だし、時にはジェイレン(ハーツ)も同じことをする。ブライアン(ジョンソンOC)も時々、不当な扱いを受けているよ。実際は俺たちのせいなのに」
「でも今日言ったように、コーチたちは今年、1回だってスナップに参加したわけじゃない。問題はコーチではなく、俺たち選手だ。言ったように、1人が間違った方向に行けば、プレー全体が終わる。みんなもチラッと見たように、山あり谷ありだ。だから俺たちはあと少しだと感じている。もっと良くなるために、次のステップに進むために。これだけの逆境があっても、俺たちはそこにいるんだ」
イーグルスにとっては確かに不快な1カ月であり、過去5試合のうち4試合を落とし、そのうちシアトル・シーホークスとアリゾナ・カーディナルスには土壇場で敗れている。この2試合では、ディフェンスの崩壊が敗北につながった。しかし、イーグルスは今シーズンの大半を通じて一貫したオフェンスのリズムを見つけるのにも苦労しており、昨年のこの時期に立っていた地点とは対照的だ。
ブラウンは「ロッカールームには素晴らしいメンバーがそろっているから、イーグルスがいるべき場所にたどり着けると信じている」と述べた。その仲間たちは回避できたものの、厳しい観察の目が、この数週間、特にここ数日間のブラウンに向けられてきた。
しかし、ブラウンはそういった状況を問題視している。自分が批判に対処できないからではなく、逆境の中で不必要なネガティブな注目を集めていると知っているからだ。今は雑音は必要ない。
ブラウンは水曜日に次のようにコメントしている。
「それがもう1つのこと。謝罪したいもう1つの理由だ。みんなに見えているのは、イーグルスに不満を持つA.J.ブラウンだけ。A.J.がああしただとか、 A.J.がこうしただとか。ロッカールームにいる誰もがイライラしている。なのに、なぜ俺が唯一不満を持っているみたいに、特別扱いするんだ? ただ俺が頭を振って、感情を表しているからか? スタジアムのみんなを見ればわかるが、誰だって悪い態度を取ることはある。みんな苛立っている。それをはっきりさせたかった。これは俺だけのことじゃないから。俺たちみんなが不満を持っているんだ」
ブラウンが水曜日に報道陣の前でこの問題を取り上げたことで、チームを取り巻く悪いうわさを少し和らげることができた。とはいえ、イーグルスがフィールドで結果を出すまでは、完全に消えることはないだろう。
そのプロセスは日曜日に行われるニューヨーク・ジャイアンツとのレギュラーシーズン最終戦から始まる。その試合に勝利し、なおかつダラス・カウボーイズが敗北すれば、イーグルスがNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区優勝を果たすことになる。
【KO】