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ビクトリーフォーメーションからのTDは不必要だったと反省するセインツHCアレン

2024年01月08日(月) 14:42


ニューオーリンズ・セインツのジャマール・ウィリアムス【Joe Robbins via AP】

現地7日(日)に実施されたレギュラーシーズン最終戦を終えてニューオーリンズ・セインツとアトランタ・ファルコンズの間に愛が失われたことは間違いない。

勝利を確実なものにしていたセインツが相手エンドゾーンから1ヤードの地点でビクトリーフォーメーションをとった時、良心のあるニーダウンで試合を終わらせる様子をうかがわせていた。

ところが、セインツのバックアップクオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンはランニングバック(RB)ジャマール・ウィリアムスにハンドオフ。そのウィリアムスがエンドゾーンに飛び込んでタッチダウンを決めると、エキストラポイントも得て残り1分10秒でリードを48対17に広げたのだ。

ファルコンズのヘッドコーチ(HC)アーサー・スミスは試合後のやりとりでセインツのデニス・アレンHCに激昂し、伝統的な握手の代わりに本音をぶつけたという。

アレンHCは勝利後の記者会見で「あの場面ではニーダウンすべきだった」と認めた。「彼ら(オフェンス陣)から、最後にジャマールにタッチダウンをさせることを提案された。私はニーダウンすることを望んでいた。ビクトリーフォーメーションを出したけれど、選手たちが彼にタッチダウンをさせたいと思って、それを勝手にやったんだ。許されないことだ」

2022年シーズンにデトロイト・ライオンズでタッチダウンラン17回を記録してNFL首位につけたウィリアムスは今季、セインツ(9勝8敗)にやってきたものの、まだ一度もエンドゾーンを踏んでいなかった。

試合の後、スミスHCが明らかに憤慨していたことについて聞かれたアレンHCは、相手ヘッドコーチの感情を代弁している。

アレンHCは「彼がそうなるのは当然のことだ。至極当然のこと」と主張。

セインツの余計な得点はセインツ一色だった後半終了間際に生まれた。

このタッチダウンも含め、アレンHC率いるセインツは後半2つのクオーターで5回得点し、ハーフタイムに17対17だったスコアを31点差の大勝に変えている。タンパベイ・バッカニアーズがカロライナ・パンサーズを相手に大仕事をやってのけたため、セインツはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区優勝を逃したものの、ワイルドカード出場権獲得に一瞬の望みをつないだ。

しかし、その望みが実現することはなかった。セインツは勝利を必須条件に、グリーンベイ・パッカーズとシアトル・シーホークスがともに敗北すれば第7シードとしてプレーオフに滑り込む可能性があったが、両チームとも勝利したために条件は満たされず。

ファルコンズ(7勝10敗)には、もはや可能性は残されていなかった。ファルコンズはこの敗戦でプレーオフ争いから脱落した上、意気消沈させるような試合後半の展開を経て過去5試合のうち4試合を落としてシーズンを締めくくることになったため、ウィリアムスのプレーは何重にも追い打ちをかけるものだ。

スミスHCは「誰もあんな形でシーズンを終わらせたくはないだろうが、彼らの手柄だ」と語り、こうつけ加えている。「彼らは後半、確実にいいプレーを展開していた。手に負えなくなった。好きなようにやればいい。私はただ彼に、今回のことに対する自分の意見を伝えただけで、彼らが私たちを打ち負かしたこと、後半にわれわれのミスを利用して何本かのショットを決めたこと、その事実は覆らない」

【KO】