「今季のようなことは二度と起こってはならない」とジェッツWRウィルソン
2024年01月09日(火) 10:24現地7日(日)に17対3のほろ苦い勝利を収めたニューイングランド・ペイトリオッツ戦をもって、ニューヨーク・ジェッツの不本意な2023年シーズンは幕を閉じた。
さて、今後は2024年に今シーズン――7勝10敗、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区3位――と同じような結果にならないようにすることに焦点が移る。このような作業はクラブに関わるすべての要素を振り返り、評価することから始まる。
最優先事項は人材面の見直しだろう。ヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは月曜日に、クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースのバックアップを務める選手の状況について、ジェネラルマネジャー(GM)ジョー・ダグラスと「話し合う必要がある」と認めた。ベテランQBのロジャースは2024年にチームの先発に復帰すると見込まれている。
サラーHCはロジャースについて「彼への期待に変わりはない」とコメント。
「スカウトチームでプレーしていた先月に、彼が私たちを圧倒するところを見たばかりだ。つまり、彼にはまだあらゆる種類の活力、エネルギー、腕の才能がある。彼はもっと燃え上がった状態で来るんじゃないかと思っている。だが、私が彼に期待しているのは、彼らしくあることだ」
『ESPN』によれば、ダグラスGMは月曜日に報道陣に対し、チームがロジャースを支えるベテランのバックアップQBを確保するために市場に出る「可能性は高い」と述べたという。ザック・ウィルソンとの契約について、ダグラスGMはトレードの電話には常に耳を傾けていると明かした。
スタッフ――特に、3つのユニットをそれぞれ担当しているスタッフ――に関して、サラーHCは劇的な変化を想定していない。それはつまり、攻撃コーディネーター(OC)のナサニエル・ハケットが2024年に戻ってくるということになるが、それは少なくともジェッツ攻撃陣の主要メンバーの1人を落胆させることになるかもしれない。
ESPNのリッチ・シミニによると、ワイドレシーバー(WR)ギャレット・ウィルソンは月曜日に「今季のようなことは二度と起こってはならない。もっと良くなるはずだ」と強調し、次のように続けたという。
「試合の中で調整しなきゃいけない。俺たちは自分たちが受けたことに対抗するためにいろんなことをする必要があるし、得点を重ねられるようにならないと。だって正直、ここにいた2年間はきつかったからな。しんどかったよ。オフェンスに関して、前はこんなにハードじゃなかった。サイドラインで見ていても、他のチームにとってそれほど大変には見えない」
「誰が投げようと、何とかしてボールを回さなきゃいけない。アーロンがいればそれ自体がオフェンスになることは分かっている。それが彼の持ち味だからな。彼は特別だ。来年、世界中のみんながそれを見られるように祈っている。でも、そうだな、今年のようなことは二度と起きたらダメだ」
ウィルソンがそのコメントを通じて、2023年シーズンにハケットOCがジェッツ攻撃陣を指揮していた方法を非難していたと解釈するのは簡単なことだと言えよう。確かに、ロジャースがアキレス腱を負傷してシーズン終了になったことを受けて、QBポジションに次々と変化を起こさざるを得なくなったことが状況をより複雑にしたとはいえ、試合平均ヤードで31位に終わったオフェンスのメンバーの一員として、ウィルソンの視点には重みがある。そして、その評価は良くない。
当然、ハケットOCとロジャースの長年の関係が事態をより複雑化している。すべてのコーディネーターが戻ってくることを見込んでいるとサラーHCが述べていることから、この先はさらに協力を進め、ハケットOC側が何らかの調整をする道しかないように思える。
それは2024年にジェッツがチャンスをつかむ上で不可欠なことかもしれない。ロジャースが月曜日に認めたように、2024年シーズンはクラブにとって、そして現在関わっているすべての関係者にとって極めて重要になるはずだ。
ロジャースは「来年、俺たち全員が“ホットシート”に座ることになるのは明らかだ。俺たち全員にとって重要な年になるだろう」と話している。
「俺はそれを気に入っている。素晴らしいことだと思っている。毎年そういうアプローチをするべきだ。“最近、君は私に何をしてくれた?”ってね」
「低迷した年とか悪い年があれば、新たな道に進むことを求める声があがるものだ。40歳にもなればなおさらね。だから、俺は試合に出て、できる限りのプレーをするつもりだ。自分の能力を最大限に発揮できるシーズンを送り、自分たちが実現できると分かっている成功を収めることができれば、そういうことはすべておのずと解決するだろう」
ギャレット・ウィルソンが話していたように、ロジャースの優秀さはチームのQBポジションに強力なエンジンをもたらす。それを適切な燃料で満たすか、あるいは自然発火の危険にさらすかはハケットOC次第だ。2023年シーズンにおける緩やかな燃焼とは異なり、ダメージはもっと早くやってくるかもしれない。
そのような大惨事を防ぐには、ニュージャージー州フローラムパークにあるチーム本部の全員の力が必要だ。
【RA】