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来季の復帰を見込むセインツHCアレン、ロッカールームに“亀裂”はない

2024年01月09日(火) 15:47

ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチ(HC)デニス・アレン【AP Photo/Tyler Kaufman】

試練のシーズンに健闘したことを受け、ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチ(HC)デニス・アレンの職は安泰となっているようだ。

現地8日(月)、アレンHCは2024年にセインツのコーチとして戻ってくることを見込んでいると報道陣に明かした。

「そうだ、私はそう見込んでいる」とアレンHCは話している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはその後、アレンHCが留任することになると報じた。

アレンHCが解雇を免れたように見えるのは、セインツが2023年レギュラーシーズン終盤についに潜在能力を発揮したからだろう。何カ月も不安定で一貫性に欠けるパフォーマンスを見せていたにもかかわらず、セインツは最後の5試合中4試合で勝利を挙げた。その中で唯一敗れたのはシーズン第16週に敵地で臨んだサーズデーナイトゲームで、プレーオフ進出を狙うロサンゼルス・ラムズと対峙した試合だった。

しかし、日曜日を迎えるにあたって、アレンHCの将来が確実に保障されていたわけではなかった。地区ライバルのアトランタ・ファルコンズを相手に48対17の勝利を挙げるという、今シーズン最高のパフォーマンスを見せた試合で、アレンHCはファルコンズのゴールラインから1ヤードの地点で膝をつくようオフェンスに指示した。オフェンスはその指示を無視し、バックアップクオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンはランニングバック(RB)ジャマール・ウィリアムスが2023年シーズン初のタッチダウンを決めることをお膳立てするためにボールを手渡している。

その判断は、現在はすでに解雇されているファルコンズのアーサー・スミスHCを激怒させることにつながり、アレンHCは選手たちの行動を謝罪せざるを得なくなった。おそらく最も問題なのは、選手たちがアレンHCの指示に反発したことで、それは内部分裂の可能性を示唆していたと言えよう。

しかし月曜日、アレンHCはそうした意見に反論した。

『The Times-Picayune(タイムズ・ピカユーン)』によると、アレンHCは報道陣に対して次のように述べたという。

「その選手たちはシーズン最後の5試合を全力でプレーしていた。私はそうならないチームにいたこともある。いや、(選手とコーチの間に)亀裂があったとは思っていない」

前任のショーン・ペイトンが2021年シーズン終了後に突然チームを去った後、ヘッドコーチに就任したアレンは、2シーズンで16勝18敗の成績を残してきた。激動の中、セインツは継続性を考慮し、ペイトン時代に守備コーディネーター(DC)を務めていたアレンを昇格させている。アレンは2015年シーズン終盤にロブ・ライアンが解雇された後、約7年間にわたってセインツの守備コーディネーターを務めていた。

セインツの計画はシンプルで、引退したQBドリュー・ブリーズの後任を探す間、ディフェンス重視のコーチを続投させ、守備陣の力でチームの競争力を維持することだった。

そうした計画はおよそ1年間、うまく機能していた。セインツの守備陣は2022年シーズンに、主にNFLで2位に輝いたパスディフェンスに支えられる形で、試合平均被ヤードでNFL内5位となっている。

しかし、質の高い先発クオーターバックと健康状態の良い武器を欠いていたセインツは、低得点の試合ばかり展開し、試合平均得点では下位に沈むなど、低迷していた。

セインツはそのような環境下でも奮闘して7勝を挙げ、2023年オフシーズンに向けて優先すべき事項を明確にした――つまり、クオーターバックを見つけることだ。アレンHCは顔なじみの選手が、チームが切望しているQBポジションの答えとなることを期待してデレック・カーを起用。アレンHCはオークランド・レイダースから解雇された2014年シーズンに4試合、当時新人だったカーとともに試合に臨んだことがあった。

カーを迎え入れた後、結果は期待通りのものにはならなかった――少なくとも、シーズン最後の5週間までは。カーとセインツは2023年シーズンの大半で共通認識を持つのに苦戦していた。シーズン終盤の躍進だけが、アレンHCの職を守る理由になったのかもしれない。日曜日に収めた圧勝はアレンHCの解任に異議を唱えるための強力な論拠になったのだ。

今のところ、そのような意見が勝っている。最終成績が7勝10敗と9勝8敗では、長期的な安泰を保証するには不十分だが、勝利数が2つ増えたことは称賛に値する改善だ。

ただ、あまり褒めすぎてはいけない。アレンHCによると、ペイトンとブリーズが何年も安定的に成功を収めてきたセインツでは、自己満足に浸る傾向が深く浸透しすぎている可能性があるとのこと。アレンHCは月曜日に、セインツが2024年以降により良くなるために、自分たちを試す時が来ていると強調した。

『WWL-AM』によれば、アレンHCは月曜日に「私たちは考え方を変える必要がある」とコメントし、「私は多くのことをここで経験してきたし、ここで多くの成功を収めてきた。それで少し安心しているときがあると思っている」とつけ加えたという。

【RA】