タイタンズが6年間HCを務めたマイク・ブラベルを解任
2024年01月10日(水) 10:25驚くべきことに、テネシー・タイタンズがヘッドコーチ(HC)のマイク・ブラベルを解任したと、現地9日(火)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えた。
ブラベルは過去6シーズンにわたってタイタンズを指揮し、54勝45敗(勝率.545)、プレーオフ2勝の成績を残した。後にチームが正式に解任を発表している。
オーナーのエイミー・アダムス・ストランクは火曜日に声明で「本日、私はマイク・ブラベルと話し、ヘッドコーチを交代させるという私の決断を伝えました」と明かし、次のように続けた。
「ブラベルコーチに話したように、この決断は私がオーナーとして下した決断の中でも最も難しいものでした。フィールドの内外でのマイクのテネシー・タイタンズへの貢献にとても感謝しています。彼に会ったことのある人なら誰でも、彼がどれほど情熱的で純粋な人物であるかを知っているでしょうし、彼はナッシュビル・コミュニティの強力なサポーターでした。マイク、ジェン、そしてブラベル一家の今後の活躍を祈っています」
ブラベルの運命はこの2シーズンで決まったようなものだ。最初の4シーズンに合計で41勝23敗、2019年シーズンにはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに進出したタイタンズだが、過去2シーズンは7勝10敗と6勝11敗でプレーオフ進出を逃している。
タイタンズは2019年のAFCタイトルゲームに進出し、最終的にカンザスシティ・チーフスに敗れて以来、ポストシーズンでの勝利はない。チームは2020年シーズンのワイルドカードラウンドでボルティモア・レイブンズに敗れ、2021年シーズンのプレーオフではAFCの第1シードを獲得したにもかかわらず、シンシナティ・ベンガルズにホームで逆転負けを喫した。
クオーターバック(QB)のトラブルがブラベルの過去2シーズンを苦しめることになった。2022年シーズン、タイタンズは7勝3敗でスタートしたが、QBライアン・タネヒルが負傷し、チームの他のQBが苦戦したため、7連敗でプレーオフ争いから脱落。ジャクソンビル・ジャガーズにAFC南地区の王座を奪われた。
タネヒルは2023年シーズンに復帰したが、最初の先発6試合でわずかタッチダウン2回しか決めることができず、再び負傷。後任のルーキー、QBウィル・レビスはアトランタ・ファルコンズ戦でタッチダウン4回のデビュー戦を飾るなど、才能を感じさせたが、その後の先発8試合ではタッチダウン4回にとどまり、結局、QBレビスの下では3勝6敗の成績となった。
このような状況の中で、2023年のレギュラーシーズン終盤には退団の可能性が浮上し始めた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロはシーズン第18週を前に、苦しむブラベルHCがシーズン終了後にチーム幹部と会談し、今後の進路について議論すると報じた。
議論の結果、その進路にブラベルの7シーズン目の復帰は含まれていないようだ。
火曜日、アダムス・ストランクオーナーは「NFLが革新と進化を続ける中、持続的な成功のために最も適した組織というのは、フットボールの全場面にわたって連携し、同じ方向を向いて協力的なチームだと私は信じています。昨シーズン、私たちはフットボールのリーダーシップへのアプローチの転換を始め、その計画を進めるためにいくつかの人事異動を行いました。チームの状態を評価し続けるうちに、新しいコーチングスタッフの新鮮なアプローチと視点がチームの役に立つという結論に達しました」とコメントした。
「テネシー・タイタンズはナショナル・フットボール・リーグの一流フランチャイズになることができるし、そう信じています。それは私たちのファンにふさわしいものであり、その過程では難しい決断を迫られるでしょう。今回の私の決断は、過去2シーズンに対する失望を反映したものであるだけでなく、私たちのビジョンを完全に達成するためにはさらなる変革が必要だという認識でもあります」
また、ブラベルHCとジェネラルマネジャー(GM)ラン・カーソンの不和もうわさされていた。ジョン・ロビンソンの後任として2023年シーズンを前にタイタンズのGMに就任したカーソンは、火曜日の記者会見の冒頭でそれらを否定した。
カーソンGMは「マイクと私の関係について、ここ2、3カ月、あるいはそれが何であれ、多くの憶測が飛び交っていることは知っている。マイクと私は、一度も問題を起こしたことがない。個人的なことも、仕事上のことでもだ。われわれは一緒に仕事をし、いい関係だった。歩調を合わせていた。だから、最終的にはそういったうわさを払拭したい。私はブラベルの幸せを願っているし、彼のことを友人だと思っている。これからも同じ関係で前進していきたいと感じている」と話した。
ブラベルの6シーズンでの成功実績から、両者間の解決策の1つとして、2021年シーズンのNFL年間最優秀コーチを他チームへトレードし、タイタンズがドラフト指名権を回収することも可能だったのでは、と推測されていた。
アダムス・ストランクオーナーは火曜日、タイタンズのウェブサイトのインタビューで、トレードについても検討したと語っている。
アダムス・ストランクオーナーは「確かにトレードの可能性はありました。しかし、コーチの契約と選手の契約については少し異なる部分があります。コーチの契約は、トレードの相手が前向きでない限り、成立しません。私たちはその可能性を考えました。でも、結局のところ、リーグのルールがそうなっている以上、トレードを行うと契約が3週間は遅れてしまいます。正直なところ、適切なヘッドコーチを獲得するために、トレードに手を出すことで後手に回って、本当に欲しい人を逃す可能性をどうしても避けたかったのです」と語った。
【AK】