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シーホークスHCキャロルが退任、14シーズンを終えてアドバイザーとして残留

2024年01月11日(木) 10:58

シアトル・シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロル【AP Photo/Michael Ainsworth】

シアトル・シーホークスの歴史上、唯一のスーパーボウルタイトルにチームを導いたコーチが、ガムをかみながら熱心にサイドライン沿いを歩き回ることは、もうない。

シーホークスのヘッドコーチ(HC)を14シーズン務めたピート・キャロルが退任すると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが現地10日(水)に伝えた。

チームも後にこのニュースを認め、キャロルが今後はアドバイザーとしてチームに残るとつけ加えている。

オーナーのジョディ・アレンは水曜日に発表した声明の中で「思慮深い面談を重ね、チームにとっての最良とは何かを慎重に検討した結果、私たちはピート・キャロルがヘッドコーチの役割ではなく、アドバイザーとしてこの組織に残ることで共に合意しました」と述べている。

「ピートはシーホークスの歴史で最も勝利したコーチであり、この街に初めてのスーパーボウルタイトルをもたらし、過去14年にわたって、フィールドとこのコミュニティにきわめて大きな影響を与えました」

「彼がリーダーシップに専門的な助言を与え、チャンピオンシップの文化を築いていくことは、前に進んでいく私たちの組織にとって、これからも不可欠な部分であり続けます」

「ピートはこれからもずっと、シーホークスファミリーの愛される一員です」

水曜日、キャロルは感情のこもった35分間の記者会見の冒頭でこう語っている。

「最後の試合が終わってから、私には何度か話す機会があり、最初にこのチーム、この組織についての私の気持ち、そして、“ホークス”に残りたいとの意思を伝えた。それは骨の髄から本当の気持ちだった。ここははっきりさせておきたいんだが、ほとんどの人から見れば、事態はあまりにも急速に進んでいった。このプログラムで一つの役割を果たせたことは、誇らしい。私はすべての瞬間を楽しんでいた。・・・ここで、こういった未来があるのはエキサイティングだ。それはあなたがたにも分かるだろう。これから始まろうとしているのを、われわれは分かっている。それは輝かしく、チームには素晴らしい行き先がある。未来はそこにある。オーナーシップとのシーズン末の面談とプランニングセッションを終え、チームが新たなリーダーシップを擁するという、新しい道に進むことに、われわれがいずれも納得した上で合意するのは――さまざまな理由からも――明らかだった。単に決断が下されたのであり、そこにはさまざまな要素があった。私の仲間たちは皆、われわれの今後や立場のために、私がどれだけ戦ったかを知っていると思う」

不特定な役割でチームのアドバイザーにとどまるキャロルだが、他の場所でヘッドコーチに就任する機会を探すことについては否定しなかった。

シアトルで過ごした14シーズンで、キャロルは137勝89敗1分をマークし、シーホークスをスーパーボウルに2度連れて行った。その中にはデンバー・ブロンコスを撃破してロンバルディトロフィーを獲得した第48回スーパーボウルもある。

2010年にシーホークスの指揮を引き継いでからの137勝は、同じ期間にマークされたものとして5番目に多く、ポストシーズンの10勝は3番手に位置する。

72歳で、NFL最年長のヘッドコーチだったキャロル。一度NFLから退いたキャロルは、南カリフォルニア大学で伝説的なコーチとして活躍した後、2010年にシーホークスによって起用されている

シーホークスはジョディ・アレンが兄の故ポール・アレンからチームを引き継いでから、初めてのヘッドコーチ探しに乗り出す。ラポポートによれば、シーホークスで4年間アシスタントを務め、2013年から2014年シーズンにはキャロルの下でDCだったダラス・カウボーイズの守備コーディネーター(DC)が有力な候補だという。

ヘッドコーチ探しの先頭に立つのはジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダー。シュナイダーは2010年から、キャロルの傍らでシーホークスGMを務めてきた。これから、共に働く2人目のヘッドコーチを探すシュナイダーを、キャロルが支えていくだろう。

キャロルには次のチャプターに臨む準備ができている。一つキャロルが明確にしておきたいのが、彼のキャリアはまだ終わりではないということだ。

「私は絶好調だ。燃え上がっている。疲れなどない。すり減っていない。君たち皆が最善を尽くしてくれて、おかげで私が摩耗することはなかった。シーズンは終わり、横になってもいいときだ。でも、私はそう思わない。これからどうなるんだろう? 私には分からない。見当もつかないし、今はまったくそれを気にしていない。だが、そのことにワクワクしている。学ぶことがたくさんあるからね。たくさん勉強することがある。ものすごい発見もあるだろう」とキャロルは話している。

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