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「声が多すぎる」ことが新人QBヤングを苦しめたとパンサーズTEハースト

2024年01月11日(木) 14:26

カロライナ・パンサーズのブライス・ヤング【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

カロライナ・パンサーズはハイズマントロフィー受賞者である新人クオーターバック(QB)ブライス・ヤングを獲得するために将来をかけて投資したが、結果としてヤングは厳しい初シーズンを送った。

ヤングにとってうまくいった部分はほとんどなく、一貫していいプレーを作り出すことに苦戦し、ひどく精度の低いパスを投げ、フットワークが後退し、悪い癖がついた上、脆弱(ぜいじゃく)なオフェンシブラインの後ろで散々な目にあっている。

6シーズンで4つのチームでプレーしたベテランのタイトエンド(TE)ヘイデン・ハーストはさまざまなオフェンスを経験しており、ヤングの耳に入ってくる声が多すぎたことが主な問題だと指摘した。

ハーストは『The Charlotte Observer(ザ・シャーロット・オブザーバー)』のインタビューに対して「明らかだったと思う。このロッカールームにいればわかる――とにかく声が多かった」と語り、こうつけ加えている。

「多くの人が舵を取ろうとしていたんだと思う。それで最終的には声が多すぎたね」

パンサーズは先のオフシーズン中に、QBプレーを強化するためにコーチングスタッフを整えた。それはヘッドコーチ(HC)のフランク・ライク、QBコーチのジョシュ・マカウン、攻撃コーディネーター(OC)のトーマス・ブラウン、シニア・アシスタントのジム・コールドウェル、パスゲームコーディネーターのパークス・フレージャーといった面々だ。

ハーストは、あまりにもシェフに注文をつける声が多すぎたと考えている。

「俺に言わせれば、あまりにも多くの意見があったと思う」と主張したハーストは、次のように続けている。

「みんなから正しい答えを求めるようなもので――意見が多すぎた――ブライスにとっては最悪だ。彼は多くの人からいろいろなアドバイスをもらいすぎた。だってアラバマのようなところから来ればね。あそこではセイバン(アラバマ大学コーチ)が王様で、彼が言ったことがそのまま通る」

「21歳の若者としては、それがNFLでも一貫して通用すると思うだろう。残念なことに、彼は多くの人の言うことを聞きすぎたんだと思う。だから、彼にとって原点に戻るいいオフシーズンになるだろう。彼はハイズマントロフィーを獲得したし、かなり優秀だ。全体1位のドラフトで指名を受けた、とても優秀な選手だ」

シーズン第12週が終わった後にフランク・ライクHCとジョシュ・マカウンQBコーチが解任された理由の1つは、ヤングの耳に入ってくる声を減らすためだった。ヤングは最初の10試合を通してパス成功率61.71%、1,877ヤード、タッチダウン9回、インターセプト8回、被サック40回を記録し、250ヤード以上のパスを投げた試合はなかった。

コーチ陣の刷新で一時は好転し、ヤングはシーズン第15週のグリーンベイ・パッカーズ戦で今シーズン最高のパフォーマンス(パス312ヤード、タッチダウン2回、インターセプトなし)を見せて、相手を逆転寸前まで追い詰めた。しかし、最後の2週間はオフェンスが低迷し、パンサーズは2試合とも無得点に終わり、ヤングのパスヤードも115ヤードにとどまっている。

パンサーズのコーチ探しの焦点は、元ドラフト全体1位指名のヤングを再び軌道に乗せて、このQBの長所を生かすオフェンスを築くことができる唯一の指導者を見つけることにある。

【KO】