チーフスQBマホームズはエリートだが、自分たちもエリートのディフェンスだとレイブンズLBスミス
2024年01月25日(木) 13:00ボルティモア・レイブンズに関する話題は、当然のことながらクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンを中心に展開されているが、レイブンズディフェンスを見逃してはならない。
実際、現地28日(日)にカンザスシティ・チーフスとのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームが控える中、レイブンズのラインバッカー(LB)ロクアン・スミスは、そのディフェンス陣を誰も見過ごすことはないだろうと確信している。それは、2度のNFL MVPに輝いたQBパトリック・マホームズがこのレイブンズディフェンスと対峙するとしても同様だ。
スミスはチャンピオンシップゲームを前にした水曜日の記者会見で「彼(マホームズ)がエリートクオーターバックであることはみんなが知っている」と語り、こうつけ加えている。
「彼はすべてをうまくこなす。個人的には特に彼のカバレッジを読み解く能力やプレーを延長する能力が際立っていると思う。・・・彼が素晴らしいクオーターバックだってことはみんなが認めるところだけど、俺たちディフェンスだって負けてはいない」
スミスは間違っていない。レイブンズは今季レギュラーシーズンをNFLで最も失点の少ないディフェンスとして終え、試合平均16.5点しか許していない。トータルディフェンスで6位、プレー平均ヤードで3位、対戦相手のパサーレーティング、被タッチダウンラン数、サック数で1位だった。
クリスマス以降のレイブンズに注目している人なら、もうひとつ重要なことを指摘するだろう。それは、完璧なタイミングで最高のディフェンスを披露していることだ。
スミスは次のように説明した。
「みんな自己満足にひたっていないということに尽きると思う。みんな一貫している。毎日毎日、それは1週間を通しての準備から始まる。1人1人が自分自身を鏡で見るんだ。俺は毎日1人1人に言うようにしているんだけど、自分の持てる力をすべて出しきれば、俺たちと同じことができる選手たちはそうそういない。このディフェンスが本当に強いことは分かっているし、それを世界に示すために自分の役割を全うするつもりだ」
レイブンズの守備コーディネーター(DC)マイク・マクドナルドが予測不可能な手法でプレッシャーを作り上げたことは称賛に値するが、このユニットの強さは才能ある選手たちに尽きる。2022年にスミスを獲得したのは大胆かつ実りある動きで、ラインバッカー陣とディフェンス全体を向上させ、セーフティ(S)カイル・ハミルトンが成長し続けたことで、レイブンズはバックエンドにゲームの行方を変える力のある選手を得た。
レイブンズディフェンスはチーフスを倒すためにすべてのパーツを必要としている。伝統的に爆発的なオフェンスを持つチーフスは、今シーズンの大部分では以前と同じようなパフォーマンスを見せていなかったものの、ポストシーズンに入ってついに調子を取り戻し、プレーオフの2試合でそれぞれ26点と27点をマーク。マホームズはリズムをつかみ、再びフットボール界で最も恐れられるシグナルコーラーの1人となっており、これはレイブンズのディフェンスにとって難しい課題となる。
この課題解決のためには、レイブンズはマホームズを一番のターゲットであるタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーから遠ざける必要があり、その責任は試合の大半でハミルトンの肩にかかることになるだろう。
ハミルトンは水曜日にケルシーについてこう述べた。
「彼(ケルシー)はこのリーグで最高の選手だ。俺が覚えている限りずっと素晴らしい選手だ――このレベルで彼を見始めてからずっとね。彼が今までに獲得してきたリスペクトはすべて正当なもの。チャレンジになるだろう。俺は彼を封じ込める計画の一部だけれど、同時にそれはチーム全体の努力があって初めてうまくいく」
レイブンズディフェンスはまた、チーフスの強みであるショートパスに対抗する方法を見つけなければならないだろう。そのためにレイブンズは、レギュラーシーズン中にサンフランシスコ・49ersのQBブロック・パーディーを混乱させ、マイアミ・ドルフィンズのQBトゥア・タゴヴァイロアを苦しめ続けたのと同じプレッシャーをかけた上に、ディビジョナルラウンドで34対10に抑えてヒューストン・テキサンズのC.J.ストラウドを無力化させたのと同じプレッシャーを生み出す必要がある。
理論的には、プレッシャーがクイックリリースを促すことで、マホームズの強みが発揮される。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、マホームズは10ヤード以下のパスでのパス成功率、パサーレーティング、タッチダウン数で上位5位以内に入っている。
レイブンズがプレッシャーをかけるつもりなら、2.5秒の間にタイトなカバレッジを展開してマホームズを捕らえ、ケルシーや新人ワイドレシーバー(WR)ラシー・ライスの下に素早いパスを放つチャンスを制限した方がいい。
これは複雑な戦略で、他にランニングバック(RB)アイザイア・パチェコがゲームにどのような影響を与えるかという要素もある。しかしスミスにとって、それはフットボールだ。相手オフェンスを屈服させることで知られるタフなチーム、レイブンズのフットボールなのだ。
マホームズと対戦することについて、スミスはこうコメントしている。
「大学院レベルのコース(のように難しい課題)だとは思わない。やらなければならないことだと思うし、やり遂げるつもりだ。それがメッセージさ。彼(マホームズ)は他のクオーターバックと同じようにズボンを履く。彼はエリートクオーターバックだが、結局のところ、俺たちもエリートディフェンスだ。相手のオフェンスを止める。それが俺らの仕事だ。試合の最初から最後まで、それが俺らの仕事だ。俺たちがやるべきことなんだ」
【KO】