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チャージャーズがジム・ハーボーを新HCに採用

2024年01月25日(木) 13:20

ジム・ハーボー【AP Photo/Al Goldis】

ジム・ハーボーがNFLに戻ってくる。

現地24日(水)、ロサンゼルス・チャージャーズが今月にミシガン大学をナショナルチャンピオンシップに導いたハーボーを次期ヘッドコーチ(HC)とする契約の条項に合意したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、トム・ペリセロ、マイク・ガラフォロが報じた。その後、チャージャーズはハーボーの採用を正式に発表している。

水曜日、チャージャーズとの2度目の面談を受けるべくロサンゼルスを訪れていた60歳のハーボーは、そのままそこを離れない見込みだ。ラポポートによると、ハーボーはミシガン大学からカレッジフットボール界で最も高給取りのコーチになれるオファーを受けていたが、チャージャーズの指揮官になることを選んだという。

チャージャーズのオーナーであり、取締役会会長のディーン・スパノスは声明で次のように述べている。

「ジム・ハーボーはフットボールを象徴する存在であり、チャージャーズを前進させるのにこれ以上の適任者はいないと考えられる。コーチの息子であり、コーチの弟であり、コーチの父でもあるジムは、コーチとしてあらゆる場所で何百人もの選手たちを成功に導いてきた過去20年間に、(ボー)シェンベックラーや(マイク)ディトカといった名コーチの指導を受けてきた。そして今日、ジム・ハーボーはチャージャーズに、今回は私たちのコーチとして戻ってきた。私たちほどいいチームはないだろう」

ハーボーは過去2回のオフシーズンにそれぞれミネソタ・バイキングスとデンバー・ブロンコスの面談を受けていたため、NFLへの復帰は以前からうわさされていた。

サンフランシスコ・49ersで過ごした4シーズンを含め、ハーボーはコーチングキャリアのあらゆる時期に成功を収めてきた。2011年から2014年にかけて在籍した49ersでは、44勝19敗1分と、試合のほぼ70%を勝利に導いている。10年前、49ersはハーボーの下で3年連続のNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲーム進出を果たし、第47回スーパーボウルにもコマを進めた。そこでは、ハーボーの兄であるジョンが率いるボルティモア・レイブンズに敗れている。偶然にも、レイブンズは2024年にチャージャーズとの対決が組まれているため、ロサンゼルスでの兄弟対決が実現するかもしれない。

サイドラインに立つ前、ミシガン大学でクオーターバック(QB)として活躍していたハーボーは、1987年NFLドラフト1巡目でシカゴ・ベアーズから指名されている。NFLでのキャリアは1987年から2001年まで続き、チャージャーズには2年間在籍して17試合に先発出場した。

ハーボーは声明で「ミシガンへの愛、ミシガンでプレーしたこと、ミシガンでコーチをするために戻ってきたことは、永遠に自分に影響を与えるだろう。私はこれからもずっと忠実なウルバリンであり続ける」と述べている。

「私は、人生の旅路が強く個人的なつながりを生み出した場所でコーチをする機会に恵まれたことを、とても幸運に思っている。ウエスタンケンタッキー大学で父ジャックと共にアシスタントコーチを務めたり、(オークランド)レイダースでアシスタントを務めたり、USD(サンディエゴ大学)、スタンフォード大学、49ers、そしてミシガン大学でヘッドコーチを務めたりしてきた――その機会の1つ1つに意味があり、1つ1つに個人的な思いがある。私がチャージャーズでプレーしていたとき、スパノス家はこれ以上ないほど親切に迎え入れてくれた。ここに戻ってくると故郷のように感じられるし、そういうことが変わっていなかったと実感するのは素晴らしいことだ」

「トップで始める仕事はとにかくもがくことだ。つまり、自分たちの道は自分たちで切り開いていくしかない。今日は昨日より良くなる。明日は今日より良くなる。私の優先事項は信仰、家族、フットボールであり、私たちは前人未到の熱意をもってそれぞれに向き合うつもりだ。この組織は資本を投じ、基盤を構築し、勝つために力を尽くしている。素晴らしい努力は素晴らしい結果につながる。私たちはまだ始まったばかりだ」

ハーボーはロサンゼルスで、QBジャスティン・ハーバートのキャリアを立て直す任務を負う予定だ。チャージャーズは時に有望であることを感じさせながらも、NFL屈指の若手パサーを擁しているにもかかわらず勝利よりも印象的な敗北の方が目立っている。

チャージャーズは12月、プライムタイムに行われたラスベガス・レイダース戦で63対21と惨敗を喫したことでブランドン・ステイリーHCとトム・テレスコGM(ジェネラルマネジャー)を解雇。この敗北は2023年という不本意な1年の集大成だったと言えよう。2023年(2022年シーズン)のスーパーワイルドカード週末に行われた試合で、ジャクソンビル・ジャガーズに歴史的大敗を喫したチャージャーズは、新たなシーズンを迎えても試合終盤に苦戦するという状況が続いていた。

2023年シーズン、ハーバートは指の骨折でキャリア最低の13試合にしか出場していない。ハーバートは1試合あたりのチームの得点(21.7得点)、戦績(5勝8敗)、パス成功率(65.1%)、試合平均パスヤード(241.1ヤード)でもキャリアで最も低い数字を残している。

ハーボーは以前にもNFLで素早くチームを立て直した。スタンフォード大学からハーボーを引き抜いた前の年にあたる2010年に6勝10敗だった49ersは、ハーボーの就任初年度に勝利数を7つ増やしている。49ersはそのシーズンから3年連続でNFCタイトルゲームに進出した。

チャージャーズがフロントオフィスで誰とハーボーを組み合わせるのかはまだ分からない。ラポポートによれば、チャージャーズはすでに9名のGM候補と接触しており、木曜日にはレイブンズの選手人事部門責任者を務めているジョー・ホーティズを呼んで2回目の面談を行う予定だという。チャージャーズは水曜日にニューヨーク・ジャイアンツのアシスタントGMブランドン・ブラウンとも面談している。

ハーボーはこの9年間、母校であるミシガン大学を89勝25敗の成績に導いてきたが、そのカレッジ時代に問題がなかったわけではない。ハーボーは今季、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の“デッドピリオド”中にリクルート活動を行った疑いが持たれた上、調査官に協力しなかったとして、学校から科された3試合の出場停止処分に従っている。この件と、ライバル校のサインを盗んだ事件に関与した疑いで、ハーボーはNCAAからさらなる処分が下される可能性がある状態だ。

ラポポートとペリセロは10月に、NFLがハーボーにとってNCAAの処分から逃れるための避難場所になる可能性は低く、NCAAが科す懲罰の一部または全部を執行する可能性があると報じている。

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