ディフェンス部門年間最優秀新人賞はテキサンズDEアンダーソンJr.
2024年02月09日(金) 14:152年連続で、同じチームの選手がオフェンス部門とディフェンス部門の年間最優秀新人賞を受賞した。
現地8日(木)夜、ヒューストン・テキサンズのディフェンシブエンド(DE)ウィリアム・アンダーソンJr.は『NFL Honors(NFLオナーズ)』で、オフェンス部門の年間最優秀新人賞に選ばれたチームメイトのクオーターバック(QB)C.J.ストラウドに続き、2023年NFLディフェンス部門年間最優秀新人賞(DROY)を獲得した。
ストラウドとアンダーソンJr.は、1967年のデトロイト・ライオンズ、2017年のニューオーリンズ・セインツ、そして2022年のニューヨーク・ジェッツに続き、同じチームの選手がこの賞を受賞した史上4番目の例となっている。
151ポイントを獲得したアンダーソンJr.は、フィラデルフィア・イーグルスのディフェンシブタックル(DT)ジェイレン・カーター(122ポイント)やロサンゼルス・ラムズのDTコビー・ターナー(95ポイント)、シアトル・シーホークスのコーナーバック(CB)デボン・ウィザースプーン(57ポイント)、また、それぞれ6ポイントを獲得したピッツバーグ・スティーラーズのCBジョーイ・ポーターJr.、タンパベイ・バッカニアーズのラインバッカー(LB)ヤヤ・ディアビー、ライオンズのCBブライアン・ブランチを抑えてトップに輝いている。
アラバマ大学出身のアンダーソンJr.がデミコ・ライアンズHC(ヘッドコーチ)率いるディフェンスの基礎的要素になるとみなしたテキサンズは、2023年NFLドラフトでトレードアップして全体3位でアンダーソンJr.を指名。
アンダーソンJr.はその期待を裏切らなかった。
このパスラッシャーはエッジからの脅威であることを証明し、7回のサック(新人の中で4位)、タックルフォーロス10回を含むタックル45回、QBヒット22回を記録。アンダーソンJr.はQBプレッシャー64回、プレッシャー率17.3%という驚異的な数字を残し、いずれも新人の中でトップに立っている。
『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、素早いファーストステップでオフェンシブタックルをかわすアンダーソンJr.は、ゲットオフ率(0.76)でルーキーの中でダントツのトップに立ち、全選手(パスラッシュスナップ200回以上に参加)の中でも6位につけているという。
そうした活躍を見せたアンダーソンJr.はプロボウルに選出され、ドラフト全体3位以内で指名された上でプロボウル選出を果たした、1970年以降で7人目の新人守備選手となった。その7人全員がディフェンス部門年間最優秀新人賞を手に入れている。
プロボウルゲームズの場で『NFL.com』のグラント・ゴードンに対し、DROY獲得は今季に向けて目標にしていたことの1つだったと明かしたアンダーソンJr.は、次のようにコメントしていた。
「目標シートに書いていた。100パーセントな。NFLディフェンス部門年間最優秀新人賞。それは自分の目標シートにデカデカと書いていたことだ。今のポジションにいられるだけでも幸せだ」
アンダーソンJr.はテキサンズの選手としてDROYを獲得した史上3人目の選手となっている。以前には、チームのヘッドコーチ(HC)であるデミコ・ライアンズが選手として2006年に、LBブライアン・クッシングが2009年にこの栄誉に浴している。
テキサンズがトレードアップしてストラウドの次に全体3位でアンダーソンJr.を指名したとき、このエッジラッシャーがライアンズのディフェンスの注目度を即座に高めるだろうと信じられていた。その代償は大きく、テキサンズは2つの1巡目指名権を含む4つのドラフト指名権を失ったが、結果的にそれは素晴らしい決断だったと言えよう。
シーズン後半にかけて急成長を見せたアンダーソンJr.は、シーズン第9週から第13週までの5試合で4回のサックを決めた。シーズン第14週に足首を負傷して2試合の欠場を余儀なくされたものの、復帰戦となったシーズン第17週のテネシー・タイタンズ戦ではいきなり2回のサックを記録。アンダーソンJr.の活躍により、テキサンズはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区優勝を確実なものにした。
ポストシーズンのクリーブランド・ブラウンズ戦で、アンダーソンJr.はサック1回、タックル3回、スタッフ1回、チーム最多のQBプレッシャー7回をマーク。敗北を喫したディビジョナルラウンドのボルティモア・レイブンズ戦ではさらに4回のQBプレッシャーを追加した。
地区内最下位だったテキサンズを首位に導き、2019年以来の地区優勝をチームにもたらすのに貢献したアンダーソンJr.は、チームの基礎を成す人材であることを証明した。アンダーソンJr.のキャリアはまだ始まったばかりであり、2年目を迎える2024年にはさらなる飛躍を遂げるかもしれない。
【RA】