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スティーラーズDEヘイワードが2023年ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞に

2024年02月09日(金) 19:43

ピッツバーグ・スティーラーズのキャメロン・ヘイワード【AP Photo/David J. Phillip】

ピッツバーグ・スティーラーズのディフェンシブエンド(DE)キャメロン・ヘイワードはNFLでの13シーズンにわたって、フィールド上での活躍だけでなく、コミュニティでの行動や慈善活動でも評価を得てきた。

現地8日(木)夜、ラスベガスのリゾート・ワールド・シアターで開かれた『NFL Honors(NFLオナーズ)』で、ヘイワードはNFLで最高の賛辞にあたる2023年ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞を受賞した。

受賞に先立ってヘイワードは、6度目のプロボウルと3度目のオールプロに選出され、通算6度目、3年連続でスティーラーズの年間最優秀選手候補にノミネートされている。

「ピッツバーグ・スティーラーズのメンバーになって以来、俺はずっと神と父が計画を作ってくれたのだと考えていた。俺は今、それに沿って生きている」と式の中でヘイワードは話した。「この機会を与えてくれたピッツバーグ・スティーラーズにありがとうと言いたい」

ヘイワードの慈善活動への取り組みは、NFLの元ランニングバック(RB)で“アイアンヘッド”の愛称で親しまれた父親、クレイグ・ヘイワードの影響が大きく、彼はキャメロンがまだ17歳の時に39歳で脳腫瘍のために他界している。父親の着用していたナンバーはペイトンと同じ34番だった。

「父の話をすると、彼は34番を着けていた。父は常に俺と一緒にいるし、ここまでのすべての道のりで俺のそばにいてくれた」とヘイワードはスピーチした。「だけど、もう1人別の34番が俺を助けてくれたことを知っている。それがウォルター・ペイトンだ。彼はフィールドの内外で本当に多くのことをやり遂げ、多数の人々の人生を変えた。こうして自分が偉大なウォルター・ペイトン賞のファイナリストや受賞者の仲間入りができる機会を得るとはね。これからも同じように頑張るよ。俺はウォルターほど速く走れないし、挑戦する気はないけど、自分の役割だけはしっかり果たす。ノミネートされたすべての人々、ここにいる全受賞者に大きな感謝を伝えたい。活動することに小さ過ぎることも大き過ぎることもない。俺たちはみんな、大勢の人々の人生を変えようとして努力しているんだ」

「俺はこれからも自分のしたいように活動を続ける。これは素晴らしい賞だし、感謝しているけど、俺にはまだやるべきことがあるんだ。この賞の名前に恥じないよう、毎日前進していかなければならない。だからどうか、みんなも、ブラザーたちも、ポジティブな手本で居続けられるように努力を続けてほしい。この世界はきれいなものばかりじゃないのは分かっている。違う話をしたがる人が多いことも知っている。でも、変化を起こすのはみんなであり、実際に違いを作り出しているんだ。そのことに感謝している」

キャリアのすべてをスティーラーズでプレーしているヘイワードは、同賞を受賞したDEとしては2019年のカライス・キャンベル以来で、スティーラーズ選手としては2001年のジェローム・ベティス以来となる。スティーラーズからこの年間最優秀賞に選出された選手は34歳のヘイワードが5人目で、過去の受賞者はフランコ・ハリス(1976年)、ジョー・グリーン(1979年)、リン・スワン(1981年)とベティスで、全員がプロフットボール殿堂入りを果たしているそうそうたる顔ぶれだ。

ヘイワードの慈善活動は多岐にわたる。

筆頭は2015年に立ち上げた自身の財団、『The Heyward House(ヘイワード・ハウス)』だ。財団の主な活動は小児飢餓との闘い、生徒や教師の支援、小児識字率向上やガンとの闘いが焦点となっている。

キャリアを通してヘイワードはこれまでサック80.5回とタックル647回を記録している。ボールキャリアを捉える能力だけでなく、彼はコミュニティの子どもたちに手を伸ばす能力にたけている。その好例といえるのが2年連続で開催した“Cam’s Kindness Week(キャムズ・カインドネス・ウイーク)“で、最初は患者用のテレビで再生できるように本を朗読してシーズン第8週にUPMC小児病院を訪れた。その後はカインドネス・ウイークのキックオフパーティーを開き、子どもたちとゲームで遊び、写真を撮って、最大限に時間を割いた。週を通してカインドネス(思いやり)を広げようとヘイワードは尽力。逆境に直面する高校生たちと話をしたり、愛する人を失って苦しむ子どもたちを支援する『The Caring Place(ケアリング・プレイス)』を見学したり、ゴールの達成について話すためにウェスティングハウス・アカデミーのフットボールチームを突然訪れて驚かせ、シーズン終了の祝賀会でディナーと服を贈ったり、最後はインタビューやインターンシップ用に若者向けの衣装を提供する『Craig’s Closet(クレイグス・クロゼット)』の店舗に行ったりした。

ヘイワードはこれらをすべて、6週にわたって試合を欠場することになったそけい部のケガを治療しながら行っている。

父に触発されたヘイワードは2017年にサウスイースタン脳腫瘍財団とのコラボレーションを開始し、これによって4万ドル(約597万円)の“Voices of Hope Scholarship(ボイセズ・オブ・ホープ奨学金)”が供与されている。

その翌年にハワードは前出のクレイグス・クロゼットを立ち上げた。これもまた、高校とカレッジ時代を通して1着しかスーツを持たなかった父に触発されてのことだという。ヘイワード・ハウスの1部門であるクレイグス・クロゼットはこれまで700人以上の若者にサービスを提供し、現在16店舗を展開している。

その2年後にヘイワードは“Rufus and Judy Jordan Literacy Project(ルーファス・アンド・ジュディ・ジョーダン識字率向上プロジェクト)”の設立に貢献。恵まれない人々の多いコミュニティに5つのリトル・フリー・ライブラリー(小さな図書館)が設置された。また“Blessing in a Backpack(ブレッシング・イン・ア・バックパック)”プログラムを始めて、子どもたちが週末に持ち帰れる9,000食以上の食事を提供している。

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