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第58回スーパーボウルで古巣チーフスとの対戦に「楽しくなりそうだ」と49ersのCBウォード

2024年02月10日(土) 17:25

サンフランシスコ・49ersのシャーバリウス・ウォード【AP Photo/Ross D. Franklin】

サンフランシスコ・49ersのコーナーバック(CB)シャーバリウス・ウォードは、かなり紆余(うよ)曲折したNFLキャリアを歩んできた。

ウォードはまずドラフト外でNFLに入り、ダラス・カウボーイズのトレーニングキャンプでキャリアをスタートさせた。その後、2018年にカンザスシティ・チーフスにトレードされ、再び荷物をまとめることになる。振り返ってみると、これがNFLのスカウティング・コンバインにさえ招待されなかったウォードにとって、最高の出来事の1つとなった。

時が経つにつれ、ウォードはチーフスのディフェンスで重要な役割を担うようになり、そのあまりの活躍ぶりに、結局は契約金が高額になり、引き留めることができなくなる。それでも、2021年シーズン終了後にウォードが去る前には、第54回スーパーボウルを制覇した2019年チーフスチームの一員としてスーパーボウルリングを獲得している。

そして今、ウォードはビッグゲームに戻ってきた。しかし今回は赤、黄、白のユニフォームではなく、ゴールドのヘルメットをかぶり、現地11日(日)に行われる第58回スーパーボウルで古巣のチーフスと対戦する。そしてウォードは、スーパーボウルの再戦で両軍から出場する史上2人目の選手となる(もう1人は現チーフスのワイドレシーバー/WR、リッチー・ジェームズ)。

気まずいだろうか? ウォードによれば、そうでもないらしい。

ウォードは月曜日、日曜日の試合が開催されるアレジアント・スタジアムでの第58回スーパーボウル・オープニングナイトで次のように語った。「いや、変じゃないよ。きっと楽しいよ。(クオーターバック/QB)パトリック・マホームズが来てから過去5、6年、チーフスはリーグ最高のチームの1つだった。だから、リーグトップチームを打ち負かそうとする良い機会だ。チーフスは前回王者だから、彼らの王座を奪いに行くんだ」

ウォードは、練習で4年間マホームズと向き合ってきた。そのため、ウォードは、チーフスを再び最高の舞台に導いた、すでに2度MVPに輝いたことがある、マホームズを知り尽くしている。論理的に考えれば、コーナーバックが有利になるはずだが、そう単純ではない。

「両方の見方ができる。彼らは俺の弱点を知っていると思っているだろう。いい試合になるのは間違いない」とウォードはコメント。

もしウォードに弱点があるとすれば、2023年にはそれをあまり見せず、パスディフェンスでリーグトップ(23回)を記録し、初のプロボウルとオールプロ(セカンドチーム)にノミネートされたことだろう。この数字と受賞歴は、ウォードが最高の時期にピークを迎えていることを示唆しているわけで、古巣に勝利を収める絶好のチャンスだ。

ウォードがチーフスに対して悪意を抱いていると思われるかもしれないが、水曜日に彼が説明したように、西への移籍はビジネス以外の何物でもない。

2022年に49ersと3年総額4,050万ドル(約60億4,766万円)の契約を結んだウォードは、「フリーエージェントになった俺を、チーフスが雇う余裕はないとわかっていた」と説明し、こうつけ加えている。「俺はチーフスの契約金の範囲外だったんだ。俺と代理人は、新しいチームに行く時、2つのことを話した。優勝するチームに行きたかった。なかなか勝てないチームには行きたくないんだ。そして最後に、いい報酬を得たかった。49ersはそれを提供してくれた」

ウォードは、2人の優勝候補チームのもとでキャリアを送るという希少な機会に恵まれた。ウォードが指摘するように、それは意図的なものだ。

ウォードは、こうも述べた。「どちらも勝てる組織だと思う。それほど大きな差はないよ。両チームのヘッドコーチは俺たち選手を厳しく指導し、勝つことを期待している。他の組織でもやっていたことだ。両方の素晴らしい組織の一員であることに感謝している」

しかし、日曜日に勝者となり得るのは1チームのみ。第54回スーパーボウルでの優勝の喜びと、第55回スーパーボウルでの敗戦の苦しみの両方を経験したウォードが、どちらを好むかは明らかだ。ウォードは日曜日にかつてのチームメイトを倒すために、絶対的なベストを尽くさなければならない。

【KO】