パスとレシーブの両方でTDを決めるも失意から抜け出せずにいる49ersのWRジェニングス
2024年02月13日(火) 12:30現地11日(日)夜、サンフランシスコ・49ersは第58回スーパーボウルで惜しくも敗れたものの、ワイドレシーバー(WR)ジャワン・ジェニングスは記憶に残るパフォーマンスを見せた。
延長戦の末に25対22で敗れた試合の中で、ジェニングスはチームが決めた2回のタッチダウンの両方に関与している。トリックプレーでパスを通し、試合最初のタッチダウンを成功させたジェニングスは、第4クオーター序盤にも逆転につながる得点を挙げた。
ジェニングスはスーパーボウルで、パスとレシーブの両方でタッチダウンを決めた選手として、ニック・フォールズに次ぐNFL史上2人目の選手となった。49ersが勝利していれば、ジェニングスは6年前のフォールズのようにスーパーボウルMVPのトロフィーを掲げていたかもしれない。
しかし、26歳のジェニングスはNFL最大の舞台で大活躍を見せたにもかかわらず、悔しさに打ちひしがれている。そのつらさとは一体どれほどのものなのだろうか。
ジェニングスは記者に対して「釘を踏める人はいる? たぶんそれくらいだ」と答えている。
試合では、ジェニングスがボールを持つたびに良いことが起きているように見えた。第2クオーター中盤にクオーターバック(QB)ブロック・パーディーがジェニングスにバックワードパスを投げたプレーは、その最初の例として挙げられる。このとき、ジェニングスはダブルパスプレーをフィールドの反対側で展開させる必要があった。ジェニングスがダウンフィールドに視線を向けていたことでチーフスのディフェンダーが躊躇(ちゅうちょ)し、それはプレーを展開させるのに効果的だった。その後、ジェニングスはランニングバック(RB)クリスチャン・マカフリーに向けて完ぺきなトスをし、マカフリーはそのまま誰にも触れられることなく21ヤードのタッチダウンを決めている。
スーパーボウルでパスを投げると思っていたかと質問されたジェニングスは「投げると思っていたとは言えない。プレーがコールされ、自分の番号が呼ばれたとき、単純に準備はできていた」と答えた。
高校時代にクオーターバックとしてプレーしていたジェニングスは、レシーバーとしても印象的だった。第4クオーター序盤には、ショートパスをキャッチした後にエンドゾーンに向かって駆け抜け、49ersがリードを奪い返すのに貢献。また、ジェニングスはその次のドライブの最初に23ヤードのキャッチを決めてチームを勢いづかせ、49ersはそのドライブをフィールドゴールで締めくくっている。
延長戦では、ジェニングスがうまくルートを走ったことで、チーフスのコーナーバック(CB)トレント・マクダフィーはホールディングのペナルティを科されている。これにより、第3ダウンロングの場面で49ersは自動的にファーストダウンを更新。その後、このドライブをキッカー(K)ジェイク・ムーディによるフィールドゴールで締めくくったものの、チーフスはQBパトリック・マホームズが演出した決勝タッチダウンドライブでそれに応じた。最終的にマホームズは第58回スーパーボウルのMVPに輝いている。
ジェニングスは日曜日に49ersのWR陣をけん引し、レシーブ4回、42ヤード、タッチダウンレシーブ1回をマークした。2023年レギュラーシーズンにレシーブ19回、265ヤード、タッチダウン1回という成績にとどまっていた選手にとっては悪くない数字だろう。それでも、かつてドラフト7巡目指名を受けたジェニングスは、大活躍した試合の余韻に浸ることができないようだ。
試合に敗れた後、ジェニングスは「落胆している」と心境を語り、「多くのチームメイトがあの試合を望んでいたことを知っている――勝ちたかった」と続けている。
【RA】