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QBプロスペクトのマイケル・ペニックスJr.に関心を寄せる元バッカニアーズHCエリアンス

2024年02月14日(水) 11:32


タンパベイ・バッカニアーズのブルース・エリアンス【Aaron M. Sprecher via AP】

クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドの活躍もあり、タンパベイ・バッカニアーズはレギュラーシーズン最後の6試合で5勝をあげてプレーオフ進出を決めた。

現在フリーエージェントのメイフィールドは、今オフシーズンのバッカニアーズ復帰に興味を示している。その意向は双方とも同じだ。

しかし、だからといってバッカニアーズが他のQBオプションも検討していないわけではない。

かつてバッカニアーズのヘッドコーチ(HC)を務めたブルース・エリアンスは最近、興味をそそられる大学生クオーターバックがいると、『Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』紙のリック・ストラウド記者に語った。エリアンスは現在、バッカニアーズのジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトのシニアアドバイザーに名を連ねている。

ワシントン大学のマイケル・ペニックスJr.は輝かしいシーズンを終えて、ハイズマントロフィーの投票で2位になった。またペニックスはワシントン・ハスキーズを率いて、最終的にはミシガン大学に敗れるものの、カレッジフットボールの決勝にあたるナショナルチャンピオンシップゲーム出場まで導いている。ペニックスはこのミシガン・ウルバリンズとの対決で足首を痛めるなど苦戦を強いられた。その一方で、準決勝で3位のテキサス大学と対戦したシュガーボウルでは、パス38回中29回成功で430ヤード、タッチダウン2回をマークし、3回のランで31ヤードを追加して、この試合のMVPに輝いている。

2024年のNFLドラフトに向けてバッカニアーズのGMリヒトをサポートしているエリアンスは、この試合でペニックスに注目。そして、そのポテンシャルに魅了されたようだ。

エリアンスはストラウド記者に対して、次のように述べている。

「フットボールの選手としては、(ぺニックスは)私の好きなことをしているから気に入っているよ。彼は(ボールを)しっかりフィールドの奥まで投げ込むことができる。私が15年間見てきた中で、誰よりも正確にフィールドに投げることができる。足首を痛めてしまった最後の試合も戦い抜いたんだ。それにしても、テキサス大学に対してやったことは本当にすごかった」

しかし、ペニックスに対する評価は複雑だ。4月のドラフト直後に24歳になるぺニックスは、QB候補としてはやや高齢の部類に入る。しかしそれ以上に気になるのは、ペニックスには大学キャリアをスタートさせたインディアナ大学までさかのぼる長い負傷歴があることだ。

ペニックスは2018年から2021年まで4シーズン連続でシーズン終了を迎えるケガに見舞われている。2018年と2020年にはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、2019年と2021年は肩の負傷でシーズン終了。ペニックスはミシガン大学との対戦での足首負傷から立ち直り、1週間分の練習をこなしたものの、週末のシニアボウル出場は見送った。

エリアンスは2月26日から始まる2024年NFLコンバインで大きな話題となるだろう、ペニックスの健康上のリスクを理解している。同時にエリアンスは、ペニックスの長い負傷歴が何を物語っているかも評価した。

「ケガを克服するタフさが、彼のすべてを物語っていると思う」というエリアンスは、こう続けた。

「ケガを乗り越えて、今年のような活躍を見せてくれた。コンバインに行けば、医学の専門家が寄ってたかって、いろいろやってくれる。健康診断を受けることになる」

エリアンスはメイフィールドが再契約する可能性は十分にあると信じており、このQBの2023年シーズンの成績に感銘を受けている。

「彼(メイフィールド)はこのチームを気に入っていると思う」と話すエリアンスはこうつけ加えた。

「新しい攻撃コーディネーター(OC/デイブ・カナルス)、新しいプレーコーラー、新しいクオーターバックと浮き沈みの激しい中で、トッド(ボウルズ/HC)はやってのけた。NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチームで唯一、4年連続でプレーオフに進出したんだろ? それは特に私にとって、とても喜ばしいことだよ」

しかし、メイフィールドが復帰したとしても、バッカニアーズのロースターには別のQBが入る余地があるかもしれない。メイフィールドとの先発争いに敗れたカイル・トラスクは現在契約中の唯一のクオーターバックで、過去3シーズンにわたり3試合の出場でパス10回中3回成功、23ヤードを記録。トラスクは2021年NFLドラフトでバッカニアーズの2巡指名(全体64位)だった。

ペニックスはフロリダ州デードシティ近郊で育ち、タンパベイ・テクニカル・ハイスクールで2シーズン先発した。その後はインディアナ・フーシャーズ、ワシントン・ハスキーズでプレーしている。

バッカニアーズは4月に行われるドラフトの1巡目全体26位で指名する予定だが、健康上の懸念が大きければ、ペニックスは1巡から落ちるかもしれない。ドラフト候補選手たちを全体で見てもQBのポジションは有望な選手が多いと見ているエリアンスは、次のようにコメントしている。

「ここ10年、15年で最高のクオーターバック集団かもしれない。(40ヤードダッシュを)4.5秒台で走る選手もいるし、ボールを巧みに投げる選手もいる。今回のドラフトではパサーがとにかく目を引く」

とはいえ、エリアンスは早い段階で誰がお気に入りなのか、手の内を明かしたのかもしれない。

【KO】