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スーパーボウルでのリードHCとのやりとりで一線を越えたことを認めたチーフスTEケルシー

2024年02月15日(木) 11:14

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Reed Hoffmann】

カンザスシティ・チーフスのタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーが第58回スーパーボウルで一線を越えたことを認めた。

現地11日(日)夜、オールプロに選出された経歴を持つケルシーは、チーフスが試合の後半と延長戦で躍進するのを後押しし、キャリアで3度目のスーパーボウルチャンピオンに輝いた。ケルシーはそれを、世界的に有名なシンガーソングライターであるガールフレンドのテイラー・スウィフトが特別観覧席から見守る中で成し遂げている。

しかし、ケルシーは最初から調子が良かったわけではなく、試合の前半ではキャッチ1回、1ヤードという記録にとどまっていた。また、チーフスが苦戦を強いられていた中で、苛立ちをあらわにしたケルシーが叫びながらヘッドコーチ(HC)アンディ・リードにぶつかり、危うくリードHCを倒しそうになる様子をカメラは捉えていた。

ポッドキャスト『New Heights(ニュー・ハイツ)』の最新エピソードで、トラビス・ケルシーは兄のジェイソンとともに、問題となっている出来事について話し合っている。この出来事はチーフスがサンフランシスコ・49ersに敗れていれば、もっと大きな話題になっていたかもしれない。

ジェイソンがトラビスに「お前は一線を越えた」と言うと、トラビスはそれを否定しなかった。

「越えた。越えてしまった。あんなふうに怒って、コーチ(リード)にぶつかってバランスを崩させるようなことはしたらダメだ。彼がよろめいたとき、“あぁ、しまった”と思った」

ジェイソンは弟がリードHCに向かって叫んでいたことにも怒りを覚えたようだ。

「正直に言おう。彼の顔に向かって怒鳴るっていうのも限度を越えている。振り返ってみれば、もっといい対処法があったはずだ」とジェイソンは話している。

トラビスは自分の非を認めた一方で、リードHCへの愛を表明した。

「俺は短気な男なんだ」と説明したトラビスはこう続けている。

「リードコーチが大好きだ。リードコーチは、俺が彼の下でプレーすることをどれだけ愛しているかを知っている。彼のコーチングキャリアのたまものになることを、俺がどれほど喜んでいるかもね」

「俺はビッグレッド(リードHCの愛称)以外の誰のためにもプレーしないつもりだ。もし彼が今年で引退するとしたら、俺も彼と一緒に退く」

ケルシーにとってありがたいことに、リードHCは2024年シーズンもチーフスに戻ってきて3連覇を目指すと明かしている。また、リードHCは試合終了直後の時点ですでにスタータイトエンドを許していた。

リードHCは日曜夜にラスベガスで「彼は毎試合、感情的になっている」とコメント。

「分かっている。私には5人の子どもがいるんだ。だからその辺はよく分かっている。私が気に入っているのは、彼がゲームをプレーすることを愛していて、チームの勝利に貢献したいと思っているところだ。それは利己的なことではない――そういうものではないし、私はそれを理解している」

「だから、彼が私にぶつかってきても、私は彼をせき立てるし、私たちはそういうものだと理解している。彼はただ私の不意をついただけだ」

トラビス・ケルシーはリードHCがチーフスに加入した2013年からずっと共に仕事をしてきた。ケルシーはポッドキャストで、過去10年以上にわたってリードHCといろいろなことを経験してきたが、それが2人の関係をより強固なものにしているのだとも話している。

「彼とはある関係性を築いてきた」と語ったケルシーは次のように続けた。

「彼には何度かチェックしてもらった。俺はただ、こういうことを望んでいると彼に知ってもらいたかった。彼は俺に任せられたはずだし、彼のことをつかんだ。それは、チームも俺もあまりいいプレーができていなかったときの出来事だ。俺たちはどうにかしなきゃいけなかった」

「時々、そういう感情が自分から離れていくときがある。それはキャリアを通して戦ってきたことだ。でも、誰が何と言おうと構わない。今日、そのことをリードコーチと話したんだけど、俺たちは笑い合っていた。何よりも彼と一緒にこの試合で勝ちたいと思っていたからこそ起こったことだと彼は分かってくれているから、感謝している」

【RA】