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スーパーボウルパレードでの銃撃事件について語るチーフスOLスミス

2024年02月16日(金) 10:37

カンザスシティ・チーフスのトレイ・スミス【Andrew Mather/Kansas City Chiefs via AP】

現地14日(水)、カンザスシティ・チーフスの第58回スーパーボウルパレードの終わりに、ミズーリ州カンザスシティのダウンタウンに位置する、歴史あるユニオン駅前で銃撃があり、1人が死亡、22人が負傷したと警察は発表した。

チーフスのオフェンシブライン(OL)トレイ・スミスは、木曜日の『Good Morning America(GMA/グッド・モーニング・アメリカ)』に出演した際、銃撃事件の悲惨な状況を次のように語っている。

「警備員が“さあ、急げ、急げ、急げ”と言って、俺たちを素早くドアに通してくれたのを覚えている。“これは冗談じゃない。これは生死にかかわる状況なんだ”と言われた」

スミスは『GMA』に、チーフスのロングスナッパー(LS)ジェームズ・ウィンチェスターとともにクローゼットに避難したこと、また、ウィンチェスターが混乱した現場の中で人々を落ち着かせるのに一役買っていたことを証言している。

スミスによれば、銃撃の直後、彼が慰めようとした子供を含め、20人以上がクローゼットに隠れていた可能性があるという。

「そこに駆け込む直前、俺の前に小さな子供がいたから、その子をつかんで引っ張り上げ、“一緒にここに飛び込むんだよ、坊や”って言ったんだ」とスミスは振り返っている。

スミスはこう続けた。「この少年は父親と一緒にいた。彼は少しヒステリーを起こしていた。ただパニックになっていた。怖がっていた。彼は何が起こっているのか分かっていない。俺はパレード中ずっとWWEのベルトを持っていて、彼に何かできることはないかと考えていた。それで、彼にベルトを渡して言ったんだ。“君はチャンピオンだ。誰も君を傷つけたりしない。誰も傷つけたりなんてしない。俺たちがついている”ってね。そこで、レスリングの話を始めたんだ。“好きなレスラーは? 好きなレスリングの試合は?” そういうちょっとしたことで彼の気を紛らわせるんだ。彼は窓の外を見ていた。人々が反応し、その状況から抜け出そうとしているのを見ていた。俺はこう言ったんだ。“ほら、これを持っていけ。君のものだ。誰も傷つけたりしないよ。君は俺たちとここにいる。大丈夫だ。大丈夫だ”ってね」

カンザスシティ警察署長のステイシー・グレイブスは木曜日に記者団に対し、銃撃事件は現在も捜査中であり、警察は現場から複数の銃器を回収したと伝えた。グレイブス氏によれば、3人が拘留され、うち2人は未成年で、捜査中であるという。グレイブス氏は、この銃撃事件は“数人の争い”の結果であったようだとつけ加えている。

チーフスは水曜日の声明で、選手、コーチ、スタッフ全員の無事を確認した。クオーターバック(QB)のパトリック・マホームズやタイトエンド(TE)のトラビス・ケルシーを含む複数のチーフス選手、ジョー・バイデン大統領やNFLの各チームが、水曜日の夕方からソーシャルメディア上で支援と祈りの声明を発表。

「かなり怒っている。無意味な暴力のせいで、今日、命を落とした人がいる」と述べるスミスは、次のように続けている。「ケガをした子どもたち、心に傷を負った子どもたちがいる。被害に遭われた方々のご家族のことを思うと胸が痛むし、カンザスシティの街のことを思うと胸が痛む」

スミスはさらにこう話した。「俺たちの心はあなた方に捧げられる。あなたたちのために祈り続ける。とにかく、カンザスシティは素晴らしい街だ。俺たちは一緒に立ち上がり、力を合わせるんだ」

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