スーパーボウル中に感じていたUCL断裂の痛みの程度を明かしたチーフスGアレグレッティ
2024年02月18日(日) 17:50カンザスシティ・チーフスのガード(G)ニック・アレグレッティはレギュラーシーズンに79回の攻撃スナップに参加した。
バックアップオフェンシブラインマン(OL)であるアレグレッティは第58回スーパーボウルでも79回のスナップに参加。アレグレッティはその大半を、UCL(内側側副靱帯/ないそくそくふくじんたい)を断裂した状態でプレーしていた。
アレグレッティが負傷したのは第2クオーター終盤。サンフランシスコ・49ersのディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサがアレグレッティの腕をすり抜けてタックルを決めたときだった。これにより、チーフスは最も重要な舞台で3番手のラインマンに頼ることになる恐れがあった。
アレグレッティは現地16日(金)に出演した『The Jim Rome Show(ザ・ジム・ローム・ショー)』で「それまで、あんなケガをしたことはなかった」と明かし、こう続けている。「すぐに分かった。ブチッと音がしたのを感じて、解剖学についての知識は最低限ながら、自分の肘に何か異変が起こったことが分かった。自分の肘があんな風に曲がるはずないからね。幸いなことに、2ミニッツウオーニングがあったから、何秒かで集中しなおして、そこで自分の腕がまだ曲がることと、プレーを続行できることが分かった。厳しい状況だったけど、運よくまだプレーできる状態だった」
Gジョー・トゥニーがバッファロー・ビルズと対決したAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドで胸筋を負傷したことを受けて、アレグレッティは先発メンバーに名を連ねることになった。
2023年レギュラーシーズンを最高の状態で終えたトゥニーは、キャリアで初めてオールプロのファーストチームに選ばれ、2年連続でプロボウルに選出されている。そんなトゥニーの欠場は、チーフスにとって残酷な打撃になる可能性があった。
しかし、5シーズンで13試合に先発出場してきたアレグレッティは、チームの難局にうまく対処し、AFCチャンピオンシップゲームの全スナップに参加したあと、スーパーボウルでもUCLの断裂を抱えながら同じように全スナップを戦い抜いている。
「まず、ジョーのような選手の代役を務めるのは、難しいことだ」とアレグレッティは認めている。「この5年間、彼はリーグで最高のガードの1人だった。俺はその代役を務めることを引き受け、彼に劣らないようにしようとした」
アレグレッティは必ずしもオールプロ級の活躍をしたわけではないが、負傷前はインサイドを補強する能力が十二分にあることを証明し、負傷後も計り知れないタフネスを発揮した。
『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、27歳のアレグレッティは56回のパスブロッキングスナップで4回のプレッシャーを許しており、その許容率(7.1%)はチーフスのもう1人の先発Gトレイ・スミスと同じで、チーフスの両先発オフェンシブタックル(OT)よりも低かったという。
第4クオーターにおける第3ダウンでのサックを含め、4回のうち3回のプレッシャーは負傷後に許したものの、アレグレッティは延長戦で1度もプレッシャーを許さなかった。
ケガの痛みの度合いを尋ねられたアレグレッティは「俺からしてみると、9とか10(という痛みの程度)を経験することはないと思う」と返答。「そういうときは本当に、ものすごく悪い状態だろう。だから、ケガした直後はたぶん6とか7くらいの痛みを感じていたと思う。ハーフタイムにはクリームを塗って、少しマッサージして、装具をつけることができた。5くらいの痛みでプレーしていたんじゃないかな。UCLはすでにダメになっている可能性が高いから、これ以上ひどく断裂することはないだろうと思って、自信を持って腕を使うことができた。つまり、痛みに対処できたらプレーできる。そういう状態だったんだ」
「うちのバックアップオフェンシブラインマンの1人に生物学の修士号を持っていて、引退したら医者になりたいと考えているやつがいるんだ。彼は俺に“いいか、オフェンシブラインでプレーするのにUCLは必要ない”と言ってきた。俺は“そうか。それがどういう意味か分からないけど、俺には必要ないんだな、よし”と思った。だから続行できたんだ」
アレグレッティは本当にプレーを続行することができた。
そして、アレグレッティの貢献もあり、チーフスは勝利をつかみ取ることができている。
【RA】