タイタンズで“攻撃的なディフェンス”の育成を目指すウィルソン新DC
2024年02月19日(月) 10:23
テネシー・タイタンズの新守備コーディネーター(DC)デナード・ウィルソンがどのような哲学を培うことを目指しているかはすでに明らかになっている。
先週に行われた入団記者会見で、ウィルソンDCは自分の仕事における基本的な使命について詳しく説明。その内容は、2023年シーズンのタイタンズに欠けていたものだった。
チーム公式サイトによると、ウィルソンDCは「フットボールはスキームではなく選手が重要なのだ」と述べ、こう続けたという。
「だから、彼らが何を得意とするのかを見極めなければならないし、彼らの才能を開花させられるようなスキームを構築することになる。スキームについてはこう言える。ずっと前に学んだことで、ジョージ・パットン将軍が言っていたことだ。“防衛に成功した者はいない。攻撃し、さらに攻撃しろ”とね」
「攻撃的なディフェンスになる。激しいアプローチをとるつもりだ。賢く、理知的で、戦うことに決して妥協しない。それがこの地で私たちがプレーするフットボールだ」
2023年シーズン、タイタンズ守備陣は被ヤードに関してはすべてのカテゴリーで中位につけていたものの、ターンオーバーに苦戦。テイクアウェイ数(14回)ではリーグ内31位、インターセプト数(6回)では最下位となっている。
マイク・ブラベルがヘッドコーチ(HC)を務めていた過去6年間に、2度のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区制覇を成し遂げ、2019年シーズンにAFCチャンピオンシップゲームに進出できたのは、堅固なディフェンスが大きな要因となっていた。しかし、負け越しシーズンが続いたことを受けて、タイタンズは2023年シーズン終了後にブラベルを解雇。初めてヘッドコーチに就任するブライアン・キャラハンのために新たな道を切り開いた。
キャラハンHCは自分のそばで、1年目の守備コーディネーターが自分の思い通りにディフェンスを動かす権限を持つことになると明言している。ウィルソンDCはチームにいる才能豊かな選手たちの長所を生かしてブリッツを得意とするユニットを作るつもりだ。
「私は才能のある選手を見れば、その選手からベストを引き出せると感じるのだ」とウィルソンDCは話している。
「自分の周りにいるどのような選手に対しても、まず私がやることがある。自分がとてつもなく素晴らしい教師だという誇りを持つことだ。彼ら自身が理想としている姿よりもより良くなるよう、あるいは潜在能力を発揮できるようにするために、やる気を起こさせる。そして、彼らを奮い立たせるんだ」
サック数(11.5回)でチームをリードしたディフェンシブタックル(DT)デニコ・オートリーや、タックル数(163回)でチームトップに輝いたラインバッカー(LB)アジーズ・アル・シャイアなど、今オフシーズンには複数の先発選手がフリーエージェント(FA)になる予定だ。そうした中で、ウィルソンDC率いるディフェンスの構成メンバーは完全には明らかになっていない。とはいえ、DTジェフェリー・シモンズやLBアーデン・キー、LBハロルド・ランドリーはまだ契約を結んでいる状態であり、そこにウィルソンDCの攻撃プランの重要なベースがあると言えよう。
41歳のウィルソンDCは12年間におよぶNFLでのコーチングキャリアにおいて、大きな成功を収めたディフェンスに携わってきた。この2シーズンはとりわけそうだったと言える。ウィルソンDCは2023年シーズンにボルティモア・レイブンズでディフェンシブバック(DB)コーチを務め、カイル・ハミルトンがリーグ屈指のエリートセーフティ(S)に成長するのに貢献した。2022年には、第57回スーパーボウル出場に向けて圧倒的な強さを誇っていたフィラデルフィア・イーグルスの守備陣で、同じくDBコーチを務めている。ウィルソンのユニットが忠実にバックエンドをカバーしていた中で、それらのディフェンスはそれぞれのシーズンにサック数でリーグトップに立った。
そうしたディフェンスと同じように容赦のない動きをタイタンズにもたらすことを目指しているウィルソンDCは、次のようにコメントしている。
「努力とプレー方法について話すつもりだ。愉快ではないコミュニケーションをとることについても話すだろう。兄弟愛、一丸となってプレーすることについても話す。つながれないチームは勝てない。だから、つながりやプレー方法、コミュニケーションの取り方、息を合わせる方法が、ディフェンスを活気づけることになる」
「互いを信じ、互いを信頼して任務を遂行し、高いレベルでプレーするときこそ、傑出した、激しいディフェンスができるからね」
【RA】