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カウボーイズがRBポラードに“もう一度チャンスを与える”ことを望むLBパーソンズ

2024年02月19日(月) 12:15


ダラス・カウボーイズのマイカ・パーソンズ【AP Photo/Charlie Riedel】

ダラス・カウボーイズのラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズはジェネラルマネジャー(GM)の視点で物事を語ることを決してためらわない。

カウボーイズがプレーオフで敗退した後、オーナーのジェリー・ジョーンズは1月に、2024年シーズンに向けて総力をあげると約束した。その言葉にすぐに反応したパーソンズは、2023年シーズンにスーパーボウル出場を目指すにあたって足りていなかった人材をチームが確保することを望むとコメント。

NBAオールスターセレブリティゲームでMVPを獲得したこの週末に、プロボウルに3度選出された経歴を持つパーソンズは、カウボーイズに欠けている選手のタイプについてさらに掘り下げた。また、自身の契約状況にも触れつつ、トニー・ポラードの1番手ランニングバック(RB)としての地位についても評価している。

パーソンズは『The Stephen A. Smith Show(ザ・スティーブン・A・スミス・ショー)』で「シーズン終盤にかけて、トニー・ポラードはリズムを取り戻しつつあったと言える」と話し、こう続けた。

「彼はすべてのダウンで活躍できる選手だと思う。腓骨(ひこつ)か脛骨(けいこつ)か何かを骨折していたことを考慮に入れないと。致命的なケガだ。1月からずっと休んでいて、シーズン第1週に復帰したけど多くのことはできなかった選手の話だぞ。フットボールに復帰するには時間がかかるもんだ。彼はOTA(チーム合同練習)に参加していなかった。ミニキャンプにもな。キャンプにはちょっと参加して、徐々に復帰した。彼が向上するところを見ただろ。彼自身も“ようやく自分を取り戻しつつある”と言っていた。俺だったらトニー・ポラードにもう一度チャンスを与える」

ポラードは腓骨を骨折していたところから復帰したものの、チームのリードバックとして初めてのシーズンを過ごす中で、持ち味である勢いを欠いていたのは間違いない。この1年をフランチャイズタグでプレーしていたポラードは、今オフシーズンにフリーエージェント(FA)になる予定だ。

1,005ランヤードを稼いで、2年連続となる1,000ランヤード超えを達成したうえに、タッチダウンラン6回を記録したにもかかわらず、ポラードのキャリー平均ヤードは前年の5.2ヤードから4.0ヤードに減少した。

また、パスゲームにおける効率も低下し、ポラードはキャリアハイとなる55回のレシーブを記録した一方で、レシーブ平均ヤード(5.6ヤード)でキャリア最低の数字を出している。

とはいえ、パーソンズはポラードがダラスに戻ってくればその能力を取り戻せると確信している。さらに、パーソンズはディフェンス面を強化するのにどのようなピースが必要か分かっているようだ。そして、後者については、第58回スーパーボウル中にジョーンズと話した際に、自分の意見を共有している。

パーソンズはジョーンズと話し合ったことについて「試合前からハーフタイムいっぱいまで、俺が連れてきたい選手やそばにいたい選手、必要な人材、一緒にいたい人材、チームの将来について、腰を据えて話しただけさ」と明かした。

「自分のアイデアや考え、チームのあるべき姿を聞くのが好きなオーナーに、そうやって意見を言えるのは素晴らしいことだ」

パーソンズが思い描いている2024年のカウボーイズの姿、それはより大きくなることだ。

「ベスト4に残ったすべてのチームを見てみろって言ったんだ」とパーソンズは説明。

「彼らは誰を抱えていたのか? ボルティモア(レイブンズ)には誰がいた? 素晴らしいラインバッカー陣だろ? サンフラン(サンフランシスコ・49ers)には誰がいた? 素晴らしいラインバッカー陣だ。K.C.(カンザスシティ・チーフス)には(ニック)ボルトンがいる。俺たちにはもう1人、より大きなラインバッカーが必要だ。それで、俺たちには規格外の、330ポンド級の厄介なインテリア(ラインマン)が必要だと言った」

「クリス・ジョーンズがあのスーパーボウルに与えた影響を見て、“なんてこった”と思った。でも、そのクリス・ジョーンズでさえもない。マイク・ペンネルなんだ。うちは多くのラッシャーを得たと思う。オーサ(オデギズーワ)はインサイドでもアウトサイドでもプレーできるし、最も万能なDTの1人だと思う。俺たちがハンク(ジョナサン・ハンキンス)を失うなら、彼は大きい選手だけど、俺たちは大柄で経験があって、厄介でパスラッシュが得意なやり手を1人獲得する必要がある」

カウボーイズ守備陣のさまざまなレベルでそのようなサイズの選手がいれば、カウボーイズはプレーオフでより多く勝ち進んだチームと肩を並べられるだけではなく、パーソンズの動きを鈍らせようとする行為――すでに各チームが苦戦している――からリソースを引き離すこともできるだろう。

24歳のパーソンズは3年間のキャリアを通して、ディフェンス部門年間最優秀選手賞の投票で4位以下になったことがない。すでにキャリア通算40.5回のサックをマークしているパーソンズは、ワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムといった他のスター選手とともに大型の契約延長を実現させる準備を整えている。それは、カウボーイズがフリーエージェントで優秀な人材を獲得する可能性を制限するかもしれない。

現地5月2日(木)の期限までに新たな契約を結ばなければ、パーソンズには今オフシーズンに新人契約の5年目オプションが行使されると見られている。その場合、パーソンズは2025年シーズンに向けてかなりの弾みをつけられるが、複数年の契約延長はしばらく先延ばしとなるだろう。

ラムの方が1年先にNFL入りしていることを踏まえると、ラムが優先されるはずだとパーソンズは率直に語っている。しかし、契約をまとめる際に忍耐強くあることが一般的にどれほど有益であるかにも気づいているパーソンズは、次のようにコメントした。

「もし彼らが俺に電話をかけてきて“やあ、準備はできた”と言ったら、こっちの準備もできている。だけどそうじゃなかったら、もう1年プロボウルイヤーを追加するつもり。そうなれば、もっと高くつくだけのことさ」

カウボーイズはいずれ、パーソンズをとどめておくことがどれほど高くつくかを知ることになるだろう。

そうした中で、カウボーイズはポラードに関する決断や、プレーオフで突破口を開くためにディフェンスをどう強化するかについても決断を下さなければならなくなる。

何が起ころうとも、パーソンズはチームにとどまってすべてを見届けるつもりのようだ。

「他の場所に行く前に引退する」とパーソンズは話している。

【RA】