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チーフスへの再挑戦に意欲を示すレイダースHCピアース、「勝つ方法はすでに示した」

2024年02月20日(火) 14:28

ラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)アントニオ・ピアース【AP Photo/Godofredo A. Vasquez】

フットボール界の大半がカンザスシティ・チーフスとサンフランシスコ・49ersのストーリーに目を奪われている中、ラスベガス・レイダースはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区のライバルが自分たちの本拠地をホームのように使っていることに注目していた。

チーフスはスーパーボウルでアレジアント・スタジアム内のレイダースのロッカールームを使用し、壁に赤と黄色の装飾を施して、最終的にはそこで2年連続のロンバルディトロフィー獲得を祝っている。

10年近くチーフスが支配している地区にいるレイダースにとって、これは直近の屈辱となった。一方で、ヘッドコーチ(HC)アントニオ・ピアースにとっては、前進するための燃料となっているようだ。

ピアースHCはディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーがホストを務めるポッドキャスト『The Rush(ザ・ラッシュ)』でこう語っている。

「これはモチベーションなんだ。だが、最後に彼らを破ったのは誰だと思う。最後にチーフスを破ったのは誰だ? こいつらだ。彼ら(レイダースの選手たち)がやったんだ。だから、問題ない。すごいだろ。彼らに言ったように、われわれはもう一度やり直す。彼らと再び対戦するんだ。彼らは私たちと向き合わなければならないし、私たちも彼らと向き合わなければならない。そして、勝つ方法はすでに示した」

クオーターバック(QB)パトリック・マホームズ時代は、レイダースにとって厳しいものとなっている。今や3度のスーパーボウルMVPに輝いているマホームズは、レイダースに対して10勝2敗という成績を残しており、チーフスの8年連続ディビジョン優勝のうち、6回を率いてきた。

それでも、ピアースHCは2023年シーズン中にチーフスを倒した最後のチームであるという事実を誇りに思っていいだろう。

昨年のクリスマスの日を迎えるにあたって、レイダースはチーフスに対して6連敗中だった。しかし、レイダースはその日、ディフェンシブタッチダウンを2回決め、マホームズ率いるチーフス攻撃陣の第4ダウンギャンブルを2度止めるなどしてチーフスを徹底的に叩きのめし、20対14で勝利を収めている。

ライバルとの戦いへの準備の一環として、ピアースは敵意を糧(かて)としたという。

「嫌うことと憎悪することは違う。チーフスに対する感情は憎悪だ。このチームを個別のチームとして本当に嫌い、憎まなければならない。オフシーズンには冷静になる。彼らに会えば、こういう場所で握手を交わすんだ。でも、あの白線と芝生の間のフィールドで、それは始まる。そして、彼らはやってのけた」

「赤という色を憎むんだ。赤を目にし、赤を憎む。もはやそれくらいのレベルだったね」とピアースHCはこのライバル関係についてコメント。

当時暫定ヘッドコーチだったピアースHCは、UFCの試合から、モハメド・アリが圧勝したボクシングの試合まで、さまざまな映像をチームに見せた。そこに映し出されていたのは、その1カ月前のチーフス戦で、14対0とリードを広げながら、レイダースが成し遂げられなかったことだ。

ピアースHCはまた、バスケットボールと“バッドボーイ”デトロイト・ピストンズの例を借りて、自分の主張を伝えている。そういった材料は、ピアースがフルタイムのヘッドコーチとなった現在も、チーフスを王座から引きずり下ろすためのレシピに組み込まれ続けるだろう。

「ジョーダン・ルールというものがあるが、これからずっとここにいる限り、私が“パトリック・マホームズ・ルール”と呼ぶものがある。ジョーダンがピストンズと対決していた時のことを覚えているだろう。彼がマイケル・ジョーダン、エア・ジョーダンになる前の80年代のことだけれど、ピストンズは彼をいたぶっていた。彼がホールに来るたびにどうしたか? 肘をついたり、体に触れたり、軽く叩いたりした。私たちは彼に触れた。頭の中で、精神的に、身体的に、感情的に、精神的に、触れている。だから、私は彼らにジョーダンがやられている様子を見せたんだ」

その結果、レイダースの心意気に沿ったあざやかな勝利がもたらされ、ここ6試合で4敗を喫したチーフスを動揺させたように見えた。

王座死守にあたるチーフスにとって、それは最大のパニックだった。しかし、後年のジョーダンがそうであったように、マホームズはそれを克服し、レイダースが8勝9敗と低迷するのを横目に、6連勝を飾って3度目のスーパーボウル制覇を成し遂げている。

ピアースHCはこうした対応と継続的な成功に対して、不本意ながら敬意を示している。たとえ2024年にAFC西地区のすべてを集中にするために、小さな成功を礎としてそこから築き上げようとしている最中だとしても。

ピアースHCはこうも述べた。

「結局のところ、彼らには敬意を払わなければならない。彼らはもう7年もやっているんだ。4年のうち3年はスーパーボウルに出場している。正直言って、私たちはそれを目指しているのさ」

【KO】