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フランチャイズタグの指定開始、ベンガルズWRヒギンズやジャガーズLBアレンなどが候補に

2024年02月21日(水) 11:49

NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

NFLで毎年恒例の“タグづけゲーム”が正式に始まった。

各チームは、現地20日(火)米国東部時間16時【日本時間21日(水)6時】から、契約満了を迎える選手にフランチャイズタグあるいはトランジションタグをつけられるようになった。その期限は3月5日(火)アメリカ東部時間16時【日本時間6日(水)6時】までとなっている。

この期間が始まったばかりの時期に、大量のニュースが飛び込んでくる可能性は低い。各チームは通常、期限が近づくまで正式なタグづけを行わないからだ。来週にインディアナポリスで2024年NFLスカウティングコンバインが実施される中で、各チームは多数のミーティングに先立って今週中にタグを活用する可能性もあれば、コンバインを利用してタグが必要となる前に契約を済ませる可能性もある。

タグをつけられた選手が複数年の契約延長を実現させたい場合、7月中旬までに済ませなければならない。期限までに契約延長で合意に至らなかった場合、選手は1年間のテンダーでプレーすることになる。ニューヨーク・ジャイアンツのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーやラスベガス・レイダースのRBジョシュ・ジェイコブスの昨季の様子を見れば分かるように、選手とチームは期限後も金額の変更や追加のインセンティブについて交渉することができる一方で、契約期間については1年間という制約を受けることになる。

チームは3つのタグオプションを保有しており、(1)非独占的フランチャイズタグ、(2)独占的フランチャイズタグ、(3)トランジションタグだ。

非独占的フランチャイズタグ
これが最も一般的に用いられるタグだ。大多数の人々が“フランチャイズタグ”と呼ぶのは通常、この非独占型のものを指している。これは当該選手に対し、同じポジションの過去5年間における年俸トップ5の平均値か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年契約をオファーするものだ。タグをつけられた選手が他のチームと交渉を行うことは可能。しかし、選手が他チームと契約する場合、現所属チームには同条件のオファーを出す、あるいは引き換えに2つのドラフト1巡目指名権を受け取る権利がある。

独占的フランチャイズタグ
非独占的フランチャイズタグとは異なり、タグをつけたチームが選手との交渉権を単独で保持するもの。当該選手に対し、同じポジションにおける前年度年俸トップ5の平均値か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年間の契約をオファーするもので、独占性によって年俸水準は引き上げられる。独占的フランチャイズタグをつけられる選手は少ない。一般的には、他チームが喜んでドラフト1巡目指名権を2つ差し出すような選手――つまりはクオーターバック(QB)――がこのタグを受け取る。

トランジションタグ
当該選手と同じポジションの年俸トップ10の平均となる金額で1年間の契約をオファーするもの。フランチャイズタグとは異なり、平均される年俸は上位5人ではなく10人だ。選手が他チームからのオファーを受けた場合、所属チームにはそれに対する優先交渉権が保証されるが、それを行使しなかったとしても補償はない。

どのチームも1年に1つだけタグを使うことが可能だ。チームは選手がサインする前にテンダーを取り消せるものの、それは使用されたものとしてカウントされる。選手は所属チームから3回までタグ指定を受けることが可能で、そのたびに年俸は上がっていく。ただし通常、3回目のタグがつけられる頃にはサラリーキャップの割合が法外になっていることが多い。

2024年シーズンに向けて、NFLの年間サラリーキャップはまだ正式に発表されていない。そのため、サラリーキャップに基づいて決められるタグの金額も明らかになっていない状態だ。

シンシナティ・ベンガルズのワイドレシーバー(WR)ティー・ヒギンズやジャクソンビル・ジャガーズのラインバッカー(LB)ジョシュ・アレン、カロライナ・パンサーズのLBブライアン・バーンズなど、2024年には何人もの大物選手にタグがつけられる可能性がある。また、ジャイアンツは再びバークリーにタグを指定するかもしれない。いずれにせよ、“タグづけゲーム”は現地20日(火)から始まった。

【RA】