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QBプレスコットが“カウボーイであることがすべて”とジョーンズEVP、交渉の詳細は明かず

2024年02月29日(木) 17:32


ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【AP Photo/Michael Ainsworth】

いつ、どのように、とは言わなかったが、ダラス・カウボーイズの取締役副社長(EVP)を務めているスティーブン・ジョーンズは、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットをチームに長期間残したいと考えている。

カウボーイズはノートレード条項とノーフランチャイズタグ条項の両方を含む契約の最終年を迎えているプレスコットと、オフシーズン中に契約延長に取り組む見込みだ。しかし、プレスコットの5,950万ドル(約89億1,548万円)のキャップヒットが現在のチームの資金繰りを圧迫していることを考えると、いつ契約延長が行われるのかという疑問が残る。

ジョーンズは現地27日(火)、NFLスカウティングコンバインで記者団に対して「交渉に関するそのような事柄について詳しく話すつもりはない」と語り、こうつけ加えた。

「当然、今後交渉していく中で、進展し続け、意思の疎通が図られていくことを期待している。申し訳ないが、進捗状況を報告するつもりはない」

さらに、ジョーンズは“詳細、時期、金額――すべて”について明かすつもりはないと強調。

両方の当事者への敬意を払うため、物事を自分の胸にしまっておくつもりのジョーンズだが、最終的なゴールについて発言することはいとわなかった。

3度プロボウルに選出されているプレスコット抜きのカウボーイズの将来を考え始めなければならないのだろうかという質問に対して、ジョーンズは次のように返答している。

「ダックについては、彼がカウボーイであることがすべてだ。それだけを考えている。そのような将来は考えていない」

またしてもプレーオフで敗退したものの、プレスコットは2023年にキャリア最高のシーズンを送った。NFL最多のパスコンプリート410回とタッチダウンパス36回をマークし、パス成功率69.5%、パサーレーティング105.9という数字はいずれも自己ベストで、MVP投票ではボルティモア・レイブンズのQBラマー・ジャクソンに次ぐ2位の位置につけている。

しかし、プレスコットの契約が2025年に終了する一方、カウボーイズがタグをつけたりトレードしたりすることも禁じているため、手遅れになる前にプレスコットのパフォーマンスに見合った価格で契約を延長する必要がある。

ジョーンズが時期について言及しないとしても、早急に何かを成し遂げる必要性は大いにあるはずだ。

現在、カウボーイズのキャップスペースは6番目に少ないと推定されているが、この理由の一つに、プレスコットが2024年のキャップスペースの22.8%を占めていることがあるのは間違いない。

ワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムやラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズといったスター選手を囲い込んだり、フリーエージェント(FA)でさらに選手を増やしたりするなど、カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズが望むままの動きに全面的に乗り出すには、まずプレスコットと次の契約を結んで現在の契約の負担を軽減することから始まるだろう。

プレスコットのキャップヒットがある中でどうフリーエージェンシーへ対応していくかについて、ジョーンズEVPは次のように説明している。

「今年の彼のキャップナンバーを調整する方法はある。しかし、ダック、マイカ、シーディーの3人のサラリーキャップに関しては、確かに私たちにとって厳しい問題だ。彼ら3人全員と取引をしたい状況だ。サラリーキャップがある中でやりたいことがすべてできるのか? どんなチームもそんなことはできないと思う。しかし、この問題に対して積極的に取り組んで、成功させるためにやらなければならないと思うことをやり遂げることはできる」

プレスコットのチームメイトに関しては、レシーブ135回でリーグトップの成績を残したラムが、5年目のルーキーオプションでプレーすると見られている。その一方で、同じくオプションが行使されるのを待つ形となっているパーソンズも、カウボーイズの守備陣において最大のプレーメーカーとして、多くの分け前を手にしてきた。

ジョーンズは火曜日に、この3人をチームにとどめることがカウボーイズの最優先事項であることを明言したが、それぞれが各ポジションのトップクラスにいる以上、それは難しい。

ジョーンズはこう述べた。

「いつだって難しいことだ。市場最高額の年俸を払おうとする選手を多く抱えるようになると、それは大変だが、キャップは大幅に上がっている。だから、私にとって、それほど大差はない。ただ、どれだけ多くの選手を手に入れようとしているかが違う。そして、私にとっては、重要なのは選手だ。・・・確かにクオーターバックというポジションに関する問題は、私だけが抱えているものではない。多くのチームが抱えている。おそらく来年までのことを考えると、4,000万ドル(約59億9,686万円)以上を稼ぐクオーターバックは16人になるだろうね。これが現実なんだ。うちにはすでに1人いるんだからいいじゃないか」

【KO】