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QBラッセル・ウィルソンが新リーグイヤー開始時にスティーラーズと契約を結ぶ予定

2024年03月11日(月) 14:50

デンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/David Dermer】

クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンが新天地へ向かう。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地10日(日)夜に報じたところによると、プロボウルに9回選出された経歴を持つウィルソンが、新リーグイヤーが始まる13日(水)にピッツバーグ・スティーラーズと契約する予定であり、スティーラーズは2024年に120万ドル(約1億7,632万円)を負担することになるという。

ウィルソンはすでに、NFLでの13シーズン目をスティーラーズで過ごすことを示した映像をソーシャルメディアで公開している。

3月4日に、デンバー・ブロンコスから新リーグイヤーが始まったタイミングでリリースされることが通告されたあと、ウィルソンは興味のあるチームと話し合う許可を得て、先週金曜日に最初の目的地としてピッツバーグを訪問。一足早くフリーエージェント(FA)としてチームとの交渉を進めていた。

その面談は実りあるものとなり、スティーラーズは今年、フリーエージェントとして入手可能なQBの中で最も大きな違いを生み出せる選手を、空前の安値で手に入れようとしている。

ブロンコスが次のシーズンにウィルソンに支払うことになっている3,900万ドル(約57億3,037万円)の大半を負担するおかげで、ウィルソンは自由にスティーラーズに加入でき、スティーラーズはより簡単にウィルソンを中心としたチーム編成ができるようになっている。

長きにわたってNFLを席巻してきたウィルソンだが、10年を過ごしたシアトル・シーホークスから移籍し、ブロンコスに所属したこの2シーズンは、計画通りにはいかなかった。

ブロンコスはウィルソンを迎えた初年度に5勝12敗と低迷。ウィルソンはそのシーズンにタッチダウンパス数(16回)でキャリア最低の数字をマークし、11回のインターセプトを喫した。また、ウィルソン率いるオフェンスは得点で最下位に沈んでいる。

2023年、ウィルソンは新たに就任したベテランのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンの下で、昔の面影を垣間見せたものの、ブロンコスはウィルソンを先発に起用した状態で勝率.500を下回り(7勝8敗)、ウィルソンがシステムに自然にフィットしている様子は一度も見られなかった。ブロンコスはシーズン最後の2週間でウィルソンをベンチに下げることを決断。それは、8,500万ドル(約124億9,050万円)のデッドマネーを抱えるにもかかわらず、数カ月後にウィルソンと決別する前兆だったと言えよう。

そうした展開がウィルソンの輝きに水を差したのか、35歳のウィルソンには以前のような活発さがない。とはいえ、ウィルソンにはスティーラーズへの加入が楽しみになるような輝かしい功績が、数多くある。

スーパーボウルで優勝した経験もあるウィルソンは、キャリア通算で4万3,653パスヤード、タッチダウン334回、インターセプト106回、パサーレーティング100.0をマークしている。キャリア3年目を迎えるQBケニー・ピケットと競うことになるとはいえ、ウィルソンはチームの伝説的なQBであるベン・ロスリスバーガーがキャリア終盤に調子を落とすようになってからスティーラーズに見られなかったダイナミックさをもたらすはずだ。

2022年NFLドラフト全体20位指名を受けたピケットは、先発として14勝10敗、わずか13回のタッチダウンに対して同じ数のインターセプトを喫してきた。2023年シーズン終盤、スティーラーズはピケットがケガから復帰しても、敗北を喫したワイルドカードラウンドまでQBメイソン・ルドルフを起用し続けた。

そうした状況を受け、スティーラーズは現在、ウィルソンにチャンスを与える方向に舵を切っている。

ウィルソンがブロンコス時代から抜け出し、以前の姿を取り戻せば、スティーラーズは厳しいAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区に属しながらも、再びポストシーズン進出を目指せるロースターを持つことになる。そして、2017年シーズンを最後に成し遂げていないディビジョナルラウンド進出を実現させられるかもしれない。

【RA】