ニュース

ジャガーズ残留を希望も、タイタンズには自分が望む“別の側面”があったとWRリドリー

2024年03月17日(日) 16:46

ジャクソンビル・ジャガーズのカルビン・リドリー【AP Photo/Alex Menendez】

ワイドレシーバー(WR)カルビン・リドリーがテネシー・タイタンズに加入したことは、フリーエージェント(FA)期間の序盤における最大のサプライズだったと言えよう。

ジャクソンビル・ジャガーズとの再契約を断念したリドリーは、昨季にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区で最下位となったタイタンズに、自分にとってより良い環境を見出している。リドリーがタイタンズへ加入を決めたのは、チームが再び優勝争いに加われるよう後押しする上で、重要な役割を担えると期待したからでもあった。

現地15日(金)、リドリーは自身の入団記者会見で「年に2回、対戦したことで、俺は彼らを見て、彼らが持っていたものに目を向けてきた」と語った。「D-Hop(ディアンドレ・ホプキンス、WR)がここにいることは知っているし、自分の能力を最大限に発揮できるような別の側面で、もう1人のレシーバーとプレーしたいと思っていることも自覚していた。本当に良いディフェンスを抱えていて、これから伸びるはずだと思っていた。俺はそれをちゃんと見ていた。ジャグズにいたいと心から思っていたけど、うまくいかないことがたくさんあって、自分が望む別の側面がタイタンズにはあると思うようになったから、タイタンズを選んだ。もちろん、金銭面もかなり良かったから、そうした」

タイタンズはリドリーに、彼が望む役割を与えることができる。自分の力を必要としているオフェンスで、その影響をさらに高めたいと考えているリドリーは、次のように話している。

「ジャクソンビルにはたくさんの武器がある。あそこにいたとき、俺はいつもボールを欲しがっていたから、時々、ちょっと変な感じがしていた。俺は自分たちのために突破口を見つけたい。俺は試合中にずっと出続けられるような選手になりたい。だから本当に、ここに来て、自分の仕事をして成功したいと思った。自分にできる方法で、このチームを盛り上げて飛躍させたい」

リドリーはジャクソンビルに、タイトエンド(TE)エバン・エングラムやランニングバック(RB)トラビス・イーティーエン、WRゼイ・ジョーンズ、WRクリスチャン・カークといった選手を残してきた。そこには新たにWRゲイブ・デービスが加入している。ジャガーズ攻撃陣には確かに強者がそろっているが、リドリーはジャガーズで過ごした唯一のシーズンに、他に引けを取らない活躍を見せていた。

2021年シーズン途中から試合に出なくなり、リーグのギャンブルポリシーに違反したとして2022年のオフシーズンに1年間の出場停止処分を科されたリドリーは、2023年シーズンに全17試合に出場している。

徐々に調子を取り戻したリドリーは、レシーブ数(76回)でチーム内2位に立ち、レシーブヤード(1,016ヤード)ではチームトップの成績を収めた。タッチダウンレシーブ数(8回)は、4回を記録して次点となったエングラムの2倍にあたる。リドリーはチームの攻撃スナップのうち943回(84.6%)に参加し、その数で他のワイドレシーバーに大きく差をつけた。

それでもなお、リドリーはより多くの仕事を引き受けたいと望んでいる。

リドリーはそれをホプキンスの逆サイドで実現させる予定だ。ホプキンスは2シーズンにわたって調子を崩していたものの、昨季に再び1,000レシーブヤードを突破。11年のキャリアで7度目となる1,000ヤード超えを成し遂げた。リドリーと同じく新たにタイタンズに加わったトニー・ポラードや、キャリア2年目のタイジェイ・スピアーズは、偉大なデリック・ヘンリーに代わって、RBコンビとして活躍を見せることが期待されている。

2023年シーズンに得点で27位、獲得ヤードで28位だったタイタンズ攻撃陣の、向上のカギを握るリドリーは、29歳となるシーズンに一貫性を取り戻す必要がある。

リドリーはジャガーズ時代に、4試合で100レシーブヤードを突破するなど、大活躍を見せた試合が何度かあったものの、多くのミスを犯した試合の方が多かった。復帰を果たしたシーズンの大半で調子が上がりきらなかったリドリーは、9試合で40ヤード以下を記録している。

全試合に出場したことでバランスが良くなったのか、あるいは全盛期真っ只中の1シーズン半、高速での衝突を回避したことが幸いしてか、リドリーは自分の能力に大きな自信を持っている。

「正直に言うと、書類上は29歳だけど、実際はたぶん25歳くらいだ」と強調したリドリーは、こう続けている。「それはあの2年のおかげじゃない。2年間、離れていたことは役に立ったけど、俺は本当に、25歳みたいなもんだ。若い選手とも年上の選手とも走れるし、1日中走って1日中プレーできる。そういう姿を見てもらうことになるだろう。俺はフットボールが大好きだ。これしかやってこなかった。これが俺のすべてなんだ」

それはまさにタイタンズが期待していることだと言えよう。だからこそ、タイタンズはリドリーに4年9,200万ドル(約137億1,223万円)の契約を提示している。

【RA】