カウボーイズで6シーズンを過ごしたLBバンダー・エッシュが引退
2024年03月19日(火) 13:04ラインバッカー(LB)レイトン・バンダー・エッシュは自身の健康状態を考慮して、現役引退を決断した。
ダラス・カウボーイズのラインバッカーだったバンダー・エッシュは現地18日(月)に、6シーズンを過ごしたNFLから引退すると表明。カウボーイズは15日にバンダー・エッシュを放出していた。
カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズは、18日に声明で次のように述べている。
「レイトンのように、8人制フットボールで育ち、11人制フットボールを一流のカレッジレベルで初めてプレーし、優秀な成績を残した選手はめったにいない。彼のゲームに対する情熱と愛情は周りに伝播し、彼はチームに加わった瞬間から違いを生み出してきた。彼の気概、タフネス、モチベーション、決断力、フットボールIQが惜しまれる」
「レイトンはまた、単に優れた選手であるのにとどまらず、強い個性と人格を備えていた。彼はリーダーであり、素晴らしい影響を周囲に与えるチームメイトだった。レイトンの選手としてのキャリアは終わってしまったが、彼の未来はとても明るい。ダラス・カウボーイズの組織全体を代表して、彼がヘルメットに星をつけていたことを誇りに思うと同時に、彼に感謝し、レイトンと妻のマデリン、そして幼い娘さんの幸せを祈っている」
カウボーイズから2018年ドラフト全体19位で指名を受けてキャリアをスタートさせたバンダー・エッシュは、すぐに強烈なラインバッカーであることを証明し、初年度からプロボウル選出を果たすとともにオールプロのセカンドチームに選ばれている。2019年シーズンを前にLBジェイロン・スミスが契約延長にサインしたことで、カウボーイズは今後何年にもわたって強力なラインバッカーコンビを確保したかのように見えた。
しかし、ケガが2人の躍進を妨げた。バンダー・エッシュはボイジー州立大学の2年目シーズンに初めて首の負傷に悩まされ、カウボーイカラー(ネックプロテクター)を着用してその後のキャリアを過ごすことになった。その保護措置も、バンダー・エッシュがNFLで2年目のシーズンを送っている際に首の神経に問題が発生するのを防ぐことはできず、バンター・エッシュは矯正手術を受けることを余儀なくされ、早々にそのシーズンを終えることになる。翌年には鎖骨の骨折で10試合の出場にとどまった。そして、バンダー・エッシュがようやく健康になった2021年シーズンには、カウボーイズがスミスの代わりにスタールーキーのマイカ・パーソンズを抜擢しており、その結果、バンダー・エッシュとスミスのタッグは十分な出場機会を得る前に終わってしまった。
健康上の問題から、カウボーイズはバンダー・エッシュの5年目のオプションを行使してない。バンダー・エッシュは2022年に1年契約で復帰したものの、再び首のケガに悩まされ——このときはネックスティンガーをわずらい——4試合を欠場。さらに1年後の2023年シーズンには、またしても首の負傷で5試合の出場にとどまった。
2024年のリーグイヤーが始まった今、バンダー・エッシュはケガの悩みと闘うのをやめ、人生の次の章に進むことを決意している。
バンダー・エッシュは自身の引退を発表したカウボーイズの声明文に含まれた手紙の中で、こうつづっている。
「プロフットボールが要求する、揺るぎなく高い水準に、もはや応えられないことを悟った。こう告げるのは重い気持ちだが、オレは医学上の問題によってNFLから引退する。フットボールというゲームをとても愛しているが、体がこれ以上いうことをきかない」
「NFLでのキャリアの一瞬一瞬を大切にしてきたし、これほど長くプレーできたことは本当に幸せだった。今年はこれまでとは少し違うかもしれないが、愛する家族のために良き夫、良き父親でいることだけを考えている」
バンダー・エッシュはレギュラーシーズン71試合に出場し、タックル469回(ロスタックル13回)、サック3.5回、パスディフェンス13回、ファンブルフォース3回をマークして引退する。2018年のオールプロのセカンドチーム選出とプロボウル選出が、レギュラーシーズン終了後に獲得した唯一の表彰となったが、健康状態を維持できていれば、もっと多くの賞を受けていた可能性が高いことは、バンダー・エッシュのキャリアを追ってきた者なら知っている。
バンダー・エッシュを最もよく知る人々にとって、彼がNFLでの6シーズンを通して維持した卓越性は、どんな栄誉をも上回るものだった。
カウボーイズのヘッドコーチ(HC)マイク・マッカーシーは声明の中で次のように語っている。
「レイトンはまさにコーチがチームにいて良かったと感じる選手であり、人間だ。彼のリーダーシップ、人格、忍耐力、献身的な姿勢、勝利への意志はすべて最高レベルであり、ゲームをプレーする能力は言うまでもない」
「レイトンはディフェンス陣を超えてチーム全体に影響を与えた。彼は、私たちがどのようにプレーしたいのか、全選手の手本となるような姿勢を示してくれた。レイトンのようなチームメイトがいることは、スタッフやロッカールームの全員がとても貴重だと思っていたことだから、彼がいなくなるのは寂しい。レイトンと彼の妻であるマデリン、そして娘さんの幸せを祈るとともに、彼がこれから先も最高の人生を送ってくれることを願っている」
【KO