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国際選手が参加したプロデーで注目を集めるウェールズのラグビー選手、ルイス・リース・ザミット

2024年03月23日(土) 17:24


NFLロゴ【NFL】

ウェールズのラグビースター、ルイス・リース・ザミットは南フロリダ大学(USF)のプロデーでレシービングドリルを終えた後、汗だくで息を切らせながら、何人かのNFLスカウトから声をかけられた。

「代理人はいるか?」

「ケガをしたことはあるか?」

「ワンダーリックテストは受けたか?」

「これは自分のためか、それとも家族のためか?」

リース・ザミットは、記者からのさらなる質問を受ける前に、丁寧にすべての質問に答えた。

リース・ザミットは1月にウェールズ代表チームを離れて、NFLでプレーする夢を追求すると発表し、ラグビーファンを驚かせた。才能あふれる23歳のリース・ザミットはラグビー界最高のウイングの1人であったが、今やピッチではなくフットボールフィールドで注目の的となっている。

リース・ザミットは現地20日(水)にこう語った。「いつも気になっていたんだ。父は俺にとって大きなロールモデルだ。父がこのスポーツを愛するように育ててくれたんだ。父が若い頃にこのスポーツをやっていたから、俺も幼い頃からそれを見ていて自然とゲームを好きになった。だから、いつも頭の片隅にあったけれど、こうして実際にプレーできるのは本当にうれしいよ」

かつて3回プロボウルに選出されたワイドレシーバー(WR)デショーン・ジャクソンが幼少期のお気に入りのNFL選手だったというリース・ザミットは、NFLインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)プログラムに参加する8カ国15選手のうちの1人だ。2017年に設立されたこのプログラムは、各国の優秀なアスリートたちにNFLのロースターでスポットを獲得するチャンスを提供し、リーグの国際的な選手の数を増やすことを目的とするものだ。

候補生はフロリダ州ブレイデントンにあるIMGアカデミーで10週間のトレーニングを受け、フットボールの基礎練習を行い、ほとんどの選手がプレーしたことのないゲームの複雑さを短期集中で学ぶ。

選手たちは南フロリダ大学のプロデーにおいて、31チーム——ロサンゼルス・ラムズのみ参加せず——を代表する51人のスカウト担当者の前で、自分のスキルをアピールする機会が与えられた。

リース・ザミットが40ヤード走に並んだ時、全員の注目が集まった。誰もがストップウォッチで計られるプレッシャーの中で“リース・ライトニング”がどれほど速く走るかを見たいと思っていたが、リース・ザミットは最初の試みで4.5秒をマークしただけだった。2回目の走行で改善し、正式なタイムで4.43秒を記録している。

リース・ザミットは走り終わった後に次のようにコメントした。「自分の40ヤード走には少しがっかりしている。先週は、本当にいいタイムを出していた。4.3秒台前半、4.2秒台後半を記録していた。そういうものなんだ。その日に何が起こるか分からない。でも、自分はそれくらいのスピードで走れることが分かっている。言い訳をするつもりはないけれど、自分に何ができるかは分かっているし、今日という日、そして今日の結果には満足している」

リース・ザミットはランニングバック(RB)、ワイドレシーバー、リターナーとしてトライアウトしている。リース・ザミットはレシーブ能力が高く、ルートを走る際の方向転換が素早い。まだ荒削りだが、ポテンシャルがあるのは明らかだろう。金曜日、リーグはリース・ザミットがクリーブランド・ブラウンズとニューヨーク・ジェッツを訪問することを発表し、さらに多くのチームを訪問する予定だとしている。

リース・ザミットは次のように話している。「ルートをどう走ったか、どれだけ流れるように走れたか、方向転換をどう見せられたか、ブレイクポイントをどう出入りできたか、かなり満足している。転用できるスキルはたくさんあると思う。ラグビーでは、できるだけ頻繁にボールに触れようとしたり、ディフェンスを崩したり、スペースを探したり、周囲に意識を向けたりする」

「キックオフのキャッチ、キャッチやキックのやり方、パントのやり方など、転用できるスキルはたくさんあるし、ランニングバックのポジションで一番よく力を発揮できると思う。ボールを早く手にすること、ギャップを取ること、周囲を意識すること。そういったスキルだ」

このプログラムの設立以来、37名の外国人選手がチームと契約し、現在は18名の選手がロースターに名を連ねている。オフェンシブタックル(OT)ジョーダン・メイラタ、RBヤコブ・ジョンソン、ディフェンシブエンド(DE)エフェ・オバダ、タイトエンド(TE)サミス・レイエス、DEデイビッド・バダの5名が、アクティブロースターに登録されてきた。

オーストラリア出身の元ラグビー選手のメイラタがこのプログラムのスターだ。2018年NFLドラフト7巡目でイーグルスの指名を受けた、身長203cm、体重166kgを誇るメイラタは、2020年にイーグルスの先発左タックル(LT)となり、同ポジションで最高の選手に成長した。

2024年シーズンには史上初めて、各チームは外国人選手専用の練習生として17番目のロースター枠を得ることになった。また、各チームはシーズン中に、外国人練習生を最大3回までアクティブロースターに昇格させることができるようになり、選手が成長し、プレーする機会が増えることになる。

また、各チームは対象となる外国人選手1名のために、トレーニングキャンプのロースター免除を1枠得ることができる。

リース・ザミット、ナイジェリア出身のWRプレイス・オラトケ、イングランド出身のオフェンシブラインマン(OL)トラビス・クレイトンといった選手が最有力候補だ。16名のアスリート全員がポテンシャルを持っている。すべてはいかに新たなスキルを身につけて、スカウトに印象づけることができるかどうかにかかっている。

ドミニカ共和国出身で身長203cm、約142kgのOLバイロン・マトスは他の選手よりも多くの経験を積んでいると言える。マトスは2022年の春に南フロリダ大学のフットボールチームで短期間プレーしたのと同時に、ニューメキシコ大学と南フロリダ大学でバスケットボールもプレーしていた。

マトスはこうコメントしている。「次のレベルに到達するために本当に一生懸命に取り組んできた。とても速いゲームだ。誰もがフットボールをプレーできるわけじゃない。ビッグボーイのためのスポーツなんだ」


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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