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コルツとの契約に「心から感謝」するQBフラッコ、ブラウンズでないことは「やや意外」

2024年03月23日(土) 19:22


クリーブランド・ブラウンズのジョー・フラッコ【AP Photo/Charlie Riedel】

クオーターバック(QB)ジョー・フラッコのNFLの旅は、ここ半年でかなり意外な展開を見せた。

まず、クリーブランド・ブラウンズ行きの飛行機に乗ったフラッコは、ソファに居座るベテランからブラウンズの白熱したリーダーとなり、チームをプレーオフ進出まで導いた。次に、スーパーワイルドカードウイークエンドにおけるヒューストン・テキサンズ戦で大敗を喫して、オフシーズンに再びソファに戻っている。

そして今、フラッコはインディアナポリス・コルツで2年目のQBアンソニー・リチャードソンのバックアップを務めることになる。2023年のAP通信年間カムバック選手賞を受賞したにもかかわらず、これがフラッコの引き寄せた最善のチャンスだった。

それでもソファに座っているよりはずっといい。

現地22日(金)にコルツとの契約が正式に発表された39歳のフラッコは、自身のフリーエージェント(FA)期間の体験についてこう語っている。「全く声がかからなかった昨オフシーズンとは明らかに少し違った。でもこのオフシーズンだって、どうなるのかよくわからなかった。昨年は何試合もプレーしたわけでもなかったが、インディが手を差し伸べてくれたことに感謝している」

何よりも、フラッコはもう一度フットボールをプレーするチャンスを求めていた。フラッコはブラウンズ時代にフットボールへの愛を再発見し、同時にまだボールを投げられることを証明したのだ。

QBガードナー・ミンシューと2023年の大半を共にすることを余儀なくされたコルツは、信頼できるバックアップの重要性を理解していた。ミンシューが2年総額2,500万ドル(約37億8,545万円)の契約でラスベガス・レイダースに移籍し、コルツはフラッコに目をとめた。

フラッコとコルツとの契約には、2024年に先発の座を争うチャンスがないことが大前提として含まれている。しかし、2023年がそうだったように、フラッコにどこかの時点でフィールドに立つ機会がやってこないとは限らない。

時間を持て余すほど圧倒的に有利な試合展開にでもならない限り、コルツはフラッコをフィールドに出す必要がないことが理想だ。とはいえ、リチャードソンに分け与えられるものの大きさを考えれば、フラッコにはまだ価値がある。

17年目のシーズンを迎えるフラッコは、リチャードソンのバックアップを務めることについて次のように述べた。「いいか、俺はもう何年もこの役割を担っているようなものだ。もちろん、去年はどこにもいなかったから、少し違っているね。加入して、比較的すぐにプレーすることができた。でも、彼と同じチームにいて、長く一緒に時間を過ごしていると、自然といろいろな話をするようになる。俺の経験に基づいて、彼が物事を簡略化して、早くプレーできるようにして、思い通りにスキルセットが使えるように手助けできると思うんだ」

夢のような活躍をしたブラウンズにできることなら戻りたいと思っていたと言うフラッコは、呼び戻されなかったことに“少し”驚いたと明かした。とはいえ、フラッコがブラウンズが求めているクオーターバックの典型にまったく合致しなかったことは誰もが認めるところだろう。フラッコはあくまでブラウンズのひび割れたダム全体を防ぐための緊急措置であり、その効果がポストシーズンにまで達したというだけのことだ。

今、フラッコは、NFLでまだ仕事を見つけられることをうれしく思っている。特に、昨年の今頃は何のオファーもなかったのだから、なおさらだ。何があろうと、フラッコは受け入れる準備ができている。

フラッコはこうコメントした。「好きなことがあり、仕事に打ち込むことを楽しんでいる時、それをあきらめて他のことをしようとしたり、他のことが何なのかを考えたりする人はあまりいないと思う。それが何なのか、俺には分からない。いつか分かるだろう。でも、まだ好きなことをする機会が与えられている時に、好きなことが他にあるのかもしれないと考える準備はできていないんだ。家に5人の子どもがいることも、ここに戻って仕事をしようという後押しになっているんだ、きっとね」

【KO】