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2024年はスーパーボウルに出場する“絶好のタイミング”だと考えるパッカーズQBラブ

2024年03月24日(日) 12:09

グリーンベイ・パッカーズのジョーダン・ラブ【AP Photo/Ashley Landis】

グリーンベイ・パッカーズは今オフシーズン、再挑戦のための準備を進めてきた。

オフシーズンを迎える前から、パッカーズがスーパーボウルに挑戦できると強く感じていたクオーターバック(QB)ジョーダン・ラブは、2023年シーズンのディビジョナルラウンドでサンフランシスコ・49ersに敗れた直後も、自分たちがより向上して戻ってこられると信じていた。そして、フリーエージェント(FA)に対するチームのアプローチは、ラブの考えを裏付けるものになっている。

現地22日(金)に配信されたポッドキャスト『The Pivot(ピボット)』で、ラブは「俺たちは皆、次の年に向けてものすごくハングリーだ」とコメント。「上から下まで、みんな自信を持っている。今年はスーパーボウル制覇のチャンスがある絶好のタイミングだと、組織は信じている。俺たちは49ers戦の後に、もっと頑張ろうという話をした。頑張って、より良くなる方法を見つける。だって、次の年こそ、それを成し遂げるからな」

パッカーズがシーズン後半に調子を上げ、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)で最後のワイルドカードの座を勝ち取っていなければ、チームの新フランチャイズクオーターバックはそうした高尚な考えを持ち合わせていなかったはずだ――少なくとも、声高には話さなかっただろう。

パッカーズが6勝2敗という成績でレギュラーシーズンを締めくくった主な理由は、ラブのパフォーマンスが向上したことにあった。ラブはその8試合でトータルタッチダウン20回、2,150パスヤード、パス成功率70.2%を記録した一方で、1回しかインターセプトを喫していない。さらに、ラブはワイルドカードラウンドのダラス・カウボーイズ戦で、タッチダウン3回、キャリアハイとなるパサーレーティング157.2をマーク。その試合で勝利したパッカーズは、2020年にリーグがプレーオフ進出チームを拡大して以来、第7シードとして初めてスーパーワイルドカードウイークエンドを突破したチームとなった。

その翌週、パッカーズは第1シードを保持していた49ersとの一戦でつまずき、リーバイス・スタジアムというアウェーな環境で、ラブは2カ月半ぶりに複数のインターセプトを喫した。とはいえ、勢いに乗っていたパッカーズは、最終的にNFCを代表してスーパーボウルに出場した49ersを瀬戸際まで追い詰めている。パッカーズは試合終了まで6分強の時点で、4点差をつけた状態でレッドゾーンまであと3ヤードのところまで迫っていた。

目標までの距離は近いようで遠い。そうした状況が、ラブの信念を後押しする一因となっているようだ。それと同時に、ラブは来季にそのような後悔をしなくてすむようなパフォーマンスを見せると決心している。

ラブは「もう、“俺たちは若いチームだ”とは言わない。もう、もしもの話はしない」と語り、こう続けた。「俺たちが今、どういうチームなのか、みんな分かっている。当然、みんなに狙われるだろう。俺たちを倒したいとみんなが思っている。俺たちはハングリーだ。ロッカールームにいる全員がハングリーで、戻る準備ができているのは分かっている。それからもちろん、ジョシュ・ジェイコブス(ランニングバック/RB)やゼイビア・マッキニー(セーフティ/S)という、重要なピースも加わった。だから、ワクワクしている。ドラフトではさらにいくつかのピースが加わるだろうけど、俺は自分が次のステップに進めることに興奮している。2年目を迎えるたくさんのレシーバー。去年加わった、そういうルーキーたちは、2年目にそうしたステップを踏み出すことになる」

セーフティとしては数少ない、高額年俸での契約を手に入れたマッキニーの加入は、ジェフ・ハフリーが守備コーディネーター(DC)として就任初年度を迎えるシーズンに、恩恵をもたらしそうだ。

しかし、若さと才能という魅力的な要素を併せ持つオフェンスこそ、集団として大きな一歩を踏み出す可能性があると言えよう。

RBアーロン・ジョーンズを放出したことで受ける影響はかなり大きくなるはずだ。ジョーンズは現在、ライバルのミネソタ・バイキングスに所属している。キャリア通算のキャリー平均ヤード(5.0ヤード)でジョーンズよりも好成績なランニングバックは4人しかいない。また、ジョーンズは昨季にケガで6試合を欠場したにもかかわらず、プレーオフを含めた最後の5試合で584ランヤード(キャリー平均5.7ヤード)をマークしている。ジョーンズがいなくなったことで、リーダー陣の顔ぶれは変わるはずだが、プロボウルに2回、オールプロに1回選出された経歴を持つジェイコブスが、その役割を担えるだろう。パッカーズはより若い選手を起用することで、1番手RBであるジェイコブスが完全に健康な状態でプレーできる機会を増やすことを見込んでいる。

パッカーズのパスキャッチ陣については、わずか1シーズンの間にかなり選手層が厚くなったように見受けられる。

2023年ドラフト2巡目指名を受けたワイドレシーバー(WR)ジェイデン・リードは、レシーブ数(64回)でチームをけん引し、タッチダウンレシーブ数(8回)でもWRロミオ・ドゥブスに並んでチームトップの成績を残した。月毎ではチーム最多記録を残すことはなかったものの、リードはシーズン通算レシーブヤード(793ヤード)でもチームトップに輝いている。

レギュラーシーズン中、パッカーズではドゥブスやWRクリスチャン・ワトソン、WRドンタイヴィオン・ウィックス、タイトエンド(TE)タッカー・クラフトなど、月毎にレシーブヤードで1位になった選手が異なっていた。クラフトは、ケガで長期間にわたって欠場していた、同じくルーキーのルーク・マスグレイヴの代わりに、主力タイトエンドとしてプレーしている間にそれを成し遂げている。

新人タイトエンドの2人は、どちらもキャッチ30回以上、350ヤード以上でシーズンを終えた。現在、パッカーズのロースターには3年以上の経験を持つワイドレシーバーはいない。ラブが初めて先発として臨んだシーズンに、パッカーズ攻撃陣は学習曲線を乗り越えて、パスオフェンスで12位につけた。

ラブと若手選手たちが2年目に、パッカーズを2023年シーズンよりも良い成績に導く保証はないものの、ラブはその可能性があることを分かっている。

パッカーズがNFCの強豪チームとしての地位を取り戻す試みについて、ラブは「その肩書きを取り戻す唯一の方法は、タイトルを勝ち取ることだと思う。だから、今年はそうする予定だ」と強調した。

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