シーホークスは新コーチングスタッフの下で“独自のアイデンティティを確立する必要がある”とマクドナルドHC
2024年03月24日(日) 12:112010年以降で初めて新ヘッドコーチ(HC)を迎えてオフシーズンを過ごしているシアトル・シーホークスは未知の領域にいる。
フリーエージェント(FA)とドラフトの準備で混沌(こんとん)としていた中でこの1カ月半を過ごし、自分の役割に馴染んでいったシーホークスの新HCマイク・マクドナルドは、自分にとって未知の領域であるにもかかわらず、シーホークスが新時代に移行するのをけん引するという任務をうまく遂行してきた。
現地23日(土)、マクドナルドHCは年次リーグミーティングの場で『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロの取材に応じ、「うまくいっていると思う。もちろん、この類の責任にマニュアルはない」と述べている。「計画は整えているが、ベストを尽くす日々を積み重ねてきて、この5、6週間を振り返ってみると、自分たちはかなり進歩したと感じる。しかし、やるべきことはまだまだたくさんある」
変化には“過去”との比較がつきものであり、マクドナルドHCはピート・キャロルの後任を務めることについて長々と語ってきた。キャロルは2023年シーズン終了後に退任するまでに、14シーズンにわたってシーホークスを指揮し、チームを1度スーパーボウル制覇に導いた経歴を持っている。
とはいえ、マクドナルドHCにとって、そのような成功を収めたコーチの後を継ぐということは、モチベーションを高める1つの要素に過ぎない。リーダーとして独自の道を切り開き、チームを定義づけるものや、フランチャイズとして持続的な成功を収める方法を見出すことが重要だと認識していると明かしたマクドナルドHCは、次のようにコメントしている。
「(キャロルは)シーホークスというチームの土台を築く上で欠かせない存在であり、それがこの機会に魅力を感じた理由の1つでもある。だから、それらを切り離すのは難しい。ただ、記者会見でも言ったように、私にとって唯一無二の存在は私自身だ。つまり、私はそういう人間になろうとしている。自分には自分の物の見方、信じるものがある。その多くは、彼が信じているものと一致していると認識している。しかしこのチームは、どのチームも、どの年もそうであるように、独自のアイデンティティを確立する必要があり、私はその変化をけん引する存在だ。だから、それを構想に入れて、前進していく」
それでは、2024年のシーホークスを特徴づけるものは何だろうか? マクドナルドHCによると、今年の選手たちは皆、自分自身の実力を証明したいという強い欲求を体現しているとのこと。それを評価し、共有しているマクドナルドHCは、こう語った。
「私たちはハングリーで、決意の固いグループだと思うし、選手もコーチも、うちのチームにはたくさんのことを証明しようとしている人たちがいる。私はそれを楽しみにしているし、それは今から始まる。選手たちが施設にやってきて、それを追求し始めることができるようになる4月8日に、間違いなく始まる」
マクドナルドHCが新たにタッグを組むクオーターバック(QB)ジーノ・スミスほど、そのアプローチを象徴する人物はいないだろう。スミスはキャリアを通じて、そして、シーホークスのシグナルコーラーとして再起を果たした2年間を通じて、自分自身のために戦うことの意味を定義してきた。
マクドナルドHCはスミスについて「彼が多くの試練を乗り越え、この数年で自分のペースをつかんだことは、私たちのストーリーの大部分と共鳴している」と話している。「彼自身と、ここ数年の彼の実績、積み上げてきたスタッツ、落ち着き、リーダーシップ、もちろんフットボールを投げる能力、そして私たちの関係は、まだ育ち始めたばかりだ」
マクドナルドHCが初めてヘッドコーチとして正式に指揮を執るまでにはまだ数カ月ある。チームがオフシーズンのワークアウトを開始するのも数週間後だ。とはいえ、マクドナルドHCはすでにチーム独特のアイデンティティを築きつつあり、それがフィールドでの取り組みと同様に、チームを大きく前進させると信じている。
「私たちはまとまりのある、一体となったユニットを築いているところだ。図式的に、そういうものはすべて重要だが、それで試合に勝てるわけではない」と強調したマクドナルドHCは「私たちは団結したチームとなり、自信を持って準備を整える」と続けた。
【RA】