ニュース

ドラフト全体3位のQB指名が「現時点で優先事項」ながら「あらゆる選択肢が残されている」とペイトリオッツHCメイヨ

2024年03月25日(月) 11:02

ニューイングランド・ペイトリオッツのジェロッド・メイヨ【NFL】

2023年シーズンに苦戦した結果、ニューイングランド・ペイトリオッツは2024年NFLドラフトの全体3位指名権を獲得。この指名権は強力かつ大きな話題をもたらしている。

今年のドラフト候補生には才能のあるクオーターバック(QB)がそろっていることもあり、ペイトリオッツは1994年以降で最も順位の高い指名権を使い、将来のフランチャイズクオーターバックを獲得すると、多くの人が予想している。

しかし、現時点で大胆な予想をするのは賢明ではないようだ。現地24日(日)、ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ジェロッド・メイヨは年次リーグミーティングの場で『NFL Network(NFLネットワーク)』のスティーブ・ワイチに対し、ドラフトに臨むにあたってクオーターバックがチームの焦点であることは明らかだが、自分たちが最初の指名権を使って進める方向がそれだけだと決まっているわけではないと述べている。

「現時点でそれは優先事項だ」と明かしたメイヨHCは「しかしそうは言っても、全体3位で獲得するのであれば、その選手のことを本当に気に入っていないといけない。だから、私たちにはまだあらゆる選択肢が残されている」と続けた。

ペイトリオッツは、2020年に元QBトム・ブレイディが退団して以来、全体的に疑問が残っているクオーターバックポジションの安定化を必要としている。とはいえ、メイヨHCによると、ドラフト全体3位指名権をQBに使うことだけが、そのポジションで成功するための唯一の手段ではないという。

もちろん、クオーターバックをドラフト1巡目で指名したからといって、長期的な成功が保証されるわけではない。それは、QBマック・ジョーンズが経験した浮き沈みの激しいペイトリオッツ時代によって証明されていると言えよう。ジョーンズは2021年ドラフト全体15位指名を受け、ルーキーシーズンにチームをプレーオフ進出に導くも、この2年で合わせて8勝しか挙げられず、今月初旬にジャクソンビル・ジャガーズにトレードされている。

そのため、クオーターバックをドラフトで指名する必要があると認識されているとはいえ、メイヨHCが現時点で最終決定を下さずに、持っている指名権で自分たちのチームに本当にフィットする選手を指名できるように精査を続けるのは理にかなっている。

ドラフトの早い段階でQB以外を指名することを決めた場合、ペイトリオッツには最初の指名権をトレードして資本を獲得し、QBポジションを完全に諦める可能性、あるいは、残された7つの指名権のいずれかを用いて2巡目以降でQBを指名する可能性が出てくるはずだ。

さらに、メイヨHCはすでにロースターに抱えているクオーターバックと共に歩んでいく選択をすることもできる。ペイトリオッツがドラフトでQBを指名しなかったとしても、新たに契約したジャコビー・ブリセットにオフェンスを導く能力があると、メイヨHCは自信を見せている。2016年ドラフトでペイトリオッツから指名を受けたブリセットは、フォックスボロに戻る道を見つけるまでに、8年間で5つのチームを渡り歩いてきた。

「ジャコビーのような選手は、素晴らしいリーダーだ。みんな彼のことが大好きだ。彼をチームに呼び戻すことは、確実に私たちにとって役に立つ」とメイヨHCは話している。「正直、彼は今年、間違いなくうちの先発になれるはずだ。見てみないといけない。すでに言ったように、私たちは全体3位でクオーターバックを獲得すると決めているわけではないが、準備ができているジャコビーのような選手を抱えているのは良い気分だ」

クオーターバックを指名しない可能性があるという話は、他チームに手がかりを与えないようにするべく練られたドラフト前の策略の1つかもしれない。あるいは、ペイトリオッツはブリセットに全幅の信頼を寄せながら、全体3位指名権を使って別のポジションを補強するのが最善だと心から思っているのかもしれない。

しかしながら、4月25日(木)夜に行われるドラフトで指名カードが提出されるまでは、誰がペイトリオッツを新時代へと導くのか、憶測は飛び交い続けるだろう。

【RA】