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二頭筋負傷からの復帰に備えるペイトリオッツOLBジュードン

2024年05月05日(日) 10:09


ニューイングランド・ペイトリオッツのマット・ジュードン【NFL】

ドレイク・メイをドラフト全体3位で指名したニューイングランド・ペイトリオッツではクオーターバック(QB)ポジションに大きな注目が集まっているが、アウトサイドラインバッカー(OLB)マット・ジュードンは守備陣の一員として自分自身の大きな計画を練っている。

2023年シーズンに二頭筋を断裂したことで5年連続となるプロボウル選出を逃したジュードンは、32歳で迎えるシーズンでもまだ活躍できると示すことを目標に、復帰への道のりを歩んでいる。

現地2日(木)、ジュードンはポッドキャスト『The Money Down(ザ・マネー・ダウン)』で「俺は復讐のために出る。証明したいことも、自分のキャリアで成し遂げたいこともある。個人的に、この1年はずっと最悪な状態だった。そろそろダイヤルを戻すつもりだ」と語った。

ジュードンは2021年にペイトリオッツが獲得した逸材だ。ボルティモア・レイブンズで素晴らしい2シーズンを過ごした後にペイトリオッツに加入したジュードンは、被得点で2位につけたペイトリオッツ守備陣で、その時点でキャリアハイとなるサック12.5回をマーク。2022年にはチームが被得点でトップ10から外れたにもかかわらず、サック15.5回とさらにその記録を伸ばした。ペイトリオッツ守備陣が被得点でトップ10圏外となるのは11シーズンで初めてのことであり、ビル・ベリチックのヘッドコーチ(HC)としての在任期間で5度目のことだった。

2023年シーズンにペイトリオッツのディフェンスはさらに低迷。ジュードンは二頭筋を断裂するまでに4試合しか出場しておらず、それはケガとプレー不振に悩まされて4勝13敗となり、最終的にベリチックの退任という結果を招いたシーズンの前兆だったと言えよう。

そうした苦難を踏まえると、新HCジェロッド・メイヨの下で再び優勝争いに加わる道のりは険しいものに見える。しかし、自分が“100パーセント回復した”と信じ、再び一流選手と肩を並べてパフォーマンスを披露するという個人的な目標を持っているジュードンは、2024年にペイトリオッツ全体が強くなると予見しているようだ。

「自分が前と同じようにならないことは分かっているし、自分たちも前と同じペイトリオッツにはならない」と強調したジュードンは「見かけも雰囲気も変わる。でも、俺たちは誰かのために寝転ぶつもりはない。再建しようとしているわけではないし、世界が終わった後の話でもない。俺たちは新しいコーチを得ただけ。(ビル・ベリチックは)長い間、在任した素晴らしいコーチだった。彼は組織にとって偉大な存在だった。優勝するために全力を尽くしていた。でも、今はメイヨがそれとまったく同じことをする番だ」と続けている。

数え切れないほどの調整が加えられたオフェンスで、メイヨHCがジャコビー・ブリセットを先発QBに据えて臨もうとしている中で、ディフェンスは体制が変わっても相性の良さを発揮して全力で取り組むはずだ。

補強が必要な部分を認識していたペイトリオッツ幹部は、ドラフトで守備選手の指名を避け、保持していた8つの指名権のうち1つしか守備陣に使わず、唯一、6巡目でセカンダリーの選手を獲得した。その代わりに、ペイトリオッツはディフェンシブタックル(DT)クリスチャン・バーモアやセーフティ(S)カイル・ダガー、ラインバッカー(LB)アンファーニー・ジェニングス、LBジョシュ・ウチェといった才能豊かな守備選手と再契約している。

まだ38歳のメイヨHCはこの5年間、チームのラインバッカーを指導してきた。そのため、ポスト・ベリチック時代にペイトリオッツの文化が異なることは避けられないとしても、そこに親しみやすさはあるはずだ。

ジュードンにはリーダーの役割にシームレスに戻り、パフォーマンスを発揮する――そして彼が言うように、復讐を果たす――チャンスが与えられていると言えよう。

32歳として契約最終年を迎えるジュードンには高いレベルでそうする必要がある。

健康とかつての姿を取り戻せば、ジュードンはキャリアの後期に向けてまた堅実な契約を得られるだろう。ジュードンの周りで同じようなパフォーマンスを発揮できれば、ペイトリオッツは新時代の幕開けに予想以上の成功を収められるかもしれない。

【RA】