第7週は好カードがめじろ押し、プレーオフを占う重要なウイークに
2018年10月21日(日) 02:02チーフスがペイトリオッツに敗れて今季初黒星を喫し、全勝チームはラムズのみとなった。シーズンも中盤に差し掛かり、序盤に好調だったドルフィンズ、ジャガーズ、タイタンズ、ブロンコス、バッカニアーズの勢いがやや衰えを見せ、かわってペイトリオッツやスティーラーズ、テキサンズ、チャージャーズ、バイキングスらが調子を上げてきている。
そういった状況で迎えるシーズン第7週は地区対決やカンファレンス内の対戦で地区優勝やプレーオフでのシード順位に影響を与えそうな好カードが多く、目の離せない週となりそうだ。
ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われるタイタンズ(3勝3敗)とチャージャーズ(4勝2敗)の一戦はマーカス・マリオタとフィリップ・リバースの新旧クオーターバック(QB)の対決だ。新世代の旗手ともいうべきマリオタが率いるタイタンズはAFC南地区で同率首位ではあるものの、2連敗中だ。対するチャージャーズは開幕連敗の後の3連勝で、今、最も乗っているチームのひとつだ。ベテランのリバースが全盛期に近いパッシングを発揮しているのが強みである。
プレッシャーがかかるのはタイタンズだろう。首位を分け合うテキサンズが3連勝中で勢いに乗っている。そのテキサンズにはすでに1勝しているだけアドバンテージがあるとはいえ、第12週の直接対決を意味あるものにするために、このあたりで連敗は止めておきたい。
そのテキサンズはジャガーズ(3勝3敗)との直接対決だ。ジャガーズは第3週のタイタンズ戦で敗れているため、この試合を是が非でもものにしたい。この試合を落とすようなことがあれば地区優勝が大きく遠のき、プレーオフを争うタイブレークでも不利になってしまう。
パンサーズ(3勝2敗)がイーグルス(3勝3敗)の本拠地に乗り込む試合もプレーオフ戦線を左右する対戦になるかもしれない。現在はともにワイルドカード枠を争う位置にいる。ここでの勝敗がシーズン終了時のプレーオフ出場の可否を決めることになる可能性があるのだ。先発ランニングバック(RB)ジェイ・アジャイが膝の靱帯断裂で今季絶望となってしまったイーグルスはこの試合に負けるようだと、トレード期限までにRBを獲得する必要に迫られることになるだろう。
ベンガルズ(4勝2敗)とチーフス(5勝1敗)はAFC北地区と西地区の首位同士の顔合わせだ。しかも、両チームとも第6週には黒星を喫している。しかも、終盤に逆転されるという苦い敗戦を経験したところも同じだ。それだけに、この試合に勝つか負けるかは天と地獄ほどの差がある。勝てば勢いを盛り返すきっかけになるだろうし、逆に負ければ失速の要因となる恐れもある。プレーオフの観点からはバイウイークのあるトップ2シード枠が取れるか否かの決め手になるかもしれない大事な一戦だ。
これらのほか、カンファレンスがことなるもののセインツ(4勝1敗)対レイブンズ(4勝2敗)、バイキングス(3勝2敗1分)対ジェッツ(3勝3敗)なども注目の試合だ。
いけざわ・ひろし
- 生沢 浩
- 1965年 北海道生まれ
ジャパンタイムズ運動部部長。上智大学でフットボールのプレイ経験がある。『アメリカンフットボールマガジン』、『タッチダウンPro』などに寄稿。NHK衛星放送および日本テレビ系CSチャンネルG+のNFL解説者。著書に『よくわかるアメリカンフットボール』(実業之日本社刊)、訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。日本人初のPro Football Writers Association of America会員。