フランチャイズ記録の509ヤードをマークしたファルコンズQBカズンズ
2024年10月04日(金) 23:52
かつて、まぶしいライトの下でのプレーについて批判を受けていたクオーターバック(QB)カーク・カズンズが、プライムタイムのスターへと変貌(へんぼう)を遂げた。
サーズデーナイトフットボールで長いフィールドを前に再び難しい状況に立たされたカズンズが、歴史に残るフィニッシュ――全体的なパフォーマンスとしても――を披露している。
キャリアハイの509ヤードとタッチダウン4回を記録したタンパベイ・バッカニアーズ戦で、カズンズはアトランタ・ファルコンズを36対30での、オーバータイム勝ちに導いた。
「なんて夜だ」という言葉で試合後の記者会見を始めたカズンズは「疲れきったよ」と続けている。
それもそのはずだ。
カズンズとファルコンズは81回のオフェンシブプレーを実行し、窮地(きゅうち)に追いやられたバッカニアーズ守備陣を疲れさせ、センセーショナルな反撃のお膳立てをした。ファルコンズの最後のプレーはカズンズからワイドレシーバー(WR)カダレル・ホッジへの45ヤードのサヨナラタッチダウンで、これが決まったのはオーバータイムでのことだった。
カズンズからホッジへのこのタッチダウンパスが、成績面で傑出したものとなった夜を締めくくっている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、カズンズが記録した509ヤードはファルコンズのフランチャイズ記録にあたり、今季のNFLハイでもあるという。また、36歳以上の選手としては、リーグ史上最も多い数字だ。
「攻撃の機会が多かったのが鍵だと思う。81回の機会があった。今季の他の試合では50回とかだ。だから、30回多かったことになる。通常の試合に3分の1を足したようなものだ。そのおかげでいつもより多くのチャンスから進めていくことができて、そこにいる選手たちも活躍できた」とカズンズは言う。
オーバータイムの決勝ドライブでは、カズンズはパス3回中3回成功、69ヤードをマーク。その前には、カズンズが残り1分14秒までにファルコンズを46ヤード進め、ヤンオエ・クーの52ヤードのキックによって同点に追いついている。
連続して重要な局面を乗り切ったカズンズのプライムタイムマジックが展開されたこの試合の以前、ファルコンズとカズンズは第2週にマンデーナイト戦で実施されたフィラデルフィア・イーグルスとの試合で、70ヤードのドライブを得点につなげて勝利している。
ファルコンズのヘッドコーチであるラヒーム・モリスは、こういったことはこれからも続くと考えており「まだ彼の表面的なものが見え始めたに過ぎない。われわれは大いに盛り上がっている」と述べた。
キャリアのある時点で、カズンズはプライムタイムで0勝4敗に陥っていた。マンデーナイトゲームで0勝9敗だったのはよく知られている。今、カズンズは過去5試合のプライムタイムゲームで3勝をマークし、ファルコンズの一員としてプレーした2試合ではいずれも白星をあげている。
しかし、木曜日に見せたパフォーマンスは、それらをさらに上回る、歴史に残るものだった。
カズンズのパフォーマンスがいかに印象的で、歴史的だったことか。『NFLリサーチ』よれば、プライムタイムゲームでパスヤード500ヤード以上とタッチダウン4回以上を記録したわずか2人の選手として、カズンズは2011年の、ニューイングランド・ペイトリオッツ時代のトム・ブレイディと肩を並べたとのこと。
モリスHCは「彼のゲームは自信がすべてだ。そこへ出ていって、毎週、もっと良くなることを大事にしている。それは、彼が復帰してからやってきたこと。大きなケガから復帰した彼が、週を追うごとに良くなっていくのを、私は見てきた」とコメントした。
長い間、カズンズはプライムタイムへの準備ができていないと言われてきた。
今の彼は間違いなく準備が整っており、ライトの下で、ファルコンズをいくつかの記憶に残る瞬間に導こうとしている。
「俺たちのチームがどう戦ったかを誇りに思う」と話したカズンズは、こう続けた。
「いろいろなことを乗り越えてプレーし続けるために、自分たちが見せた回復力を誇りに思う。このガッツが誇らしい。このリーグにはそれが必要だし、今夜の俺たちは気合が入っていた。勝利できてうれしいよ。今夜、俺たちのオフェンス陣が刻んだステップについては、勝ち負けと関係なく満足だっただろう。勝って、チームメイトやホームのファンたちと一緒にその瞬間を過ごすことができたのはすごく楽しかった」
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