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第49回スーパーボウルの再戦、勝敗を分けたカギ

2016年11月15日(火) 21:42


シアトル・シーホークスのタイラー・ロケットとニューイングランド・ペイトリオッツのジャスティン・コールマン【AP Photo/Charles Krupa】

第10週に行われたシアトル・シーホークス対ニューイングランド・ペイトリオッツ戦では、見覚えのある光景が広がっていた。今回は守備としてではなく攻撃する側として、試合時間45秒を残してエンドゾーン直前までボールを進めたペイトリオッツ。最終的にタッチダウンを決めることができず、31対24でシーホークスに敗れてしまっている。この試合のガキとなったポイントを振り返る。

1.試合を通してペイトリオッツはレッドゾーンまで進入した際に、ランニングバック(RB)レギャレット・ブラントに3度ボールを託していた。しかし、勝敗がかかった最終ドライブではブラントの力強いランに頼らず、クオーターバック(QB)トム・ブレイディのパスを選んだ。

43秒を残して、7点を追いかけるペイトリオッツは敵陣2ヤードからのファーストダウンで、まずブレイディのパスをチョイスするも、失敗に終わる。次のプレーではブラントのランで得点を狙ったが、またもや失敗。サードダウンではQBスニークを試みたものの、ブレイディがスナップされたボールをファンブルしてしまう。自らリカバーしたはいいが、これで貴重なチャンスを棒に振ってしまう。フォースダウンギャンブルに挑戦したペイトリオッツはブレイディからタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーへのパスを選択。しかし、プロボウラーであるシーホークスのセーフティ(S)カム・チャンスラーとの1対1のディフェンスをグロンコウスキーが振り払えず、パスは通らなかった。このプレーで両選手の接触は十分あったものの、チャンスラーに反則が科されることなく、試合はそのまま終了となった。

2.ペイトリオッツの最終ドライブの直前に、QBラッセル・ウィルソンからワイドレシーバー(WR)ダグ・ボールドウィンへの15ヤードパスでタッチダウンを決めて点差を7に広げたシーホークスだが、ここでヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルはエキストラポイントではなく、2ポイントコンバージョンに挑戦することを選択した。しかし、思惑とは裏腹に、ウィルソンのパスは惜しくも通らず、シーホークスは点差を9に広げることに失敗し、逆にペイトリオッツに試合を振り出しに戻すチャンスを与えてしまう。2ポイントコンバージョンはHCによって用途が変わってくるため、興味深い。

3.WRボールドウィンはここ5試合で1度もタッチダウンパスを投げられていなかったのに対し、この試合では3度タッチダウンを決めている。ボールドウィンがこの試合で本調子を取り戻したと考えて良いだろう。

4.この試合で鼠蹊部(そけいぶ)のケガからの復帰を果たしたSチャンスラーは早速試合の勝敗がかかった場面で活躍しただけでなく、第4クオーター中盤にはペイトリオッツWRジュリアン・エデルマンからファンブルを誘っている。ディフェンシブエンド(DE)マイケル・ベネットを欠くシーホークス守備陣にとって、チャンスラーの復帰は大きい。チャンスラーの活躍が試合の結果を左右したとも言えるだろう。

5.ペイトリオッツがホームで2敗を記録したのは2012年以来、初となる。