ニュース

2025年NFLフランチャイズタグの指定が始まる

2025年02月19日(水) 09:26


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

さあ、フランチャイズタグの出番だ。

NFLのフランチャイズタグの適用期間が2月18日(火)アメリカ東部時間16時【日本時間19日(水)6時】に開始。これは各チームがタグを使用できる最初の日となる。この期間は3月4日(火)アメリカ東部時間16時【同5日(水)6時】に終了する予定だ。

タグ指定の期間が始まっても、すぐに多くのニュースが出ることは期待しない方がいい。ほとんどのチームは期限が近づくまでタグづけを行わず、1年テンダーを用いる前に長期契約をまとめるための実質的な期限として、その状況を利用するからだ。

それはまさに、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが月曜日に報じた通り、シンシナティ・ベンガルズがワイドレシーバー(WR)ティー・ヒギンズに対して期待していることだ。

タグが使用された場合、選手とチームの両者は7月15日(火)までに複数年の契約延長に合意しなければならない。合意に至らなかった場合、選手は1年テンダーでプレーすることになる。2年前のランニングバック(RB)セイクワン・バークリーやRBジョシュ・ジェイコブスのケースのように、期限後でも金額の調整や追加のインセンティブについての交渉は可能だが、契約期間は1年に限定される。

3つのテンダーオプションについて詳しく見ていこう。

非独占的フランチャイズタグ
最も一般的に用いられるタグ。大多数の人々が“フランチャイズタグ”と呼ぶのは通常、この非独占型のものを指している。これは当該選手に対し、同じポジションの過去5年間における年俸トップ5の平均値か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年契約をオファーするものだ。タグをつけられた選手が他チームと交渉を行うことは可能。しかし、選手が他チームと契約する場合、現所属チームには同条件のオファーを出す、あるいは引き換えに2つのドラフト1巡目指名権を受け取る権利がある。

独占的フランチャイズタグ
非独占的フランチャイズタグとは異なり、タグをつけたチームが選手との交渉権を単独で保持するもの。当該選手に対し、同じポジションにおける前年度年俸トップ5の平均値か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年間の契約をオファーするもので、独占性によって年俸水準は引き上げられる。これは一般的に他チームが喜んでドラフト1巡目指名権を2つ差し出すような選手に使用されるため、“フランチャイズクオーターバック(QB)タグ”と呼ばれることもある。

トランジションタグ
当該選手と同じポジションの年俸トップ10の平均となる金額で1年間の契約をオファーするもの。フランチャイズタグとは異なり、平均額は上位5人ではなく10人が基準となる。選手が他チームからオファーを受けた場合、所属チームにはそれに対する最初の拒否権が保証されるが、それを行使しなかったとしても補償はない。

昨年は8人の選手にタグがつけられ、最終的に7人が長期契約を締結。ヒギンズのみ1年テンダーでプレーした。ベンガルズは再びヒギンズの長期契約を保留するかもしれない。2度目のテンダーが適用されると、ヒギンズは2025年に昨年の契約金額の120%にあたる報酬(2,620万ドル/約39億7,924万円)を受け取ることになる。

どのチームも1年に1つだけタグを使うことが可能だ。チームは選手がサインする前にテンダーを取り消すことができるが、それはタグを使用したものとみなされる。選手は所属チームから3回までタグ指定を受けることが可能で、そのたびに年俸は上がっていく。ただし、3回目のタグ使用はサラリーキャップに占める割合が大きくなるため、一般的に実行不可能となることが多い。

タグをつけられた選手がテンダーにサインしていない場合、トレードを行うことはできない。テンダーにサインしていない選手は、厳密に言えば契約を結んでいないことになるため、自主参加のオフシーズンワークアウトやトレーニングキャンプを欠席しても罰金を科されることはない。

2025年シーズンのサラリーキャップはまだ発表されていないため、NFLの年間サラリーキャップに基づいて決められるタグの金額も明らかになっていない状態だ。

今年はタグ使用に対する不満があまり出ていない。期限前に長期契約が実現しなかった場合にタグをつけられる可能性が最も高い選手はヒギンズだ。他にも、カンザスシティ・チーフスのガード(G)トレイ・スミスといった選手がタグをつけられる可能性があるものの、確実ではない。

【RA】