ジャガーズ新人ハンターの両面起用は「高いレベルでの継続は困難」とラムズWRアダムス
2025年08月08日(金) 11:30
2025年シーズンの最も興味深い展開のひとつが、ジャクソンビル・ジャガーズの新人トラビス・ハンターによる攻守両面でのプレー挑戦だ。
この話題は、日々の練習でオフェンスとディフェンスでのスナップ数が記録されているトレーニングキャンプだけにとどまらない。シーズンが開幕し、ジャガーズがハンターに対する当初のプランを実行に移す段階になってもこの話題は注目を集め続け、そこから先も疑問が尽きることはないだろう。長く厳しいシーズンが冬に突入する頃には、プランの見直しが必要になるのか。果たして、1人の選手が1年を通してその負担に耐えることは可能なのか。もし無理であれば、どちらのポジションに重点を置くのか。逆に乗り越えた場合、攻守それぞれでどのような成績を残すのか。さらに、攻撃部門と守備部門の最優秀新人賞を同時に受賞することは現実に可能なのか。
われわれは前例のない領域に足を踏み入れている。
この先が見通せない状況である以上、リーグ全体の選手たちにハンターについての意見が求められるのは当然の流れと言えよう。
ロサンゼルス・ラムズのスターワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスは、最近出演したポッドキャスト番組『The Pivot(ザ・ピボット)』の中で、ハンターの両面起用についての見解を問われた。32歳のアダムスは、ハンターに限らず、これほど多くのスナップ数をこなそうとすることに対して懸念を示した。
「正直、ずっと両方でやっていくのは無理だと思う」とアダムスは、ハンターがキャリアを通じて攻守両面でプレーすることについて述べた。
「高いレベルでプレーして、さらに攻守両方をこなすなんて無理だよ。片方のポジションからパントカバーに入るだけで大変なんだから。それに、俺自身がキックオフとかパントをやってきたわけじゃないけど、やっている連中を見ていると本当に大変そうなんだ。とにかく負担が大きすぎる。1試合とか1シーズンを乗り切れるかどうかということより、俺が気になるのは、あれだけのスナップ数をこなして彼のキャリアがどれだけ長く続くのかということだ。ケガのリスクが倍増するだけで、彼にそんなことは起きてほしくない。ケガのないシーズンを送って、思い切りプレーしてほしいと願っている。でも、これが現実だ」
「フィールドに立つ時間が長くなればなるほど、いや、そもそもフットボールは100%ケガするスポーツだ。そこに両サイドで出て、しかもタックルしなきゃいけないって? あの体格でデリック・ヘンリーを止めるつもりか?運動能力はとんでもないけど、それを頼りに止めようと言うなら、忍者みたいなことでもしなきゃ無理だ。あまりにもやることが多すぎる」
ここでひとつ断っておくべきなのは、アダムスがハンターを嫌っているわけではないという点だ。先の発言の前に、アダムスはジャガーズの新人について、今シーズン応援している選手のトップ3に入ると述べており、「オフェンスでもディフェンスでもいいから、彼が活躍する姿を見たい」と語っている。
アダムスの懐疑的な見方は、両方のポジションをこなすという発想を見下したり嘲笑したりするものではない。むしろ、それは才能ある若手選手が健康を維持できるかどうかを本気で心配しているように聞こえる。
12年目のベテランであるアダムスは、自身の経験をもとに語っている可能性が高い。グリーンベイ・パッカーズでのキャリア初期には、足首のケガを含む複数の故障に悩まされ、スクリメージラインからの素早い動き出しに支障をきたすこともあった。そうしたケガの問題をおおむね克服してから、アダムスのキャリアは一気に花開き、スクリメージラインでの駆け引きやディフェンダーとの距離を生み出す技術において、リーグ屈指のワイドレシーバーとなった。
アダムスのような意見があるからこそ、ハンターが成し遂げようとしている挑戦はなおさら興味深い。NFLのキャリアを通して、毎年17試合を両ポジションで出場し続ける能力に疑問を呈しているのは、マイクを握ったプレー経験のない評論家たちだけではない。週ごとに準備を重ね、実際にその厳しさを知る現役選手たちですら首をかしげるほどのことなのだ。
こうした憶測や疑問の声がハンターの計画を揺るがすことはない。自身はその過酷さに耐えられると強く主張してきた。もしそれを成し遂げることができれば、現代のNFLにおいて前例のない偉業を達成したこの世代随一の逸材として、称賛を受けることになるだろう。
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