WRサミュエルのトレード要請を「尊重」しつつ、QBパーディーとの契約交渉を進める49ersのリンチGM
2025年02月27日(木) 11:48
サンフランシスコ・49ersのジェネラルマネジャー(GM)ジョン・リンチはクオーターバック(QB)ブロック・パーディーとワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエルに対して、それぞれまったく異なる方法で正しいことをしたいと考えている。
現地26日(水)、リンチGMはインディアナポリスで実施されている2025年NFLスカウティングコンバインの場で、パーディーとの契約延長に向けた話し合いを進めている一方で、サミュエルをトレードする可能性についても検討していると明かした。
リンチGMは新人契約の最終年を迎え、基本給がわずか526万ドル(約7億8,485万円)となっているパーディーとの契約交渉について「交渉を開始した。私たちは話し合っている。詳細については語らないというのが私たちのスタンスだ」と述べている。
パーディーおよびその代理人との交渉は円満に進んでいると説明したリンチGMは、驚くべきことにサミュエルとの話し合いについても同様の見解を示した。サミュエルは2月9日に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによってトレードされる可能性があると報じられている。
リンチGMは「ディーボとの関係は良好だ。彼は新たなスタートを望んでおり、私たちはそれを尊重するつもりだ」とコメント。
ラポポートによる最初の報道では、49ersがサミュエルのトレードを検討しているとされていたが、リンチGMはサミュエルが新たな環境を求めていることを強調した。サミュエルがトレードを要請したり、トレードの話に名前が挙がったりするのは、決して目新しいことではない。
レシーブとランの両方で20回以上のタッチダウンを記録した史上初のWRとして、5,935スクリメージヤードと42回のスクリメージタッチダウンを記録してきた“ワイドバック”は、2022年春にトレードを要請。最終的に49ersとサミュエルは延長契約を結んだが、サミュエルとそのチームメイトであるWRブランドン・アイユークは2024年NFLドラフトが行われていた際にもトレードのうわさが浮上していた。サミュエルは再び49ersにとどまったが、現在は状況が変わっている。
29歳のサミュエルはキャリア最低とも言えるシーズンを終えたばかりで、その成績はレシーブ51回で670ヤード、タッチダウンレシーブ3回、136ランヤード、タッチダウンラン1回にとどまった。これらの数字は、ケガで短縮された2020年シーズンを除けば、ほぼすべてが過去最低のものとなる。
昨シーズンに自身の起用法に不満を漏らしていたサミュエル。2025年シーズンに保証金はなく、キャップナンバーは1,590万ドル(約23億7,236万円)となる見込みだ。
つまり、リンチGMは2019年NFLドラフトの全体36位で指名したサミュエルがチームにもたらしたものを評価しているものの、サミュエルがチームを離れる時が来たのは明らかだ。
「素晴らしい選手が(チームを離れるのを)見るのは好きじゃない。彼は素晴らしい選手だ」と強調したリンチGMはこう続けた。
「これまでに一番気に入っているドラフト指名の1つだと思う。彼は活躍し、試合の流れを変えるプレーをしてくれる。すべて順調だったが、いずれはそういう時が来るのだ。彼自身がそれを望んだ」
「おそらくそれは理にかなっているから、少なくとも彼に見てみるチャンスを与えている。話し合いは進めているし、どうなるか見ていくつもりだ」
リンチGMと49ersがサミュエルと別れる準備を進めている一方で、パーディーはほぼ確実にチームに残留する見込みであり、パーディーの契約延長をまとめることがオフシーズンの最優先事項となっている。
「私たちがここにいる間、そしてそれ以降も、ブロックにはうちのクオーターバックでいてもらいたいと思っている。この話はここまでだ」とリンチGMは語った。
昨年、49ersではアイユークやオフェンシブタックル(OT)トレント・ウイリアムスとの契約交渉がトレーニングキャンプまで長引いた。一方で、パーディーはオフシーズンプログラムに参加するためにも、そのようなことにならないことを望んでいると明言している。なお、リンチGMはウイリアムスが37歳という年齢でキャリア16年目のシーズンを迎える準備を整えていると明かしている。
パーディーとの契約を迅速に締結することについて明確な言及は避けた一方で、楽観的な姿勢を見せたリンチGMは、次のようにコメントした。
「最終的には、私たちが何かを達成できるという保証はないが、私の経験では、双方にやる気があれば、実現する機会は十分にあると思っている。私たちはそれを実現させてきた」
【RA】