ジェッツ、トレードが成立しなければWRアダムスを放出する見込み
2025年03月03日(月) 08:49
ニューヨーク・ジェッツの新しい幹部が2025年に手放す大物選手はクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースだけではない。
現地2日(日)、ジェッツがワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスに関するトレードの問い合わせに対応しており、トレード相手が見つからなければアダムスを放出する予定だと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートがその決定を知る人物の話をもとに報じた。アダムスのサラリーキャップナンバーは3,820万ドル(約57億5,365万円)であるため、このニュースは驚くべきものではないとラポポートは指摘している。
今回のニュースは、ジェッツが2シーズンを共にしたロジャースとの決別が迫っていると発表した直後に伝えられた。
2024年シーズンの途中にラスベガス・レイダースからトレードされたアダムスは、ジェッツでわずか11試合しか出場していない。10月中旬、ジェッツはアダムスを獲得するために条件付きのドラフト3巡目指名権を手放している。
ジェッツはアダムスが加入することで2勝6敗のスタートを切っていたチームが活性化することを期待していたが、それは実現しなかった。ジェッツはスターレシーバーをラインアップに加えた後もわずか3勝しか挙げられず、5勝12敗でシーズンを終えている。
アダムスの契約を踏まえると、今回の動きはさほど驚くことではない。アダムスは次の2シーズンでそれぞれ基本給として3,564万ドル(約53億6,806万円)を受け取る予定であり、そのうち保証された金額はゼロとなっていた。
32歳のアダムスは依然として相手ディフェンスを振り切る能力を持っているが、ロジャースが集中的にアダムスの方へ投げていたにもかかわらず、2人はシーズン中盤に予想されていたほど連携をとることができなかった。アダムスはジェッツでの11試合でレシーブ67回、854ヤード、タッチダウン7回を記録したものの、その数字を出すのに114回ターゲットになる必要があった。その非効率さは、シーズンを通してジェッツのオフェンス全体を悩ませていた問題だった。
とはいえ、アダムスがまだプレーを決める力を持っていると信じられるだけの輝きを見せる場面もあった。ベテランのアダムスは今もスナップ直後の素早い動き出しやルートランニングに優れており、その能力が今後も彼の活躍を支えるだろう。
ジェッツにとって、アダムスとの決別は、攻撃力が不十分なオフェンスでプレーしたにもかかわらず3年連続で1,000ヤード突破を成し遂げたWRギャレット・ウィルソンをトレードするという突飛な考えを鎮めることになるだろう。ロジャースがアダムスの方に目を向けることが多かったため、ウィルソンはオフェンスの中で機会を失い、アダムスのトレード後はシーズン最後の4試合を含む8試合で70ネットヤード以下の獲得にとどまった。プレーへの関与が少なくなったことにより、若手レシーバーのウィルソンは不満をあらわにしている。
より重要なのは、ジェッツがウィルソンとの契約延長を検討するかどうかだ。
ロジャースとアダムスがいなくなれば、ヘッドコーチ(HC)アーロン・グレンと攻撃コーディネーター(OC)タナー・エングストランドはウィルソンやランニングバック(RB)ブリース・ホールを中心にオフェンスを構築しなければならない。最優先事項は新たなクオーターバックの獲得だ。また、ウィルソンの代わりではなく、ウィルソンを補完する選手の獲得もオフシーズンに成し遂げたいことのリストに加わるだろう。
【RA】