ドラフト全体2位指名権でQBポジションの安定化を目指すブラウンズHCステファンスキー
2025年03月31日(月) 10:08
オフシーズンが続き、フリーエージェント(FA)市場が落ち着いてドラフトシーズンに移行する中、クリーブランド・ブラウンズは2025年シーズンにおけるクオーターバック(QB)に関する具体的な計画を依然として持っていない。
現地30日(日)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のスティーブ・ワイチと話した際に、ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーは、クオーターバックが入れ替わる状況を止める必要性と、近年のQBポジションでの苦戦に対するケガの影響について語った。
シーズンを通してプレーできるクオーターバックを擁することについて「それが目標なのは明らかだ」とステファンスキーHCは話している。
「持続的に成功を収めているチームを見てみると、健康で試合に出られるクオーターバックを擁していることが成功の要因になっていると思う。残念ながら、うちはそのポジションで健康を保てておらず、それが大きな課題となっている」
2022年シーズン開幕前にベイカー・メイフィールドをカロライナ・パンサーズにトレードし、デショーン・ワトソンを獲得して以来、ブラウンズは毎シーズン、異なる先発クオーターバックを起用しており、ワトソンがその役割を継続的に務めることはなかった。チームの長期的なシグナルコーラーとなるべく巨額の契約を結んだワトソンは、フィールドに出続けることができず、2022年は出場停止処分で多くの試合を欠場し、直近の2シーズンではそれぞれケガに悩まされ、合計で13試合の先発にとどまっている。
この3年間で、ブラウンズではジャコビー・ブリセットやジェイミス・ウィンストン、ジョー・フラッコなど、8人の異なるクオーターバックが先発を務めてきたが、現在もロースターに残っているのはワトソンだけだ。
昨シーズンに見舞われたアキレス腱(けん)断裂からの回復を目指すワトソンについて新たな情報を提供しなかったステファンスキーHCは、簡潔に「彼が健康を取り戻していく中で、その状態を見ていくことになるだろう」とコメントした。
ワトソンは1月にアキレス腱を再び断裂し、2025年シーズンの全試合を欠場するのではないかとの疑問が生じている。回復までの期間が長引くこととなったため、ブラウンズは今オフシーズンに少なくとももう1人のクオーターバックを獲得しなければならなくなった。仮に今日、シーズンが開幕した場合、健康なクオーターバックの選択肢はケニー・ピケットのみだ。
ブラウンズがベテラン選手を追い求める場合、残された選択肢は限られている。そのため、ブラウンズにとってより現実的な選択肢は、来月に行われるドラフトでクオーターバックを指名することだろう。
ブラウンズはドラフト全体2位指名権を保持しており、これは2018年にドラフト全体1位でメイフィールドを指名して以来、最も高い順位だ。今年のドラフト全体1位指名権を持つテネシー・タイタンズもQB獲得を狙っている可能性がある。ステファンスキーHCをはじめとするブラウンズのスタッフにとっては、重要な指名権をクオーターバックの獲得に用いてポジションの安定化を図るべきかどうかが問題となるだろう。また、クオーターバックを指名する場合に、適切な指導を受けてポジションの安定化を実現できる選手は誰かという点も疑問となるはずだ。
「このプロセスを進める中で、1巡目であれ7巡目であれ、自分たちが信頼できる選手がいるかどうかを見極めようとしている。チームに迎え入れ、育成できる選手がいるのかどうかもだ」と述べたステファンスキーHCはこう続けた。
「それは、人々が彼らを完成品だと思い込むことで見失っていることの1つだが、彼らは完成品ではない。だから、私たちにとって重要なのは、クオーターバックポジションであろうと他のポジションであろうと、選手がキャリアを通して成長するということを理解しておくことだ」
チームの要となっているディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットは先週、「成功を収めるチームには、若くて学ぶ意欲があり、プロセスに忍耐強く取り組むことができるクオーターバックが必要だ」と語った。ブラウンズがそのような選手を獲得する機会はすぐそこに迫っている。
【RA】