ビルズGMビーン、RBクックの契約延長は差し迫っていないと示唆
2025年03月31日(月) 12:00
バッファロー・ビルズはオフシーズンの最初の2カ月間で、攻守両面の主力選手たちの契約を延長し、チームの要となる選手たちを長期にわたって確保した。
しかし、ビルズの先発ランニングバック(RB)ジェームス・クックは新契約を手に入れた選手の中に含まれておらず、ジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンは現地30日(日)に現時点でその状況が変わる可能性は低いと示唆している。
ビーンGMは年次リーグミーティングの場で報道陣に対し、「ジンボ(クックの愛称)のことが大好きだし、彼の成功を誇りに思っている。契約を延長した他の選手たちと同じようにね」と述べ、こう続けた。
「交渉については話さないが、私たちが話し合ったことは彼とその代理人が明かしているから、私が新しい情報を共有するつもりはないと言っておこう。契約締結に近づくようなことは何もなかったから、私たちはより認識が一致している選手たちに焦点を移した」
「(コーナーバック/CBクリスチャン)ベンフォードとの契約がまとまったから、今はドラフトに集中している。どの取引もすぐに行うことはないと思う」
新人契約の最終年を迎えるクックはソーシャルメディアやインタビューで、ビルズと新契約を結びたいとの意向を積極的に表明してきた。特に、希望年俸は1,500万ドル(約22億5,094万円)だとし、「大金をくれ」とも語っている。
現在、ランニングバック市場でトップに立つのは、フィラデルフィア・イーグルスとの契約延長で記録を塗り替えたセイクワン・バークリーで、年間2,060万ドル(約30億9,129万円)を受け取ることになっている。しかし、リーグの大多数のランニングバックはその金額には遠く及ばない。
それ以前の基準を打ち出したのはクリスチャン・マカフリーで、昨年6月に契約した契約で年平均1,900万ドル(約28億5,119万円)を稼ぐこととなった。一方、その他に年平均1,400万ドル(約21億0,088万円)以上の契約を結んでいるランニングバックはおらず、年俸1,000万ドル(約15億0,063万円)以上の契約を結んでいるのも6人のみとなっている。そのため、クックが示している1,500万ドルはかなりの高額だと言えよう。
クックは2年連続で1,000ランヤードを突破し、プロボウルに選出されるなど、確かに自身の価値を証明してきた。2024年シーズンにはリーグ最多タイとなる16回のタッチダウンランを記録。258レシーブヤード、タッチダウンレシーブ2回と空中戦でも活躍した。
しかし、その仕事量によって“大金”を支払うことへのためらいが生じているのかもしれない。得点力は素晴らしかったものの、クックの昨季のキャリー数(207回)はリーグで20位、ランヤード(1,009ヤード)は16位にとどまっている。
1,500万ドルという金額は、昨シーズンに両部門でクックを上回る成績を収めたデリック・ヘンリー(ボルティモア・レイブンズ)、ジョナサン・テイラー(インディアナポリス・コルツ)、ビジャン・ロビンソン(アトランタ・ファルコンズ)、ジョシュ・ジェイコブス(グリーンベイ・パッカーズ)といった主力選手たちの年俸を上回るものだ。
『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、ビルズのキャップスペースはリーグで30位とのことで、そうしたキャップ状況を含むあらゆる要素を考慮すると、クックの希望額を支払うことは現実的ではなかったようだ。
現時点でクックがすぐにランニングバックの年俸ランキングの上位に入ることはなさそうだが、ビーンGMは、今オフシーズンに合意に至らなかったとしても、来春にクックがフリーエージェント(FA)になるのを避けるために交渉を再開する可能性は無くならないと述べている。
「繰り返しになるが、今の時点でジェームスと契約を結んでいないからといって、来年、彼がフリーエージェントになる前に契約できないわけではない」とビーンGMは強調している。
両者は合意に至っておらず、現在は交渉も保留となっているようだ。何の変化も起こらなければ、クックはシーズンを戦い抜き、1,500万ドルという金額に見合うだけの価値が自分にあると考えている理由を証明し続けるしかなくなるだろう。
【RA】