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スティーラーズはQBアーロン・ロジャースとの契約に「期限」を設けていないとトムリンHC

2025年03月31日(月) 13:27


アーロン・ロジャース【Perry Knotts via AP】

フリーエージェント(FA)に関する動きは瞬く間に起こることが多いが、新リーグイヤーが始まって約3週間が経過した今も、ピッツバーグ・スティーラーズはクオーターバック(QB)陣の補強を急いでいない。

ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは現地30日(日)に年次リーグミーティングで報道陣から、3月21日にチームを訪問したQBアーロン・ロジャースと契約を締結する、またはそれを見送る期限をチーム内で設けているのかと質問された際に、そのような期限はないと答えた。

『ESPN』によると、トムリンHCは「私の知る限りはない。自分たちが期限という観点からアプローチしてきたかは分からない。確かに、すでに言った通り、落ち着いた状況が望ましいが、期限があるからといって解決するわけではない」と述べたという。

昨季にスティーラーズで先発を務めていたラッセル・ウィルソンとジャスティン・フィールズは、今オフシーズンにそれぞれ新しいチームに加入した。ウィルソンは、同じくロジャースの獲得を検討していたニューヨーク・ジャイアンツに移籍し、フィールズはロジャースの元所属先であるニューヨーク・ジェッツと契約を結んだ。

一方のスティーラーズは、昨季をテネシー・タイタンズで過ごしたメイソン・ルドルフと契約。現在、ロースターに登録されている他のQBはスカイラー・トンプソンのみとなっている。

ロジャースの選択肢が減るにつれ、スティーラーズの選択肢も減っていったが、トムリンHCは前述のフリーエージェント訪問の際に、ロジャースに契約を結ぶ時期について質問することはなかった。その代わりに、長年対戦相手だった選手と個人的なレベルで親しくなることを選んだトムリンHCは、次のように述べている。

「彼が私たちと1日を過ごしたと報じられているが、本当に良い日だった。もちろん、以前からお互いのことを知ってはいたが、実際に一緒に過ごし、より深くお互いのことを理解できたのは素晴らしかった。とはいえ、これはフリーエージェントだし、1つのプロセスだ」

「彼のことをより深く知り、選手として、人として、彼が何を大切にしているのか、次の所属先で何を求めているのかを理解するために、より多くの時間を費やしたいと思っていた」

しかし、ロジャースの移籍先がスティーラーズでなかった場合はどうなるのか?

スティーラーズには具体的な手順があるわけではなく、トムリンHCはQB陣を整えることに関して「引き続きあらゆる選択肢を探っていく」と述べている。

「自分たちが何かをプランA、プランB、プランCと定めているかどうかは分からない。単純に、フリーエージェントかドラフトかにかかわらず、獲得可能な選手たちに目を向けていて、決定を下し、それに応じて情報を集めているだけだ」

スティーラーズは来るドラフトの全体21位指名権を保有している。シェドゥーア・サンダースやキャム・ウォードといった上位指名が予想されるクオーターバックを獲得するには、決して有利な順位ではない。また、スティーラーズにはドラフトの順位を大幅に上げられるほどの資本もない。以前に保有していたドラフト2巡目指名権は、トレードでワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフを獲得した際にシアトル・シーホークスに送ってしまった。

とはいえ、スティーラーズが指名を行う時点で、十分な才能を持つ選手が残っている可能性は高い。ダニエル・ジェレマイア、バッキー・ブルックス、チャールズ・デイビスの3人はいずれも最近のモックドラフトで、ミシシッピ大学のジャクソン・ダートが残っていれば、スティーラーズは彼をチームに迎え入れるだろうと予想している。

そうした動きがあったとしても、スティーラーズがロジャースと契約する可能性は消えないだろう。41歳のロジャースはスティーラーズがここ数年乗り越えられずにいるワイルドカードの壁を突破することに貢献し、メンターとしての役割も担うかもしれない。また、スティーラーズがドラフト1巡目でQBを獲得すれば、契約締結の期限に余裕を持たせることもできるだろう。

スティーラーズがどのような方向に進もうとも、トムリンHCはチームをうまく導くという信頼を勝ち取っている。

トムリンHCがヘッドコーチに就任してからの18年間で、スティーラーズは一度も負け越していない。QB陣の調整が完了すれば――それがいつになるかは分からないが――勝ち越し続けられる実力を持つロースターが整うだろう。

【RA】