ベアーズとともに再起を狙うGジャクソン、「重要なのはどう立ち直るかだ」
2025年04月14日(月) 11:23
クオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズを司令塔に迎えた初年度の昨季、シカゴ・ベアーズは苦戦を強いられた。シーズン途中には10連敗を喫する時期もあったが、最終戦では宿敵グリーンベイ・パッカーズを相手に意地を見せ、勝利でシーズンを締めくくった。
悔いの残るシーズンを過ごしたガード(G)ジョナ・ジャクソンは、そうしたベアーズの状況に共感を示している。
ロサンゼルス・ラムズと3年契約を結んだジャクソンは、2023年シーズン第2週に肩甲骨を骨折。その後復帰を果たしたものの、わずか1試合で先発の座を失った。デトロイト・ライオンズ時代に4年間で57試合に先発した実績を持つジャクソンだが、ラムズではわずか4試合の先発にとどまり、このオフシーズンにベアーズにトレードされている。NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区への帰還という形で、新たなスタートを切ることになった。
ジャクソンは『Go Long(ゴー・ロング)』に出演した際、「重要なのはどう立ち直るかだ」と、タイラー・ダンに語っている。
「また一から全力で取り組んで、フルシーズンを戦い抜いて、リングを手に入れる。それが今、一番楽しみにしていることだ」
ベアーズがリングを手にするためには、大きな飛躍が求められる。チームは昨季5勝12敗に終わり、プレーオフでの勝利からは15年間遠ざかっている。だが、ジャクソンにとっては身に覚えのある状況だ。新たにベアーズのヘッドコーチ(HC)に就任したベン・ジョンソンとともに、かつて低迷していたライオンズで同じような苦境を経験している。
当時のライオンズは、実に32年間もポストシーズンで勝利を挙げられていないフランチャイズだったが、ジャクソンの在籍最終年となった2023年にその連敗をついに断ち切った。前年の2022年には、自身初となるプロボウルにも選出されている。
このような流れをベアーズにもたらすことができるのであれば、プロボウル選出など必要ないとジャクソンは言う。
「個人に対する称賛なんてどうでもいい」とジャクソンは語った。
「目指すのは優勝だ。ベアーズは歴史あるフランチャイズで、過去にもその舞台に立ってきた。今、俺たちはその再建の一部になれることにワクワクしている」
「自分はこれまでにも同じような経験をしているし、もう一度やれると確信している」
ライオンズは激しく執念深い戦いぶりでスクリメージラインを支配し、流れを引き寄せた。ベアーズも今オフシーズン、大幅に刷新されたオフェンシブラインを軸に据え、勝利をつかみにいく姿勢を明確にしている。
ジャクソンをトレードで獲得したのに加え、カンザスシティ・チーフスからGジョー・トゥニーを迎え、さらにセンター(C)ドリュー・ダルマンとも3年契約を締結。これによってインテリアラインの3つのポジションが大幅に強化されており、昨シーズンにリーグ最多の68サックを許したベアーズにとっては不可欠な改善策となっている。
多くの新加入選手のひとりでありながら、過去に4年間をジョンソンHCとともに過ごした経験を持つジャクソンは、チームに早くなじみ、ユニットの結束力を高める役割を担えると自信を見せている。
「自分がオフェンシブラインにリーダーとしてもたらせるもの、それは仕事に対する姿勢、そして毎回のプレーで全力を尽くすことだ」とジャクソンは語る。
「俺にはグループをひとつにまとめる力があると思っているし、昔から冗談でエルマーズ・グルーと呼ばれていたくらいだ。泥臭く戦い、後ろにいる仲間を守る覚悟を持ったオフェンシブラインマンとして、グループを結束させたい」
最終的な目標は、ウィリアムズにポケットでの十分な判断時間を与え、落ち着いてゲームを展開できる状況を整えることだ。ルーキーイヤーの昨季、ウィリアムズは度重なるプレッシャーにさらされ、その余裕を奪われていた。もちろん、数多くのサックの一因はウィリアムズ自身にもある。プロのスピードに慣れていない中で、ブリッツを見極められなかったり、大学時代のようなビッグプレーを狙ってボールを長く持ちすぎたりする場面が散見された。
それでもウィリアムズは、タッチダウン対インターセプト比で20対6という好成績を残し、3,541パスヤードを記録。これはベアーズのシーズン記録として歴代5位に入る数字だ。オフェンシブラインからより多くの信頼と時間を得ることができれば、課題の修正も十分に可能だろう。
ジャクソンの見立てでは、ウィリアムズにはすでに必要なタフさが備わっているという。
「彼は68回のサックを受けても、なお戦い続けていた」とジャクソンはコメント。
「彼を守り、視線を前方に集中させてラッシュから遠ざけてあげれば、後方で自由に動き回りながらプレーを決められるだろう」
ここ数年、ベアーズにはオフシーズンの段階で過剰な期待がつきまとってきた。特に2024年は、ウィリアムズを全体1位で指名し、D.J.ムーア、ローム・オドゥンゼ、キーナン・アレン(現在はフリーエージェント)といった豪華なワイドレシーバー(WR)陣をそろえたことで、大きな注目を集めた。
そして今年、ベアーズはついにウィリアムズを守るための布陣を整えた。
その補強が安定した勝利につながると信じている者のひとりが、ほかでもないジャクソンだ。
【R】