ベテランQBの控えに回ることは新人QBダートにとって「有益」とジャイアンツGMシェーン
2025年05月02日(金) 09:09
ニューヨーク・ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンとヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールは、将来性はあるものの、本格的に活躍できるようになるまでに時間がかかる可能性があるクオーターバック(QB)をドラフト1巡目で指名するという状況を以前にも経験している。
バッファロー・ビルズがドラフト全体7位でQBジョシュ・アレンを指名した2018年、シェーンGMとダボールHCはそれぞれビルズのアシスタントGMと攻撃コーディネーター(OC)を務めていた。『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』でインタビューに応じたシェーンGMは、ジャイアンツが2025年ドラフト1巡目でQBジャクソン・ダートを指名した状況を、ビルズでの経験と重ね合わせて説明している。
シェーンGMは「私たちはこの状況を経験してきた。ジョシュ・アレンのときも乗り越えた」と述べ、こう続けた。
「当時は少し異なるクオーターバック陣を擁していたが、彼はルーキーイヤーをベンチで過ごす予定だった。だが、シーズン初戦のハーフタイムでボルティモア(レイブンズ)に圧倒されていたため、彼を投入した。そこからはご存知の通りだ。つまり、計画もうまくいかなかったが、ラッセル・ウィルソンやジェイミス・ウィンストンのような選手が控えていたわけじゃなかった。繰り返しになるが、ジャクソンはまずオフェンスを学ばなければならない。学ぶべきことはたくさんあるし、NFLのオフェンスを理解し、習得し、実行するのは難しいことだ。そのため、すでに熟練したプロ選手の控えとして学べることは彼にとって有益だろう」
2018年のプレシーズンを迎えるにあたり、ビルズはアレンの他にAJ・マカロン、ネイサン・ピーターマンをQB陣に擁していた。ビルズは9月1日にマカロンのトレードを成立させ、ピーターマンをシーズン第1週の先発とした。しかし、ピーターマンはパス18回中5回しか成功させられず、24パスヤードにとどまった上に、2回のインターセプトを喫したことで、アレンと交代することに。ビルズはその後もアレンを起用し続け、新人として浮き沈みが激しい中でも先発を務めたアレンは、その経験から大きな恩恵を受けている。
ウィルソンが先発QBとしてシーズン開幕を迎える場合、初戦では少なくとも27.8%を超えるパス成功率を期待したいものだ。
ウィルソンとウィンストンは共にピーターマンより遥かに優れている。一方、ドラフト全体25位で指名されたダートは、アレンがルーキーシーズンを迎えたときよりも多くの課題を抱えているため、単純な比較はできない。しかし、ジェネラルマネジャーとヘッドコーチが厳しい立場にある中で、シーズン序盤に苦戦した場合はルーキーの実力を試すことが必要になるかもしれない。
最終的にどうなるにせよ、ダートを試合に出せるように準備する必要があると指摘したシェーンGMは、次のように述べている。
「繰り返しになるが、ケガも起こりうる。私たちはこの2年で7人のクオーターバックを起用してきたから、彼は自分がプレーするつもりで準備しなければならない。つまり、彼にはチームに加わり、ルーティンを確立し、プロとしてどう振る舞うかを学び、試合を学ぶ方法を身につけてもらいたい。そして、出番が来て実際にプレーしなければならなくなったときに、準備が整っていなければならない」
夏に向けて疑問となるのは、練習機会が必要なダートに対してジャイアンツがどれほどのレップスを割り当てるかという点だ。ジャイアンツが重要なシーズンを迎えようとしている中で、ウィルソンとウィンストンも新しいオフェンスを学んでおり、練習機会の割り当てはダボールHCの最終的な計画を示すものになるだろう。
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