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新人WRたちのリーダー役に発奮するテキサンズWRニコ・コリンズ

2025年05月12日(月) 15:17


ヒューストン・テキサンズのニコ・コリンズ【Logan Bowles via AP】

わずか1年前、ヒューストン・テキサンズのワイドレシーバー陣には3つの頭からなる強力なモンスターが誕生しようとしているように見えた。

その後、ステフォン・ディッグスがACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂して2024年シーズンの半分を逃し、最終的にはフリーエージェンシーでニューイングランド・ペイトリオッツへと去った。タンク・デルもACLを断裂し、さらにシーズン終盤には膝も脱臼。この負傷について、テキサンズには復帰を急がせたり、復帰までのタイムラインを定めたりする意向はない。

一団の中でニコ・コリンズだけはまだ立ち続けており、唯一、負傷がなく、シーズン第1週に向けて始動できる状態だ。そういった状況の中で、テキサンズはこのオフシーズンに動かざるを得なかった。チームはトレードで信頼性の高いクリスチャン・カークを獲得し、ドラフト2日目の指名権2つを使い、アイオワ州立大学のジェイデン・ヒギンズ(全体34位)とジェイリン・ノエル(同79位)を指名している。

2年連続で1,000レシービングヤード越えを達成し、5年目を迎えるコリンズは、唐突に、ワイドレシーバールームの押しも押されもせぬリーダーとなった。そんなコリンズは、新人チームメイトたちの急速な成長を助けることに胸を踊らせ、モチベーションを高めている。

現地10日(土)に毎年開催しているユースフットボールキャンプを実施したコリンズは『KPRC 2』のアーロン・ウィルソンに「時がたつのはわけが分からないくらい速い。このポジションにいることはありがたいことさ。だから、みんなの模範としてひっぱらなきゃ。彼らも俺をプッシュするだろうし、俺も彼らをプッシュしていく。そういうやり方でしか良くはなれないし、日曜日に輝くこともできないんだ」と話した。

「だから、お互いにプッシュして、お互いを知って、DBたちに知らしめる。みんなと合流するのが待ちきれない。彼らとまた合流することにワクワクしている」

昨年のスペクタクルとはかけ離れた位置とはなったが、クオーターバック(QB)C.J.ストラウンドと共に驚きのプレーオフ進出を果たしたテキサンズは、このオフシーズンにも成功を収めているようで、新たなWRグループも生産性と多彩さを持つ可能性を秘めている。

まだ28歳のカークは、守備陣に隙間を見つける方法を知っている。ストラウドが成長を続けていく上で、ケガさえなければカークが不可欠な存在となるだろう。ヘイデンとヒギンズは2人とも2024年にアイオワ州立大学で1,000レシービングヤード越えを達成してカレッジキャリアを締めくくっている。お互いを補完しつつプレーしていた2人には、多くのルーキーが今、オフシーズンプログラムを利用して築こうとしている関係性が、すでにできあがっているのだ。

ストラウドにとって、身長193cmのヒギンズは4.47秒のスピードによってディフェンダーを圧倒する大きなターゲットになりうる。一方、それよりややスピードのあるノエルは、よりデルに近い存在だ。

ジョン・メッチーニ三世のように、いまだ自分の足がかりとなる場所を探している選手もいる。また、どこかの時点でデルの復帰準備が整うはずだ。

新攻撃コーディネーター(OC)のニック・ケアリーの手元には、活用できるピースが多く集まっている。これまでチームをはばんできたディビジョナルラウンドの壁を突破するためには、攻撃陣の改善が不可欠だ。

昨年は一歩後退することになったヒューストンだが、それでも2年連続でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドにコマを進めることはできた。そして、その前年と同様、テキサンズの歩みはそこで止まった。

コリンズやその下にいる若手たち、その他のチームメンバーにとって、その事実はむしろ燃料になる。

「それが俺たちを駆り立てるような感じさ。俺たちは毎年ハングリーでいなくちゃならない。それがマインドセットだ。俺たちのロッカールームには、猛犬がそろっている。満足することなんて、決してない感じ。その目標を達成するまで、俺たちが満足する理由はない」

「目標に届かず、同じ場所で2度も・・・だから、俺たちにはその感触が分かっている。またそんな気分を味わわないために、何が必要か分かっている。毎日俺たちは一歩ずつ足を出して前へ向かい、日々の仕事に取り組んでいく」

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