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キャンプ後はピケットが先発QBに浮上すると予想するブラウンズWRジョンソン

2025年06月25日(水) 12:08

ケニー・ピケット【AP Photo/Sue Ogrocki】

2025年の展開が予測できないという理由だけでも、表面上に現れるクリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)事情は興味深い。

ブラウンズは新シーズンを、さながら寄せ集めのQB陣とともに迎える。フィラデルフィア・イーグルスの元バックアップであるケニー・ピケットをトレードで獲得し、2022年の1巡指名選手をQBルームに加えた。2023年に英雄として活躍したジョー・フラッコも復帰しており、さらにドラフトで獲得したオレゴン大学のディロン・ゲイブリエルとコロラド大学のシェドゥーア・サンダースという2人のルーキーもそこに加わっている。

明確な先発候補はいない状況だが、オフシーズンに新加入したワイドレシーバー(WR)ディオンテ・ジョンソンは、まもなく最有力候補が現れると見ている。

「今のところはケニーでいくんじゃないかなと思う」と、ジョンソンはポッドキャスト番組『Sports and Suits(スポーツ・アンド・スーツ)』に出演した際に語った。

このオフシーズンに積極的な補強を行った結果、トレーニングキャンプを通じて先発争いが先の読めないまま続く可能性もある。とはいえ、オハイオ州ベリアでブラウンズを追いかけている関係者の多くは、ピケットがチームの第一候補になると予想している。

論理的に見れば、これは自然な流れだ。ピケットはピッツバーグ・スティーラーズで先発を務めた経験があり、将来的な司令塔ではないと判断されるまでは実戦経験を積んできた。現在27歳とまだ若く、可能性を見極める価値が十分にある年齢だ。一方で、フラッコは非常時に備えたバックアッププランとして存在している。

「今のところ、ケニーが先発チームでプレーしているのをよく見かける。その後ろにジョーが控えている感じだ」とジョンソンは述べている。

「おそらく彼(ピケット)でいくと思う。昨シーズンはフィリーでプレーして、スーパーボウルも経験しているからね。だから、プレシーズンの間は彼を軸にすると思うよ。そのうえで、ジョーが持っているものをチームとして受け入れることができるんじゃないかな」

非常事態の定義はさまざまだが、その意味をブラウンズのファンほど理解している者はいないだろう。とはいえ、今季の最大の注目は、ブラウンズがオフシーズンに指名したドラフト組にある。

大学のユニフォームからブラウンズのものに着替えるずっと前から築いてきた知名度とセレブ的な存在感ゆえに、サンダースはすでに大きな注目を集めている。一方のガブリエルは、やや意外な形での加入となった。大方の予想ではドラフト3日目まで指名されないと見られていたが、ブラウンズは3巡目で指名するためにトレードアップを行った。

現時点では、ブラウンズは若手たちに陰ながらレップスの機会を与えつつ、ピケットに先発の座を獲得する機会を優先的に与える構えだ。ジョンソンが語ったように、ピケットは「タイトな隙間にもスパイラルを通す」ことができるものの、それを練習でこなすのと、NFLの試合という厳しい状況でこなすのとでは、全く難しさが違う。

ジョンソンとしては、自分にパスを投げるのが誰かという点にあまり頭を悩ませてはいない。昨シーズンは3チームを渡り歩き、ボルティモア・レイブンズ在籍時には試合出場を拒否した一件も記憶に新しい。そのジョンソンは今、自分のキャリアを立て直すことに集中しており、自身やブラウンズの先行きについて大々的な予測を立てるつもりはないようだ。

「あれこれ語るつもりはない。ただ、1日1日を全力で過ごすだけだ」とジョンソンは語る。

「先のことを考えすぎず、目の前のことに集中したい。そうすれば、焦ることはないと思っている」

QBデショーン・ワトソンの獲得という大きな賭けが結果的に空振りに終わった今、ブラウンズは2025年に向けて、チーム再建のパズルを組み直そうとしている段階だ。少なくとも現時点では、クオーターバックという最重要パーツをはじめ、その完成形は見えていない。

【R】