スティーラーズでの不本意な1年目を経て「本来の姿」に戻るために努力するLBクイーン
2025年06月25日(水) 14:45
ラインバッカー(LB)パトリック・クイーンにとって、ボルティモア・レイブンズから地区ライバルのピッツバーグ・スティーラーズに移籍して迎えた最初のシーズンは、思うような結果にならなかった。
もちろん、クイーンは129回のタックルを記録し、代役としてプロボウルにも選出されたが、本人は2024年の成績に満足していないようだ。
『Pittsburgh Post-Gazette(ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)』によると、クイーンは最近、「個人的には、自分に期待して、それを超えることができたとしても、もっとできたはずだと落胆するんだと思う」と話したという。
「俺は常に、チームと自分自身にとって最高の選手になるために、もっとできることがないかって追求し続けている。去年はそれができなかった。それがこのオフシーズンを通して苛立っている部分だ」
ディフェンス選手が新しいシステムで迎える年に不安定になるのはよくあることだ。スター選手であっても、適応して成果を挙げるようになるまでに不満を爆発させることがある。フィラデルフィア・イーグルスの元ディフェンシブタックル(DT)フレッチャー・コックスは、ジョナサン・ギャノンの指導下で過ごした最初のシーズンにそのアプローチを激しく批判したことで知られているが、その翌シーズンにはイーグルスのスーパーボウル進出に貢献したディフェンスで重要な役割を果たした。
クイーンに言わせれば、責任はスティーラーズの守備コーディネーター(DC)テリル・オースティンにあるのではなく、変化に備えて十分に準備していなかった自分自身にあるという。
「自分が望んでいたようなシーズンではなかった」とクイーンは振り返っている。
「自分の理想とするプレーができなかったからね。新しいシステムとか、その他の要因のせいにすることもできるけど、結局のところ、俺はプロのフットボール選手だ。去年は5年目だった。つまり、あの状況に対してもう少し準備をしておくべきだったんだ。それはすべて自分の責任だと受け止めている」
キャリアを通してクイーンのプレーを見てきた人々は、その自己評価に同意するはずだ。2024年シーズンの『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』による守備グレードは、2021年以来で最も低い56.8となっている。これは、スティーラーズ守備陣が1試合あたりの被ヤードで12位、被得点で8位という成績を残した中での記録だった。
クイーンは昨シーズンに全17試合に出場したものの、複数のケガを抱えたままプレーし、万全のコンディションではなかったことを認めている。そうした状況を踏まえ、レイブンズとスティーラーズの両方でチームメイトだったセーフティ(S)デション・エリオットはそれを「成長痛」と表現した。
2024年シーズンを過去のものとした今、それを2025年に成功するための原動力に過ぎないと捉えているクイーンは、次のように語った。
「全盛期を迎えた後に低迷するというプロセスを経験できたことは、本来の姿に戻るためのさらなる原動力になる」
クイーンは2025年に11人の先発選手の1人になると見られているが、そこには新たな選手も加わる見込みだ。ベテランコーナーバック(CB)ダリウス・スレイは経験豊富なディフェンシブバック(DB)としてイーグルスを離れてスティーラーズに加入し、若手スターCBジョーイ・ポーターJr.の逆サイドを守ることになった。また、ドラフト全体21位指名を受けたオレゴン大学出身のDTデリック・ハーモンも先発起用が見込まれているが、NFLでの経験はまだない。
残りのメンバーはほぼ変わらず、クイーンにとっても既に慣れたシステムで運営されることになる。スティーラーズが新シーズンに臨む中、それだけでクイーンはかつての自分よりも有利な立場に立てるだろう。
過去の経験から成長したことを証明し、2025年に結果を残すかどうかはクイーン次第だ。
【RA】