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ドラフト後にベンガルズと契約に関する「やり取りは一切ない」とDEヘンドリックソン

2025年05月13日(火) 11:47


シンシナティ・ベンガルズのトレイ・ヘンドリックソン【AP Photo/Emilee Chinn, File】

オールプロにも選ばれているディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンが、シンシナティ・ベンガルズとの契約問題について言及してから1カ月が経過した。

現地12日(月)、本人が現状について新たなコメントを発表したが、内容は楽観的なものではなかった。

「ドラフトが終わってから、私の陣営と組織側との間でやり取りは一切ない」と、ヘンドリックソンは『ESPN』に宛てた声明の中で述べている。

「ドラフト前に提示されたオファーは、昨年のオフシーズンに共有されていた、高いレベルでプレーを続ければ実現すると約束されていたビジョンを反映したものではなかった。コーチ陣は当時のやり取りを把握しているはずだ。本来であれば、私がチームに戻るための道筋を協力して模索すべきところだが、今や連絡すらない」

「私はこの状況の解決を心待ちにしてきたが、話し合いがなく、双方の目標に向けた歩み寄りの意思も感じられない中では、それも難しい状況だ」

ヘンドリックソンは4月初旬にも同様に、チームとの意思疎通が取れていないことを嘆いており、契約状況をめぐるベンガルズのケイティ・ブラックバーン上級副社長の発言についても「少し残念だった」と語っている。ヘンドリックソンが不満を表明してから1カ月以上が経過したが、進展は見られず、依然として両者の膠着状態が続いているようだ。

ヘンドリックソンはこれまで繰り返し、フィールドで結果を残せばそれに見合った報酬を与えるという約束があったと主張してきた。実際、彼は2024年シーズンにその言葉どおりの成果を残している。NFL最多となる17.5回のサックを記録し、2年連続で同じ数字をマークした。ベンガルズ加入以降、安定した出場と高い生産性を誇っており、4シーズンで65試合に出場し、計57回のサックを積み上げている。

ベンガルズはこのオフシーズン、すでに財政面に関わる話題が注目されてきた。チームはワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスと大型契約延長をまとめたほか、当初は2年連続でフランチャイズ指定していたWRティー・ヒギンズとも複数年契約を締結。2024年にはクオーターバック(QB)ジョー・バロウとも巨額の契約延長を締結しており、爆発力のあるオフェンストリオの引き留めに成功している。

こうした大型契約が続いたことで、現在の契約最終年となる2025年に基本給1,580万ドル(約23億4,219万円)が予定されているヘンドリクソンに対して、十分な昇給の余地が残されていない可能性がある。この金額は、いまやエリートエッジラッシャーに求められる水準──クリーブランド・ブラウンズがDEマイルズ・ギャレットに提示した年間4,000万ドル(約59億2,280万円)という契約額──とは大きな開きがある。

2024年にリーグ最多のサック数を記録したにもかかわらず、ヘンドリックソンの平均年俸はリーグトップ10の金額に達していない。12月には31歳を迎えるフロリダ・アトランティック大学出身のヘンドリックソンにとって、いまがキャリアの価値を最大限に引き出す絶好のタイミングと言える。この目標をベンガルズとともに実現するのか、それともトレードによって新天地を求めることになるのか、今後の動向に注目が集まっている。

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