ペイトリオッツQBメイの可能性に注目し、スクランブル能力に「嫉妬」する元QBドリュー・ブレッドソー
2025年05月17日(土) 12:44
ニューイングランド・ペイトリオッツはクオーターバック(QB)ドレイク・メイが長期的な解決策になると信じている。
かつてのフランチャイズQBも、メイを中心とした未来に賛同している。そして、メイが発揮しているパス以外の能力――スクランブル能力――に羨ましさも感じているようだ。
元QBドリュー・ブレッドソーはケイ・アダムスがホストを務める『Up & Adams Show(アップ・アンド・アダムス・ショー)』に出演した際に「あれは本当に素晴らしい武器だし、正直に言うと、ちょっと嫉妬している」と話し、こう続けている。
「もっとやれとは言わないけど、あの能力が彼を変えると思う」
「パット(パトリック)・マホームズを見ていると、ほぼ毎試合、ランでビッグプレーを決めているように見える。魔法のようなボールを投げるのは言うまでもないけど、彼はいつもここぞという場面でボールを持って走り、ファーストダウンを獲得して相手チームに大打撃を与えている。ドレイク・メイにもそういう能力があると思う」
数字はブレッドソーの主張を裏付けている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、メイは2024年シーズンにランで421ヤードとタッチダウン2回を記録したが、そのうち407ヤード(および両方の得点)はスクランブルによるものだったという。その407ヤードのうち108ヤードは期待値を上回るランヤードであり、NFL全体でクオーターバックがスクランブルによって獲得した同種のヤード数では、ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソンとワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズに次いで3位タイとなっている。
ジャクソンやダニエルズのプレーについて考えるとき、スクランブルは真っ先に思い浮かぶ要素となっているが、メイについては同じことが言えない。ペイトリオッツが振るわなかったため、メイはルーキーシーズンに大きな注目を集めなかったからだ。
ロースターが改善されたことで、メイは真のフットボール愛好家(そしてペイトリオッツファン)だけが予見していた飛躍を遂げるかもしれない。『NFL.com』のマーク・ロスは5月初旬の時点ですでに、メイを2年目にブレイクアウトする候補として挙げている。Next Gen Statsが示すデータが信頼できるものであれば、その予想は的中しそうだ。
ブレッドソーがマホームズを引き合いに出したのは恣意的な選択だったように見えるが、彼の主張には十分な根拠がある。昨季の“QB Index(QBインデックス)”におけるマホームズのランキングは、統計的に精彩を欠く中でも即興でプレーを展開し、型破りな方法で前進していく能力に基づいていた。ランキングを見た大半の人がそれに反発したのは、マホームズが目を見張るような成績を残していなかったからだ。
しかし、ドライブを維持するために即興でプレーすることには大きな意味がある。チーフスはそうした小さな成功の積み重ねでスーパーボウルに進出し、マホームズはスクランブルによる獲得ヤード(331ヤード)でリーグ内5位につけた。さらに、スクランブル時のパスでは251ヤードを獲得し、4位にランクイン。マホームズのスクランブル数は、そのランキングで上位につけた他の多くの選手とは異なり、速いプレッシャーやブロックされていないプレッシャーの多さとは相関していなかった。マホームズの記録は、単純にプレーを引き延ばし、前進するための隙間を見つけ出したことによって生まれたものだった。
もしそれがメイのプレーにおける定番の要素となれば、彼はさらに成長するだろう。理想は、ペイトリオッツの再編されたオフェンシブラインが今後のシーズンで苦戦せず、メイがスクランブルする必要が減ることだ。しかし、そのスクランブル能力が脅威であり続ければ、メイは相手ディフェンスにとって手強い存在となるだろう。
【RA】