不本意な1年目を送ったレイブンズWRウオーカー、「トップスピードでプレーする」と意気込む
2025年06月27日(金) 11:57
ワイドレシーバー(WR)デヴォンテス・ウオーカーは、フットボール人生における紆余曲折を身をもって経験してきた。
大学では2度の転校を経て、出場資格を巡ってNCAAとの争いに直面。NFL1年目のシーズンでは、限られた出場機会に甘んじた。
逆境はしばしば飛躍のきっかけになる。ルーキーイヤーだった昨季、ボルティモア・レイブンズでの出場は9試合(先発なし)にとどまったが、チームはウオーカーがブレイクの一歩手前にいると確信している。
ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーはミニキャンプ終了時、チーム公式サイトを通じて「彼は毎日練習に来て、まるで時速100マイル(約160キロ)で走っているような全力の姿勢を見せている」と語った。
「彼には、素晴らしい選手になれるチャンスがある」
ハーボーHCがウオーカーの将来性に自信を持つのは、このオフシーズンにおける彼の取り組みを間近で見てきたからだ。ウオーカーは、今のレイブンズのロースターの中でも最も成長が著しい選手の一人とされている。その進化は、まずプロの舞台における自身の役割を理解したことから始まった。完全に理解するには、1年の経験を要した。
「去年の序盤は、思いきりスピードを出してプレーできていないと感じていた」とウオーカーは振り返る。
「何をすべきか常に考えていて、すべてを完璧にこなそうとしていた。頭の中がいっぱいで、全力で走ることができなかった。今年は素早くポジションに就いて、できる限りのスピードでプレーできている」
もうひとつのカギとなるがスピードだ。ウオーカーは2024年のNFLスカウティングコンバインで40ヤードを4.36秒で走り抜けており、ようやくそのスピードをフィールドで武器として活かせる手応えをつかみつつある。
「自信はすごくある。このオフェンスで何を目指しているのかが分かっているし、フィールドに出てトップスピードでプレーできている」とウオーカーは言う。
ハーボーHCが語ったように、ウオーカーはまさに時速100マイルで駆け抜けている。ここ数年にわたって直面してきた数々の制約を振り払い、今は自由に走っている。
ウオーカーはカレッジでのキャリアを中堅校のケント州立大学でスタートさせ、チームのスター選手として活躍し、カンファレンスのファーストチームにも選出された。その後、自身の能力がより高レベルの“パワー4”のカンファレンスでこそ発揮されると考え、トランスファーポータルを通じてノースカロライナ大学に移籍。注目の補強選手として迎えられた。ところが、NCAAが移籍に介入したことで出場資格を巡る争いが発生し、ウオーカーはサイドラインに立たされることになった。
最終的にウオーカーとノースカロライナ大学はカンファレンス優勝を果たし、2023年シーズンの途中から8試合に出場することが認められた。ただし、シーズン後半からの出場となったことで注目を集める機会は限られ、その影響もあってドラフトでは4巡目まで指名が先送りされ、最終的にレイブンズに選ばれる結果となっている。
ルーキーイヤーの出場は9試合にとどまり、ターゲットはわずか3回。出場機会には恵まれなかったが、唯一のキャッチで21ヤードのタッチダウンを決めことで、2025年シーズンに向けた大きな自信を手にした。
とはいえ、ウオーカーにとって乗り越えるべき課題はまだ残されている。レイブンズのロースターには、彼よりも実績のあるワイドレシーバー3人──ゼイ・フラワーズ、ラショッド・ベイトマン、そして今オフに加わったディアンドレ・ホプキンス──が名を連ねている。もっとも、障壁はウオーカーにとって決して目新しいものではない。オフェンスの全体像を組み立てるのは攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンの役割だが、ウオーカー自身はレシービングユニットの一員として、前向きな未来を見据えている。
「正直なところ、あの3人は頼りにしている。彼らがフィールドに立っている意味はよく分かっている」とウオーカーは語った。
「彼らから一つでも多くを学ぼうとしているし、それが自分にとって大きな助けになると感じている。だからこそ、いざ自分がフィールドに出た時にも感覚がつかみやすくて、コーチが自分を投入してもチームのパフォーマンスが落ちないようにしたい。ただ、自分の名前が呼ばれた瞬間に備えておく。それだけだ」
【R】