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銃撃からの復帰の道のりを振り返る49ersのWRピアソル

2025年08月04日(月) 15:41

サンフランシスコ・49ersのリッキー・ピアソル【AP Photo/Godofredo A. Vásquez】

ワイドレシーバー(WR)リッキー・ピアソルのサンフランシスコ・49ersでのルーキーシーズンは、軌道に乗ることなく終わった。

長引くケガによってトレーニングキャンプのほとんどの時間を失ったピアソルは、シーズン開幕1週間前に、サンフランシスコで強盗を意図した17歳の少年に胸を撃たれたのだ。

銃撃を受けて生き延びたピアソルは、ラスト11試合でフィールドに戻ってきたものの、ドラフト1巡目で選ばれた理由をはっきりと示せないままシーズンを終えている。

「とにかく窮地にいると感じていた。俺はベッドから起きてそのままルートを走り始めたって言ってるんだけど、本当にそんな感じだった。銃創はちゃんとリハビリできるものじゃないしね。だから、ベッドから起きて、シーズン第7週にルートを走り始めたんだ。その第7週からが、俺のトレーニングキャンプだった。試合の間とか、試合前の練習が、俺にとってはトレーニングキャンプだった」とピアソルは振り返っている。

フィールドに復帰してすぐに大きなインパクトを残したピアソル。シーズン第9週にタンパベイ・バッカニアーズに勝利した試合で、46ヤードのタッチダウンキャッチを決めたのだ。しかし、そこから5試合ではキャッチ2回をマークしたのみ。ピアソルは攻撃陣の中で安定性を確保することに苦戦していた。

ピアソル自身はその期間中も、自分はオープンになれており、ボールが来ないだけだと考えていた。しかし、サンフランシスコのタイミングに重きを置く複雑なオフェンスにおいては、そう単純な話ではなかった。

ラインでプレスカバレッジから抜け出すために動きをつけ足したり、フィールド上でオープンになるためにもう1ステップ踏み出したりしたこともあるピアソルだが、クオーターバック(QB)ブロック・パーディーにとって、それでは遅すぎた。

しかし、ピアソルのシーズン終盤の活躍は、落胆の6勝に終わった49ersのシーズンにとって、数少ない明るい要素となった。ディーボ・サミュエルがオフシーズン中にワシントン・コマンダースにトレードされ、膝の手術を受けたブランドン・アイユークがシーズン序盤数戦を欠場するとみられる中、ピアソルの役割はさらに重要になっている。

たとえ身体的な健康は取り戻したとはいえ、銃撃の余波は11カ月たった今もピアソルに影響を与えている。自分を撃った容疑で起訴された17歳の少年と話すことに関心を示しているピアソルだが、まずは自分自身が適切な状態にあることに集中しているという。

「残念だけど、毎晩、寝るときによみがえってくるんだ。それがいつも自分についてまわるような感じ。今はそれを回避するとか、思い出す、思い出さないの話じゃない。どう対処して、どう向き合うかの問題だ。もっと前向きに構えて、そこから得られるものを得て、他の人たちの助けになればと思っている。俺の個人的なことについては、うまく対処できるようになっている」とピアソルは話した。

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